皆さんは日本に古くから浸透しているおもちゃであり縁起物の「起き上がり小法師(起き上がりこぼし)」をご存知でしょうか?
小柄で可愛らしくも、決して倒れるとこはないその姿は、郷土玩具として人々に多くの元気を与えてきました。
しかし、「実物は見たことがある」「手にしたことがある」という方も、起き上がり小法師の習わしや歴史はあまり聞き馴染みがないのではないでしょうか。
今回この記事では、親しみやすさと可愛らしさに溢れた起き上がり小法師の歴史と習わしに迫ります。
起き上がり小法師とは
そもそも起き上がり小法師とは、一体何なのでしょうか。
そして、いつ・どこで・どのようにして生まれたのでしょうか。
福島県会津地方の郷土玩具
起き上がり小法師は、福島県会津地方に伝わる郷土玩具です。
また、風車・初音と並び、会津の三大縁起物とされています。
会津地方といえば「赤べこ」を連想する方も多いかと思いますが、起き上がり小法師も昔から会津地方に根付き、その歴史は400年になると言われています。
その起源は、江戸時代初期、会津藩主が寒い冬の内職として作らせたことが始まりです。
正月に売り出された起き上がり小法師は、転んでもすぐに起き上がる様子から、「七転八起」の意味が込められ、おもちゃ、縁起物として会津の人々に寄り添ってきました。
家族の数より一つ多く買うのが習わし?!
会津地方では、毎年1月10日に、会津最大の初市である十日市が開催されます。
初市では風車や初音と合わせて沢山の起き上がり小法師が並び、多くの人々が手に取ります。
その際、家族の人数よりも1つ多く買うことが古くからの習わしとされています。
その理由は諸説あり、その一個が家族の災厄を負ってくれることや、家族が増えますようにという一族繁栄の願いが込められていることなどがあります。
だるまとの共通点
何を隠そう、起き上がり小法師はだるまが基になって作られているという説があります。
また、過去には天然痘などの疫病が蔓延しており、だるまも起き上がり小法師も疫病除けに用いられていました。
だるまはその強い眼力で、起き上がり小法師は何度でも立ち上がる姿で、人々の心の支えになっていたのかもしれませんね。
まとめ
今回は起き上がり小法師の歴史を中心に習わしやだるまとの共通点をご紹介しました。
起き上がり小法師を見かけたら、無病息災を願ってお手に取ってみるのも良いかもしれませんね。