坂宇場の花祭
人間の魂や身体が最も衰える霜月(旧暦11月)の時季に、神仏を舞庭と呼ばれる祭場に招き降ろし、村人が神仏と交遊して新しい自己に生まれかわる再生の祭りです。
子どもたちが愛らしく舞う「花の舞」、巨大な仮面の鬼が鉞をかざして舞う「山見鬼」「榊鬼」など、さまざまな舞が夜を徹して舞われます。
豊根村では、坂宇場、下黒川、上黒川で行われています。
花祭は中世の末期頃からこの地方でおこなわれていたものと思われます。
記録では天正九年(1581)に御神日記が、文禄二年(1592)には花祭の祖形と思われる「花祭次第」が残されており、また慶長年間に入れば面型や神楽の記録が残っています。
この花祭が国の重要無形民俗文化財として、昭和51年に国の指定を受け今日に至っています。
昔は旧暦11月14日に行われてきた霜月神楽でしたが、明治以降の施策である「廃仏毀釈」の影響を受けて大きな変化をし、太陽暦の実施や行政機関の休日等により1月3日の正月休みに行い、現在は11月の第4土曜日の夕刻より、翌日曜日の朝まで。