埼玉県名の発祥の地とされる埼玉県行田市埼玉
1年は365日ですが、ほとんどの日が何がしかの記念日となっています。7月28日は「地名の日」です。2008年に日本地名愛好会によって定められました。7月28日は、アイヌ語地名研究家の山田秀三の命日、地名研究家の谷川健一の生誕日にあたるようです。国内にはユニークな地名が数多くありますが、埼玉県の北東に住所の表記に県名の「埼玉」が重複するエリアがあります。埼玉県行田市埼玉で、2つの「埼玉」の読み方が異なります。ひらがなで表記すると、「さいたま」けんぎょうだし「さきたま」です。この地区に社殿を構える前玉(さきたま)神社は、古墳時代の創建と伝わり、埼玉県の名の発祥地とされています。神社が隣接するエリアには、5世紀末から7世紀にかけて巨大な古墳がいくつも造営されました。総面積約27ヘクタールにも及ぶ緑地は「さきたま古墳公園」として整備されています。
9基の大型古墳が密集する「さきたま古墳公園」
「さきたま古墳公園」は、東日本最大の規模を誇り、園内には9基の大型古墳が密集しています。中でも「丸墓山古墳」は円墳として日本最大の規模です。この古墳の東の「稲荷山古墳」からは国宝に指定される「金錯銘鉄剣」が出土されました。古代の歴史研究にとって貴重な鉄剣は、公園に隣接する「さきたま史跡の博物館」で、窒素ガスを封入したケースに入れて展示されています。
公園南東部の2つの前方後円墳
「さきたま古墳公園」の「稲荷山古墳」の東の前方後円墳は「将軍山古墳」です。墳丘が崩れているのですが、逆に古墳の断面構造が観察でき、古墳の内部が展示館となっています。「稲荷山古墳」の南側の「二子山古墳」は全長138メートルで、武蔵国で最大の前方後円墳です。外周に設けられた遊歩道は、春から初夏の時期にはポピー、花菖蒲で彩られます。
「さきたま古墳公園」で毎年5月4日に開催される「さきたま火祭り」
埼玉県名の発祥地とされる「さきたま古墳公園」では、毎年5月4日に「さきたま火祭り」が開催されています。古事記に記される神話の一説が再現されるのです。クライマックスでは公園に設けられた産屋に火が放たれ、「丸墓山古墳」と「稲荷山古墳」の墳丘から、たいまつを手にした御神火降りが、火の帯を作りながら産屋を取り囲みます。
7月28日は「地名の日」に定められています。埼玉県の名前は、古墳時代に埼玉県行田市埼玉に創建されたと伝わる前玉神社に由来するとされています。神社に隣接する「さきたま古墳公園」には、広大な敷地に9基の大型古墳が残されています。毎年5月4日には「さきたま火祭り」が開催され、古代のロマンが満ち溢れます。