年の瀬も迫る2021年12月12日、福島県須賀川市で大規模な花火大会が行われました。新型コロナウィルスの影響で花火を含む文化芸術活動が自粛を余儀なくされたことにより、文化庁からの助成金を得られ開催できた花火大会。今回は須賀川市の糸井火工が主催者としても頑張ってきた様子を御紹介します。
花火大会について
これまでに何度も書いてきましたが2019年からのコロナ禍により、全国の花火大会は各地で中止となり、花火屋さんの仕事は70~90%減となってしまいました。花火大会は役所などの行政主体で行われる事が多く、やはり世論を押し切ってまでできる訳もないのが実情です。
そんな中、仕事がないなら自分達で作ろうと花火屋である有限会社糸井火工が動いた花火大会が、「打ち上げ花火下から見るか、上から見るか~HANABIism~」になります。映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を彷彿とさせるタイトルですが、「下から見るか」については観客を指し、「上から見るか」についてはドローンを使った映像で楽しんで貰おうと考えた様です。※当初はヘリコプターからの観客席も予定
そして、HANBIismとはHANABIとismの造語でハナビイズムと読みます。イズムとは主義、流儀などの意味を持ちます。ジャーナリズムやナショナリズムなども同じイズムがつく言葉です。
主催の名称としては、いわせふるさとづくり実行委員会となっていますが、助成金の申請や協賛金などの費用面、ツアーやチケット販売業者の手配、観客席のレイアウト、音響などの機材やボランティアスタッフの手配、なんとホームページの制作まで多岐に渡る業務を糸井火工が関わってきました。実はホームページ制作の部分でオマツリジャパンも少し協力しています(笑)
以前行われた静岡熱海花火フェスティバルや熱海大井川SL花火の旅と同じ様に煙火店主催の花火大会と言っても過言ではありません。
※「上から見るか」のドローンの映像
概要
主催 いわせふるさとづくり実行委員会
協力 須賀川青年会議所、岩瀬商工会
会場 浜尾遊水地
開催日 2021年12月12日(日)
時間 18:00~19:00
観客席 500席(完全有料席制)
担当煙火店 糸井火工、丸玉屋小勝煙火店
最大号数 尺玉(10号玉)
打ち上げ数 約5,000発
会場の様子
今回の開催場所は、花火の打ち上げをするには幅が取れて最高なのですが、駐車場がほとんど取れない為、郡山駅や須賀川牡丹園などからのバスを使っての移動が必須となりました。
まず、会場の受付では感染症対策のために検温とアルコール消毒を行ってから入ります。観覧席は土手の上になり、横一列に椅子やテーブルが並べてあるので、チケットの場所ごとに座る位置が決められています。また、撮影したい人は自席の椅子やテーブルの後ろでなら撮影が許可されています。
そして、若干ですがキッチンカーも用意されていました。屋台の定番である焼きそば・たこ焼きや、ちょっと珍しい45秒で提供できるいわき名物のオムライスなどもあり、特に飲食しやすいテーブル席の人達には喜ばれたと思います。
花火打ち上げ
1.オープニングスターマイン ーJust for youー
カウントダウンと共に始まるミュージックスターマイン。曲はHIPPYの「君に捧げる応援歌」になり、おそらくコロナ禍で観客の皆さんだけでなく、自分たち花火屋も負けない様にと、この曲を選んだのかも。
2.ミュージックスターマイン ーto the children of the futureー
霞草のジュワッとした花火を見ながら事前に渡されたパチパチと弾ける飴を食べてシンクロさせたり、須賀川に所縁があるウルトラマンの花火を探して貰ったりと観客も見るだけでない参加型の花火。
3.花火文化芸術20選 ー匠の技術ー
北は秋田県、南は大分県と全国の著名な花火業者から集めた芸術的な尺玉(開花直径約330m)を1発ずつ打ち上げる。
4.ミュージックスターマイン ーPeace begins with a smileー
Mrs. GREEN APPLE「僕のこと」/YOASOBI「もう少しだけ」/MISIA「アイノカタチ」の3曲を使ったミュージックスターマイン。
5.エンディングスターマイン ーAll your dreams can come trueー
全長700mを使った豪華絢爛なミュージックワイドスターマイン。福島県も間違いなく国内有数の花火大会を開催できる地域です。
感想
私は須賀川市の近くに住んでおり、糸井火工のスタッフの皆さんと関わることも多い為、コロナ禍で花火大会がなくなっても何とか自分たちのやれる事をやろうと頑張ってきた姿を見てきました。
これまで花火屋さんは花火大会の演目の部分だけを担当すれば良かったのですが、これからの時代は自分たちで花火大会を企画して仕事を作っていく能力も求められるのではと思っています。
普通の花火大会を開催するだけでも大変ではありますが、その分、スポンサーや主催者の意向に沿った演出をする必要がないので、花火玉の価格など費用などの面を調整できるのは大きなメリットです。やはり餅は餅屋の言葉だけあって演出も芸術的であり、かなり素晴らしい花火大会になったので、観客の皆さんも大満足だった筈です!
最高だった〜!!
700mのワイドスターマインはヤバすぎた🎆もう幸せすぎる時間でした🥰✨#糸井火工#須賀川#HANABIism pic.twitter.com/X3kbyIvSui— yuki (@yuki3oo3) December 12, 2021
『打ち上げ花火下から見るか、上から見るか』〜HANABIism〜
エンディングスターマイン700m
−AII your dreams can come true−後半
県内でこの規模を観られて幸せでした🤗#文化庁#いわせふるさとづくり実行委員会#糸井火工#須賀川市 pic.twitter.com/sq5klyySGJ— カッツ (@katsuhanbi) December 12, 2021
【打ち上げ花火下から見るか、上から見るか-HANABIism-】
12/12(日)に無事に終了する事が出来ました。このような場を与えて頂いた全ての方々に感謝致します。
そして私達は、やはり花火が好きだという事を再認識しました。音楽にも注目していただけて、花火・音楽両側面から想いを伝えさせて頂きました pic.twitter.com/4izaTWn2hU— 糸井火工 (@itoi_fireworks) December 15, 2021
【報告】12月12日に本大会を開催し、2週間が経ちました。ウィズコロナの中での開催で、コロナウイルス感染者の報告はございませんでした。また、今回、医師・看護師も待機していただいておりました。何事もなく終了できました事、ご報告させていただきます。皆様の御協力を誠にありがとうございました! pic.twitter.com/WPwrEYS0UY
— 打上げ花火下から見るか、上から見るか~HANABIism~ (@hanabi_ism) December 27, 2021