2019年からスタートした、観光経済新聞のオマツリジャパンコラム記事連載!2022年も「お祭り」をフックに、旅に出たくなる記事の連載をして参ります!奇祭好き、ケンカ祭り好き、お神輿好き…等、様々なライターさんに記事を執筆いただく予定ですので、ぜひご覧ください♪(オマツリジャパン編集部)
韓国情緒漂うだんじり祭り
だんじり祭りといえば、岸和田市が有名だが、だんじり祭りは岸和田だけでなく、広く関西エリアで行われている。ここ大阪市生野区では現在15台のだんじりがあり、夏は7月中旬の土日、秋は10月15~16日ごろにだんじり祭りが行われている。ひと口にだんじり祭りといっても、地域が異なれば、だんじりの形や曳行形態などが異なる。大阪市内のだんじり祭りは、岸和田市のように走る祭りではなく、ゆっくりと綱を引き、お囃子(はやし)や龍踊りを楽しむ祭りである。
生野区にある鶴橋駅、ホームに降りると焼肉の匂いが漂ってくる。鶴橋は多くの焼肉店があることでも有名だ。改札を抜けると鶴橋商店街があり、韓国料理屋、キムチやナムル、チヂミなどのお店が立ち並ぶ、商店街の道幅は狭い。小ぶりな鶴橋のだんじりが道幅いっぱい、いや道幅より広いだんじりの枠の部分は店のキムチの上を通過する。こんな狭い道をだんじりが通るのかと初めて見た時は驚いた。
この近くに生野コリアタウンがある。こちらも韓国グルメ、韓国コスメやK―POPアイドルのグッズショップが立ち並び、まるで韓国にいるような雰囲気だ。このかいわいは年中観光客でにぎわっている。このコリアタウンの中を猪飼野(いかいの)や勝五のだんじりがご祝儀を集めながら曳行する。観光目的で訪れた人、だんじり目当てで訪れた人が入り乱れる様子はまさにカオス状態だ。
コリアタウンの入り口横に御幸森(みゆきのもり)天神宮があり、そこに猪飼野のだんじりが宮入りをする。その宮入りを初めて見た時は驚いた。だんじりを「担いだ」のである。だんじりは「曳く」ものだ。御神輿(おみこし)文化圏の人と会話すると、だんじりを「担ぐ」とよくいわれるのだが、私はその都度、だんじりは「担ぐ」のではなく、「曳く」のだと説明してきた。だから、だんじりを「担ぐ」場面を目の前で見た時はかなりの衝撃を受けた。
岸和田とはちょっと違っただんじり祭りだが、ぜひ一度見て観ていただきたい祭りだ。