2月22日は猫の日!ฅ^•ω•^ฅ
猫にまみれてその日を迎えたい皆さま、オマツリニャパンでは今年も猫×日本文化の情報をお届けします。
日本人は昔から猫が大好き。この記事では、そのことがよく分かる郷土玩具や猫の縁起物をご紹介します。キュートで癒されて、さらにご利益もあるなんて、やっぱり猫って神ですね。
(この記事は2023年に公開されたものに加筆、再編集しています。2024年2月15日 編集部更新)
目次
合わせ技でめでたいニャー!仙台・堤人形の「鯛猫」
つぶらな瞳が魅力的な猫が真っ赤な鯛をくわえた姿がなんともキュート。招き猫に鯛を持たせる意匠は江戸時代からあったそうで、郷土玩具のパターンとして多くの地域で作られていたようです。
中でも仙台・堤人形の「鯛猫」は代表的なものの一つ。伊達藩下で栄えた堤焼の陶工たちが、冬の間の仕事として人形を作り始めたのが起源と伝わっています。堤人形は、素焼きの人形を彩色して作りますが、当時は特に貴重だった「蘇芳(すおう)」という輸入原料を使って色付けしていました。蘇芳の赤色は黒みを含んだ深い赤。現在は写真の鯛猫のようにより発色のいい顔料を使っているそうですが、ぜひ伝統的な堤人形の魅力にも触れてみてください。
丸いものが好き!山形の「まり猫」
まり猫(山形張り子)入りました。
2枚目は後ろ姿!なんともかわいい。#山形張り子 #岩城人形店 #まり猫 pic.twitter.com/0ENB87rXHM— あめつち (@t_s_u_g_e_2ge) March 12, 2020
鞠に一生懸命しがみつく姿に心を鷲掴みにされる「まり猫」。猫は丸いものが好きなんですね。こちらは山形の伝統人形である山形張子の製法を一人守り続けている山形市・岩城人形店の岩城勇二さんの作品です。
山形張り子は、安政年間(1854~)、京都から出羽三山参りにやって来た人形師が、山形の鈴川・双月地区が和紙の産地であることを知って下条町で人形を作り始めたのが起源と伝わっています。
木型に和紙を水で張り、その上にふのりで上質和紙を重ねます。天日で乾燥させて木型から外した後、貝殻をすりつぶした白色絵の具「胡粉(ごふん)」を塗り、絵付けをして完成。木型は300種類以上が伝わっているそうです。
丸いものが好き(2回目)!川越の「だるま抱き猫」
こちらはお腹にだるまが描かれた招き猫です。しかも、だるまになっているのはうさぎ!猫とうさぎでカワイさ倍増のマシマシですね。
だるまも丸いですが、猫は丸いものを見ると本能的に遊んでしまうんでしょうか。余談ですが、かつて「猫転送装置」なるものが流行りました。地面にビニールテープなどで円を描いておくと、いつの間にか猫が円の中に入ってきてしまうというもの。猫は本能的に囲われた物の中に入るのが好きなんですね。
このだるま抱き猫、埼玉県の伝統工芸品である川越だるま職人・矢嶋美夏さんの作品です。だるまと同様、和紙の名産地である埼玉県小川町産の張子紙でできていて、手張りでしか出せないあたたかみが可愛らしい表情を引き立てています。
元祖にして無二!東京・今戸の「丸〆猫」
2年前にオーダーした今戸焼白井さんの丸〆猫が届いたー pic.twitter.com/wJxuaxovVb
— 猫ラボ (@nekolabo1) June 16, 2021
招き猫の原形として有力視されているのがこの今戸焼でできた「丸〆猫」です。シックな前掛けが粋な、江戸らしい招き猫。お尻側には、丸に〆のマークが入っています。丸はお金を意味し、〆て貯まるようにという意味が込められているそうです。
丸〆猫は、東京・今戸(台東区)の今戸焼で作られていました。江戸末期の嘉永年間(1848〜)に、尾張屋兼吉家が売り出した丸に〆マークの入った猫の置物は、福を招く縁起物として人気が爆発。売っていた浅草神社一帯は、可愛らしい流行神を信じる人々で溢れかえったそうです。
伝統とモダン、風水も!江戸木目込人形の「招き猫」
1950(昭和 25)年創業、3世代にわたって江戸木目込人形の節句人形を主に手がける工房「柿沼東光」。伝統技術で丁寧に作られたうえ、猫のうるうるとした目にはスワロフスキー、鈴にはパワーストーンがあしらわれ、個性的な配色や西洋生地もミックス。伝統技術とモダンが融合した令和のおしゃれ招き猫は、国内にとどまらず海外でも大人気です。
カラフルな色は、それぞれ風水的に異なる意味を持っています。例えば赤は無病息災、緑は疲労回復、桃色は美容に、黒は魔除けに、そして金色は金運アップに!望むご利益によって選ぶところから楽しめて、いくつも欲しくなってしまう猫さんですね。
ごタコうを祈って!山形・米沢の「猫に蛸」
ちなみに私は山形県米沢市の民芸品「猫に蛸」が欲しいんですが、確か作ってる方が今は1人しかいなくてネットでは軒並み売り切れなんですよね…かわいいな… pic.twitter.com/8sQ16HcT2O
— 熱海 Muddy Cat (@muddycat_atami) August 26, 2020
某テレビ番組でも取り上げられて人気の「猫に蛸」。山形県の伝統工芸である相良人形です。相良人形は、1778年、米沢藩主・上杉鷹山が産業奨励の一つとして藩士の相良氏に命じて作らせた工芸品です。型で作った土人形を焼き、絵付けする方法で作られています。
なんでタコ被った!?と不思議な気持ちになりますが、蛸はその発音から「多幸」、幸運に吸い付くと考えられて縁起物になっています。幸運を招く猫と合体してさらに縁起良し。
時々こういう猫用の被り物で仮装させられているネコちゃんいますよね。
集めてメガ進化だ!大阪・住吉の「初辰猫」
奇数月に左手(人脈)、偶数月に右手(金運)を挙げている初辰猫。
小猫は4年で48体(=始終発達の語呂)集めると中猫に交換してもらえます。
中猫は8年で2体にすると大猫に交換。
大猫は24年で左右2対になります。昔は中猫5千円、大猫1万円で授与されていましたが、今では小猫を貯めないと貰えません。 pic.twitter.com/kq8Gl7ym9H
— 瞬 月凌(シュン-ユエリン)☯️🎻 (@shunshun0211) July 13, 2020
裃をつけて正装した姿が可愛い「初辰猫(はったつねこ)」。毎月初の辰の日に、大阪・住吉大社の4つの末社を巡拝する「初辰参り」という縁日があります。「はったつ=(発達)」の音から、商売繁盛に霊験があるとして人気があります。
そしてその際、2番目に参る「楠珺社(なんくんしゃ)」で買えるのが「初辰猫」です。偶数月には右手上げバージョン、奇数月には左手上げバージョンがもらえます。高さ4センチのこじんまりしたサイズ感も愛玩欲を掻き立てますが、人気の秘密はそれだけではありません。
神社では「48体で四十八辰=始終発達(しじゅうはったつ)」として、毎月初の辰の日に4年間通い、48体集めることを勧めています。その心は、商売に必要なのは継続することだからとのこと。そして見事48体集めたご褒美は、中猫(高さ約14センチ)への交換です。そして、中猫を2つと小猫48体を集めると、大猫(高さ約23センチ)に交換してもらえます!毎月休まず参拝して最短12年かかります。
しかもここで終わりではありません。初辰猫には右手上げバージョン、左手上げバージョンがあると前述しましたが、満願成就(願いが叶うこと)するには、両方の大猫を集める必要があります。満願まで24年!
でも確かに24期も続いた会社・お店はすでに世の中の信用を得ていると言っていいですよね。初辰参りを考えた人、深いです。
まとめ
この記事では、2月22日の猫の日にちなんで、可愛い猫の縁起物を紹介しました。
紹介した7つ以外にも、日本にはたくさんの猫型縁起物があります。ぜひお気に入りを見つけ出してください。