皆さんは、秋といえば何を思い浮かべますか。食欲の秋、読書の秋、芸術の秋といいますが、秋はお祭りも盛んなことはご存知でしょうか。この記事では、秋になったら参加したい全国の秋祭りを一挙に15選ご紹介します!
◆9月開催のお祭り
まずは初秋、9月に開催されるお祭りからご紹介します。
●洗練された舞が魅力!おわら風の盆
おわら風の盆は、毎年9月1日から9月3日にかけて行われる、富山県は越中八尾の踊りです。9月初旬の初秋の風が吹く頃に、その年の豊作や鎮魂を願って、「おわら節」の音色に思いをたくして踊ります。日本の伝統美をそのまま残したような、お祭りの優美な様は圧巻です。
歴史
おわら風の盆がいつ始まったのかは、資料が残されていないため、はっきりとは分かっていません。しかしながら、「越中婦負郡志」によれば、元禄15年(1702)3月、加賀藩から下された「町建御墨付」を八尾の町人達が、町の開祖米屋少兵衛家所有から取り戻した祝いとして、三日三晩町を町を練り歩いたことが起源ではないかとされています。
この三日間はどんなに騒いでもお咎めなしということで、春祭りの三日間はとても賑わいました。その春祭りをきっかけに、お盆でも町を賑やかに練り歩くようになり、それが「風の盆」という名の祭りに変化し、9月1日から9月3日にかけて行われるようになったと伝えられています。
見どころ
涼しげな浴衣と、編み笠の間から顔をのぞかせた姿は、とても幻想的で優美です。胡弓や三味線の音色が響き渡り、踊り手がしっとりと舞う様は圧巻!各町内ごとに特色があり、どの舞も素朴な中に洗練された美しさが垣間見えます。また、夕方を過ぎると、家並に沿って並ぶぼんぼりに光が灯り、その光景もまたとてもみやびです。
2019年の開催情報とおすすめ観覧スポット
日程:9月1日(日)~9月3日(日)
場所:富山県富山市八尾町上新町
アクセス:
JR「富山駅」からJR高山本線越中八尾駅まで電車で約25分
JR「富山駅」からバスで約45分
北陸自動車道富山西ICから車で約20分
北陸自動車道富山ICから車で20分
おすすめ観覧スポット:各町内(11ヶ所)と富山市立八尾小学校グラウンド(風の盆「おわら演舞場」における演舞会)
観覧時の注意点
風の盆「おわら演舞場」における演舞会は有料です。指定席が3600円で、自由席が2100円となっています。
●大迫力のやりまわし!岸和田だんじり祭
大迫力で勇壮なパフォーマンスで知られる大阪の岸和田だんじり祭。毎年9月の敬老の日の前々日の土曜日と、前日の日曜日に行われるこの祭りは、二日間で約40万人もの観客が訪れます。
歴史
祭りの歴史は、延享2年(1745年)にまで遡ります。この年に行われた現在の岸城神社(きしきじんじゃ)の夏祭りで、多くの提灯をかかげたのが、岸和田だんじり祭の起源とされています。また、京都の伏見稲荷から神様を招いて、豊作を祈願したのが始まりという説もあります。いずれにしても、神社のお祭りが起源であり、五穀豊穣を願うのが、岸和田だんじり祭の本来の目的のようです。
見どころ
岸和田だんじり祭の見どころは、なんといっても大迫力の「やりまわし」です!他のお祭りの山車は、曲がり角を慎重に回りますが、岸和田だんじり祭の山車は、角を勢いよくハイスピードで直角に曲がります。山車の重さは4トンを越えるため、山車の操作は容易なものではありません。お祭りの二日間は、山車が曳行路をひたすら周り続け、曲がり角のたびに、「やりまわし」を行います。山車が街を練り歩く祭は多くありますが、その迫力とスピードにおいて、岸和田だんじり祭の「やりまわし」を越えるものはないでしょう。
2019年の開催情報とおすすめ観覧スポット
日程:9月14日(土)から9月15日(日)まで
場所:大阪府岸和田市
アクセス:
南海本線「岸和田」駅前(岸和田地区)
南海本線「春木」駅前(春木地区)
おすすめ観覧スポット:岸和田地区(岸和田駅前、岸城神社、岸和田天満宮)
観覧時の注意点
角地での観覧は、全力で駆け抜ける「やりまわし」の通り道で危険なので、十分注意しましょう。
●豪快な手筒花火はまさに炎の舞!炎の祭典
豪快さで知られる愛知県豊橋市の手筒花火。1メートルほどの竹筒に火薬を詰め、それを人が抱えながら行う花火は、圧巻の迫力!花火の高さは10メートルにも及びます。火の粉を体に浴びながら打上げる様は壮観で、観客を魅了します。
歴史
「炎の祭典」は、平成8(1996)年に、豊橋発祥の手筒花火により、豊橋の町興しを目的に、豊橋市制施行90周年記念事業としてスタートしました。それ以来、回数を重ね、2019年で24回目の開催となります。いまや、「炎の祭典」は、東三河の一大イベントとしてすっかり定着し、豊橋の初秋の風物詩となっています。
見どころ
演目の「炎の舞」がとにかくおすすめ!和太鼓の演奏に合わせて、手筒花火を中心に、仕掛け花火やスターマインなど、様々な花火を鑑賞できます。そして、フィナーレでの手筒花火の20本余一斉放揚は、豪快に吹き出す高さ10メートルにもなる火柱に圧倒されます。まさに手筒花火発祥の地としての心意気を感じる瞬間です。
2019年の開催情報とおすすめ観覧スポット
日程:9月14日(土)から9月15日(日)まで
場所:愛知県豊橋市 豊橋公園内豊橋球場
アクセス:市電「豊橋公園前」下車 徒歩5分
おすすめ観覧スポット:最も眺めの良い席は「桟敷SS席特別席」(5000円)ですが、自由席(1000円)でも十分に花火を楽しむことができます。
観覧時の注意点
手筒花火の会場である豊橋球場はチケットの購入が必要です。
●見逃せない神幸祭と流鏑馬!鶴岡八幡宮 例大祭
神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮で毎年9月に行われる例大祭。にぎやかな神幸祭や迫力のある流鏑馬などの行事が執り行われます。例大祭は神社で最も大事な祭典に位置づけられています。ゆったりと時の流れる古都鎌倉で、伝統の神事を堪能しましょう。
歴史
古典『吾妻鑑』によれば、文治3年(1187年)8月15日に放生会(ほうじょうえ)と流鏑馬が行われたと記述されており、これが鶴岡八幡宮の例大祭の始まりとされています。以来およそ800年間、途絶えることなく現在まで続いており、長きにわたる伝統の祭事を今に伝えています。
見どころ
鶴岡八幡宮の例大祭の見どころは、にぎやかな神幸祭と、大迫力の流鏑馬です。神幸祭では、三基のみこしが登場し、本宮から二の鳥居までを練り歩きます。おみこしだけではなく、神馬に錦旗、ちょうちん、弓矢、盾、太鼓などが賑やかに行進します。流鏑馬は、鎌倉武士の装束をまとった男たちが、馬に乗って鶴岡八幡宮の境内を走り、三つの的を射ぬくものです。勇壮なその姿は美しくもあり、鎌倉時代の武士を彷彿とさせる様は圧巻です。
2019年の開催情報とおすすめ観覧スポット
日程:9月14日(土)から9月16日(月)まで
場所:神奈川県鎌倉市
アクセス:JR横須賀線「鎌倉駅」下車 徒歩10分
おすすめ観覧スポット:鶴岡八幡宮境内
観覧時の注意点
流鏑馬は、予約席がないので、早めに場所取りを行いましょう。
◆10月開催のお祭り
続いては、秋本番となる10月に開催されるお祭りを見ていくことにしましょう。
●各町の趣向を凝らした奉納踊!長崎くんち
長崎くんちは、長崎の氏神である「諏訪神社」の秋の大祭です。毎年10月7日から10月9日にかけて3日間開催され、県内外から多くの観客が訪れます。長崎は古来、オランダ・ポルトガル・中国などと交流があったころから、これらの国々の文化の風合いを取り入れた、独特でダイナミックな奉納踊を特色としています。
歴史
寛永11年(1634年)、二人の遊女、高尾と音羽が諏訪神社の神前に謡曲「小舞」を奉納したことが長崎くんちの始まりとされています。元々はキリスト教徒を弾圧するために、長崎奉行の榊原職直の肝いりで始められました。以来およそ380年の歴史を持つ長崎くんちは、昭和54年には国の重要無形民俗文化財に指定されています。
見どころ
異国情緒たっぷりの長崎くんちは、とても華やかなお祭りです。長崎くんちの奉納踊は、長崎市内のそれぞれの町が、7年に1度の持ち回りで行っており、その年ごとに、異なる趣向の奉納踊を楽しめます。代表的な演し物の「龍踊り(じゃおどり)」は、全長20mの龍の躍動感のある踊りが特徴的。龍の「静」と「動」のメリハリのある演技は必見です!
2019年の開催情報とおすすめ観覧スポット
日程:10月7日(月)から10月9日(水)まで
場所:長崎県長崎市
アクセス:
「長崎駅前」電停から蛍茶屋行きに乗車し、「諏訪神社」電停で下車 徒歩2分
おすすめ観覧スポット:諏訪神社境内
観覧時の注意点
席は、事前販売で4人掛けの桝席と当日販売の立見席があります。確実に席を確保したい場合は、早めに座席を購入しましょう。
●13基の曳山やからくりに注目!大津祭
大津祭は、滋賀県大津市の天孫神社の祭礼で、毎年10月に執り行われています。湖国三大祭の1つである大津祭は、豪華絢爛な13基の曳山(山車)が市内を巡行する壮麗なお祭りです。13基の曳山のそれぞれが、能・狂言や中国の故事からとった題材で、「からくり」を演じます。
歴史
大津祭は、滋賀県大津市の中心部にある天孫神社のお祭りです。記録によれば、江戸時代の初期に、毎年10月に行われる天孫神社の例大祭で、塩屋の男が狸のお面をかぶって踊ったことが始まりであるとされています。その後、年老いて踊れなくなった男の代わりとして、屋台に狸の人形をのせるようになり、1638年には、現在の三輪の曳山の原型ができました。
見どころ
豪華絢爛の13基の曳山が、宵宮に市中を練り歩く姿は壮観です。特に、夕方以降は提灯の明かりに照らされて、とても幻想的。大太鼓のリズムに合わせて笛の音色も響き渡り、美しくも熱気に溢れる光景に感動することでしょう。
2019年の開催情報とおすすめ観覧スポット
日程:10月12日(土)から10月13日(日)まで
場所:滋賀県大津市
アクセス:
JR琵琶湖線「大津駅」下車 徒歩3 分
京阪電鉄/石山坂本線「島ノ関駅」または「浜大津駅」下車 徒歩5 分
おすすめ観覧スポット:天孫神社境内
観覧時の注意点
大津祭では交通規制が敷かれるので、公共の交通機関で行くことをおすすめします。
●荒々しくぶつかり合う3基の神輿!松原八幡神社秋季例大祭(灘のけんかまつり)
姫路市白浜町の松原八幡神社で行われる秋の例大祭。別名「灘のけんかまつり」で知られるこのお祭りは、その荒々しさで有名です。神輿をぶつけ合う神事は、圧倒的な迫力。日本に数ある「けんかまつり」のなかでも最大規模を誇るこのお祭りは、近年では、海外にまでその名を轟かせるようになりました。
歴史
松原八幡神社の秋季例大祭の起源は定かではありませんが、おそらく11から12世紀ではないかと言われています。現在のように、氏子主権で屋台が主役の形になったのは、明治4年(1872年)から明治5年(1873年)頃のことです。それまでの屋台は、神事の随行的な役割でしかなかったのですが、もともと祭礼を行っていた八正寺が、神社から切り離されたため、現在の祭りへと姿を変えていきました。
見どころ
なんといっても、神輿が激しくぶつかり合う「神輿合わせ」が見どころです。これらの神輿には神が乗っているとされ、ぶつけて壊すほど良いことがあるとされています。そうした理由から、神輿同士が本気でぶつかりあう姿は、迫力満点です。
2019年の開催情報とおすすめ観覧スポット
日程:10月14日(月・祝)から10月15日(火)まで
場所:兵庫県姫路市
アクセス:山陽電車「白浜の宮駅」下車 南へ徒歩5分
おすすめ観覧スポット:松原八幡神社境内
観覧時の注意点
近隣に駐車場等がないため、公共機関を利用しましょう。
●流鏑馬と百物揃千人武者行列が見どころ!日光東照宮秋季大祭
栃木県日光市の日光東照宮で行われる秋の例大祭。迫力のある流鏑馬と、盛大な行列である百物揃千人武者行列(ひゃくものぞろえせんにんむしゃぎょうれつ)は、非常に見ごたえがあります。徳川家康を祀る日光東照宮で、歴史に思いを馳せましょう。
歴史
百物揃千人武者行列は、江戸時代から続く伝統行事です。この行列は、1617年に徳川家康を日光へ改葬するための、盛大な行列の様子を再現しています。この行列には2代将軍である秀忠も参列しています。一方の流鏑馬は、日光東照宮では、戦後の復興期である1953年に、敗戦により自身を失った日本人に誇りを取り戻してもらう目的で、始められました。
見どころ
日光東照宮の秋の例大祭の見どころは、流鏑馬と百物揃千人武者行列です。流鏑馬は、12人の選りすぐられた射手が、「陰陽射(いんようい)」という掛け声とともに、勇ましく的を射貫きます。的を射貫くたびに、沿道からは大きな歓声が湧きあがります。百物揃千人武者行列は、日光市民およそ800名が、鎧武者や鎗持・弓持・鷹匠などに扮して練り歩きます。その壮大な行列は、江戸時代以来の伝統と歴史を今に感じさせてくれます。
2019年の開催情報とおすすめ観覧スポット
日程:10月16日(水)から10月17日(木)まで
場所:栃木県日光市
アクセス:JR・東武日光駅より東武バス「神橋」下車 徒歩15分
おすすめ観覧スポット:日光東照宮境内
観覧時の注意点
流鏑馬と百物揃千人武者行列では、馬が行進します。カメラのフラッシュ撮影は、馬の興奮を誘うため、控えましょう。
●人々を圧倒する勇壮なかきくらべ!新居浜太鼓祭り
新居浜太鼓祭りは、愛媛県新居浜市で行われる、豪華絢爛で迫力のあるお祭りです。四国三大祭りの一つに数えられています。祭のメインは、金銀で鮮やかに彩られた50台にもおよぶ絢爛豪華な太鼓台の練り歩きです。その華やかな光景は、観客を大いに魅了します。
歴史
祭りの起源は、明らかではありませんが、平安時代や鎌倉時代には既に存在したとされています。元々の太鼓台は祭礼の中心ではありませんでしたが、時代を経るごとに祭の中心となっていきました。記録上最も古い太鼓台は、江戸時代の文政年間 (1818 – 1830) で、当時は「神輿太鼓」と記載されることが多かったのですが、時代を経るにつれて「太鼓台」とされることが多くなりました。
見どころ
新居浜太鼓祭りの最大の見どころは、「かきくらべ」です。「かきくらべ」では、重さ2.5トンもの太鼓台を、150人のかき夫たちだけで担ぎあげます。そして、太鼓台を、いかに天高く担ぎ上げたかや、房の割れ方、担ぎあげている時間を競い合います。この大迫力の「かきくらべ」は、熱気が観客にも伝わり、会場は一体になって最高潮を迎えます。
2019年の開催情報とおすすめ観覧スポット
日程:10月16日(水)から10月18日(金)まで
場所:愛媛県新居浜市
アクセス:JR予讃線「新居浜駅」下車 徒歩10分
おすすめ観覧スポット:「かきくらべ」は市内各所で見られます。
観覧時の注意点
会場周辺は交通規制があるため、できるかぎり公共の交通機関を利用しましょう。
●自慢の囃子が乱舞する曳っかわせ!川越まつり
川越まつりは、埼玉県川越市で行われる、江戸「天下祭」の伝統を今に伝えるお祭りです。8メートルを越える山車が、小江戸と呼ばれる川越の町を練り歩く様は、非常に風流!そして山車の価格は、なんと1台1億円。絢爛豪華な山車行列は外国人にも大人気です。
歴史
川越まつりは、370年の歴史を誇る、江戸「天下祭」の様式を今に伝えるお祭りです。江戸時代初期より連綿と受け継がれてきたこの祭りは、2005年に国指定重要無形民俗文化財となり、さらに2016年には、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
見どころ
川越まつりの最大の見どころは、何といっても「曳っかわせ(ひっかわせ)」です。山車と山車が向かい合い、お囃子と踊りで競演し、まつり人達は、提灯を振り上げて歓声をあげます。特に夜の「曳っかわせ」は、大いに盛り上がり、祭の雰囲気は最高潮に達します。
2019年の開催情報とおすすめ観覧スポット
日程:10月19日(土)から10月20日(日)まで。
場所:埼玉県川越市
アクセス:JR「川越駅」、東武東上線「川越市駅」、西武新宿線「本川越駅」下車すぐ
おすすめ観覧スポット:氷川神社・周辺、川越市役所前
観覧時の注意点
お祭り当日は、市内に交通規制が敷かれるので、公共の交通機関で向かいましょう。
●それは本物の時代絵巻!時代祭
京都三大祭りの一つ、時代祭が行われています。 – https://t.co/AM55CrfzVZ
# pic.twitter.com/FyVWZ1TL0Z— ざ・京都 (@the_kyoto) October 22, 2018
時代祭は京都市で行われる平安神宮の大祭です。このお祭りは、祇園祭、葵祭と並ぶ京都三大祭として知られ、国内だけでなく外国人の観光客に非常に人気があり、沿道は国際色豊かな光景が見られます。お祭りのメインの行列は、まるで時代絵巻のごとく、過ぎ去った京都の歴史を思わせます!
歴史
時代祭は、1895年に平安神宮が創建されたことを祝って始められました。そのため、他の京都三大祭りである、祇園祭や葵祭と比べて、歴史は浅いものの、いまや京都を代表する京都市民あげてのお祭りとなっています。
見どころ
時代祭の見どころは、圧巻の時代行列です。時代行列とは、山国隊の笛と太鼓の音色を先頭に、各時代の仮装をした人々およそ2000人が、2キロにわたる行列で、練り歩くものです。この行列は、順次、明治時代から、江戸、安土桃山、室町、鎌倉、(平安京の造営された)延暦時代へと遡ります。その長大な行列は壮観で、まさに壮大な歴史絵巻を見ているようです。
2019年の開催情報とおすすめ観覧スポット
日程:10月26日(土)
場所:京都府京都市
アクセス:
JR「京都駅」より、平安神宮
市バス5系統、洛バス100号・110号系統
「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車 北へ徒歩5分
おすすめ観覧スポット:平安神宮境内
観覧時の注意点
時代祭の開催は、毎年10月22日と決まっていますが、今年(2019年)に限り、10月26日の開催となっているので、日程には注意が必要です。
◆11月開催のお祭り
最後に、晩秋となる11月に開催されるお祭りをご紹介していきます。
●約2万人が踊る総踊りは圧巻!おはら祭
おはら祭は、鹿児島県鹿児島市で行われる、南九州最大のお祭りです。およそ2万人の踊り手が、鹿児島を代表する民謡である「おはら節」や「鹿児島ハンヤ節」にあわせて踊る「総踊り」は、圧巻の迫力。子供達で大賑わいの「YOU遊広場」など、様々な催しも魅力です。
歴史
おはら祭の始まりは、戦争からの復興に端を発します。戦時中、鹿児島は空襲を受けて焼け野原になり、多くのお寺や神社が焼けてしまったため、しばらくの間、盆踊りの開催を中止していました。しかし、戦後4年が経ち、1949年に鹿児島市政60周年の節目を記念するお祭りとして、鹿児島市の復興への祈りをこめて、おはら祭が始まりました。
見どころ
「おはら節」「鹿児島ハンヤ節」「渋谷音頭」にあわせて、2万人を超える踊り手達が一斉に踊る「総踊り」は圧巻です。グループごとに揃いの衣装をまとっており、とてもきれいな装いで練り歩きます。
2019年の開催情報とおすすめ観覧スポット
日程:11月2日(土)から11月3日(日・祝)まで
場所:鹿児島県鹿児島市
アクセス:
JR「鹿児島中央駅」下車 徒歩15分
市電「高見馬場」下車 すぐ
おすすめ観覧スポット: 天文館 電車通り一帯
観覧時の注意点
この時期は非常にホテルの予約が取りづらいので、遠方からの観光の方は、注意が必要です。
●乾漆造の曳山は豪華絢爛!唐津くんち
唐津くんちは、佐賀県唐津市で行われる、豪華絢爛な曳山で知られるお祭りです。「くんち」とは、「供日」とも書き、収穫感謝の意味が込められています。毎年11月2・3・4日に催される唐津神社の例大祭で、唐津最大の祭典です。最近では海外でも唐津くんちが紹介されるようになり、くんちを見るために訪日する外国人も少なくありません。お祭り当日は、国内外から50万人もの観客が押し寄せます。
歴史
唐津くんちは、16世紀の終わりに始まったと伝えられています。唐津くんちの最大の魅力は、曳山行列ですが、その曳山は、文政2年(1819年)~明治9年(1876年)までの間に14台つくられています。ちなみに曳山の制作費は、現在のお金で1台あたり1億5千万円にもなるといわれています。この唐津くんちは、1958年に佐賀県重要有形民俗文化財、1980年には国の重要無形民俗文化財に指定され、2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。
見どころ
唐津くんちの見どころは、なんといっても豪華絢爛な曳山行列です。14台の曳山が、笛、鐘、太鼓や「エンヤ、エンヤ」「ヨイサ、ヨイサ」の掛け声に合わせて、勇壮に旧城下町を練り歩きます。この14台の曳山は、昔話に登場する、日本人には馴染みのあるものばかりで、獅子や兜、鯛や亀などの形をしており、和紙や金箔、うるしなどで美しく化粧されています。これらの曳山が威勢よく町を回る様は圧巻です。
2019年の開催情報とおすすめ観覧スポット
日程:11月2日(土)から11月4日(月・祝)まで
場所:佐賀県唐津市
アクセス:JR筑肥線「唐津駅」下車 徒歩10分
おすすめ観覧スポット:唐津神社境内および市内の曳山巡行コース沿い
観覧時の注意点
巡行中の曳山に近づき、進路の妨害にならないようにしましょう。
●大松明が秋の夜空を赤く焦がす!松明あかし
松明あかしは、福島県須賀川市で行われる、日本三大火祭りの一つに数えられる火祭りです。寒さも吹き飛ぶほどの大迫力で燃え盛る松明の光景は、夜空が昼間のように明るくなり、とても幻想的です。毎年多くの観光客で賑わい、15万人を超える人が、この松明あかしを目当てに押し寄せます。
歴史
松明あかしは、420年もの長い歴史を持つ火祭りです。その由来は、1589年に伊達政宗が二階堂家の治める須賀川城を攻めたことにまで遡ります。須賀川の領民たちは、二階堂家を守ろうと、10月10日に十日山に松明を持って集合しました。しかし、二階堂家は、伊達政宗との戦に敗れ、須賀川では多くの犠牲者がでました。その犠牲者を弔うために始まったのが、松明あかしなのです。
見どころ
長さ10メートル、重さ3トンもの巨大な大松明を若衆150人で担いで、須賀川の街を練り歩き、五老山の山頂に立てられた後に火が付けられます。須賀川の夜空を焦がすほどの松明の明かりは、大迫力で燃え盛り、圧巻の光景です。
2019年の開催情報とおすすめ観覧スポット
日程:11月9日(土)
場所:福島県須賀川市
アクセス:
電車:JR東北本線「須賀川駅」下車 徒歩15分
車:東北自動車道須賀川ICから車で10分
おすすめ観覧スポット:五老山周辺(須賀川市翠ヶ丘公園内)
観覧時の注意点
会場である五老山の山頂は大変込み合うため、安全確保のために、入山規制を行うことがあります。その際は、松明太鼓ステージ前および一般観覧場所の十日山でご覧ください。
●二日かけて奉納される伝統的な神楽!神話の高千穂夜神楽まつり
高千穂の夜神楽(たかちほのよかぐら)は、宮崎県高千穂町に伝わる民俗芸能です。二日間に渡って、夜を徹して三十三番の舞を舞上げて奉納します。古くから受け継がれてきた舞を間近に見られる、絶好の機会です。「本物」の神楽の鑑賞は素晴らしい経験になることでしょう。
歴史
伝承によれば、天照大神が天岩戸に隠れた際に、岩戸の前で天鈿女命が舞ったのが起源とされています。文献に登場するのは、文治5年(1189年)の「旭大神文書」における記載が初出で、高千穂の夜神楽が、とても長い歴史を持つことが確認できます。1978年には国の重要無形民俗文化財に指定され、さらに高千穂の夜神楽の名を世に知らしめました。
見どころ
高千穂夜神楽まつりの最大の見どころは、夜通し行われる神楽の舞です。二日にかけて奉納される三十三番の伝統的な舞は、思わず息を飲むほど神秘的です。高千穂の古き良き伝統を肌で感じることができます。山間で生きる高千穂の人々の神々との神遊びをご覧ください。
2019年の開催情報とおすすめ観覧スポット
日程:11月22日(金)から23日(土・祝)まで
場所:宮崎県高千穂町
アクセス:
電車等:JR「延岡駅」からバス約1時間10分、「高千穂バスセンター」バス停下車、徒歩約10分
車:九州道益城熊本空港ICから約1時間30分
おすすめ観覧スポット:高千穂神社境内の神楽殿
観覧時の注意点
高千穂町は最寄りの鉄道の駅から、かなりの距離があるため、自動車での来訪をおすすめします。
◆まとめ
この秋に参加したい全国の秋祭り15選をご紹介しました。秋祭りは、収穫の感謝と翌年の豊作への祈りが込められており、夏のお祭りとは違った風情を感じさせます。また、秋祭りも、夏祭りに負けないぐらいの熱気に満ちたものが多く、見る人の心を熱くさせます。冬が到来する前に、日本のお祭りの魅力を改めて体験したいという方は、秋祭りに参加してみてはいかがでしょうか?