温泉街の梅の名所で開催される「熱海梅園もみじまつり」
「日本で最も早咲きの梅」が育つ熱海梅園は、実は紅葉スポットでもあるのです。園内には約380本のカエデ類が植栽され、例年11月下旬から12月上旬にかけて梅園を紅葉が彩り、「熱海梅園もみじまつり」が開催されています。2021年は11月13日~12月5日の期間で行われています。
熱海梅園は、相模灘に面する静岡県熱海市の温泉街の北部に1886年に造園されました。
熱海梅園の敷地内には約60品種、500本前後の梅を中心として様々な種類の植物が栽培されています。例年1月中旬から3月上旬には園内は紅白の梅で彩られ「熱海梅園梅まつり」が開催されます。
秋色の化粧を纏う初川や梅園五橋
梅が主役の熱海梅園ですが、イロハモミジをはじめ、ムサシノ、イチジョウなどのカエデ類が梅の樹の間隙を埋め、春とは異なる彩りで染め上がります。園内を南北に流れる初川が秋色の化粧を纏うのです。
初川には梅園五橋と呼ばれる漸佳橋、迎月橋、雙眉橋、駐杖橋、香浮橋の5つの橋が架けられ、各々の橋を渡りながら様々な表情で広がる紅葉を見ることができます。
初川の上流部に架かる駐杖橋の欄干は、朱色に塗られており、紅葉の彩りに溶け合うようです。
梅見の滝は“裏見の滝”!滝の水越しに眺める紅葉
駐杖橋の北では、梅見の滝が水しぶきを上げています。春には文字通り観梅のスポットとなりますが、秋の景観も引けをとることはありません。岩肌を紅葉が彩るばかりではなく、滝を作る洞窟のような岩壁の中に入ることができ、滝の裏側から流れ落ちる水を見られる“裏見の滝”になっています。滝の水しぶき越しに紅葉狩りができるのです。
初川の両岸に歩きやすい園路が設けられているので、落ち着いた雰囲気で紅葉狩りをすることができることでしょう。園内には石乗もみじのような珍しい樹の姿を見ることもできます。
「熱海梅園もみじまつり」期間中に開放される足湯や夜間のライトアップ
「熱海梅園もみじまつり」の開催期間中には足湯が解放されます。園の北端に温泉が湧き出、足湯施設が設けられます。疲れた足を温める温泉の上には紅葉が自然の屋根を作っています。
足湯は日中で閉じられますが、夜間になるとライトアップが行われます。カエデ類の樹を囲むようにライトアップに利用する竹の管が準備されています。竹には模様を描くように穴があけられ、この穴を通してこぼれる光が紅葉を照らし出すようです。石湯や夜間ライトアップの他にも、「熱海梅園もみじまつり」の期間中の日曜日にはジャズのステージ・ライブも企画されています。
相模灘に面する熱海の温泉街の北部に造園された熱海梅園は、梅ばかりではなく紅葉の名所となっています。園内には梅の樹の間隙を埋めるように約380本のカエデ類が植栽さています。例年11月下旬から12月上旬には「熱海梅園もみじまつり」が開催されています。