古代から続く歴史を感じられる場所、奈良県。
その中でも寺社仏閣マニアにおすすめしたい穴場スポットをご紹介します。
それが、桜井市から天理市にまたがる遙かな古道「山の辺の道」です。
目次
最古の散歩道「山の辺の道」とは
山の辺の道は、奈良盆地にある巨大な古道です。その長さは約16kmと長大であり、道中には古墳や寺社仏閣が多数存在しています。
それだけの規模を誇る道なだけあって、端まで歩こうと思えばかなりの時間がかかってしまいます。健脚な方であったとしても、端まで歩ききるまでは半日以上の時間がかかってしまうかもしれません。しかしその分だけ散歩し甲斐があり、ちょっとした非日常な冒険気分をお手軽に楽しむことができるとも言えるでしょう。
出発は最古の神社「大神神社」
JR万葉まほろば線「三輪駅」より出発。電車が1時間に2本程なので、訪問の際は時刻に注意しておきましょう。
まず足を運んだのは、奈良もとい関西の神社の中でも特に有名な「大神神社(おおみわじんじゃ)」です。「大物主大神(おおものぬしのおおかみ)」を祀るこの神社は、「古事記」によれば国造りの仮定で生まれたという、日本でも最古の歴史を有しています。
その神体山である「三輪山」は入山にあたって許可が必要とされており、山中での飲食や撮影が禁止されているほどの聖域です。
古墳とともにあるのどかな風景
そんな大神神社の境内から山の辺の道へ。
長い長いまほろば散歩のスタートです。
道自体はかなり整備が行き届いていますが、なにぶん距離が大変。
途中には山道や坂道もあります。
トレッキングシューズ、運動靴の着用をおすすめします。
道中には茶店や喫茶店もあります。
公衆トイレがある程度の間隔で設置されているというのもうれしい配慮です。
山の辺の道周辺には民家や田畑も。
騒いだり私有地に足を踏み入れたりする等の迷惑行為はしないようにしましょう。
大和の風景を見下ろせるような場所もあります。
良く晴れた日の眺めは爽快です。
古代の王が眠る古墳がさまざまな場所にあるのもこの場所の特徴のひとつ。
「景行天皇陵」のすぐそばには菜の花畑と見晴らし台があります。
のどかな空気を楽しみましょう。
弘法大師ゆかり「長岳寺」やかやぶき屋根の「夜都伎神社」で御朱印を
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弘法大師空海と言えば、各地に逸話を遺した仏教界の伝説的な存在です。この山の辺の道にも、弘法大師ゆかりの寺院があります。
それが「長岳寺」です。平安時代に建立された1,000年以上の歴史を持つお寺で、境内にはツツジやアジサイ、モミジ等多数の花や木が植えられています。四季それぞれの美しい風景を楽しむことができるでしょう。
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その次は「夜都伎神社」へ。
この神社の特色は、拝殿のかやぶき屋根。
静かな雰囲気が魅力的です。
この神社で祀られているのは武甕槌命(たけみかづちのみこと)。
神武東征の際に活躍し、建御名方神(タケミナカタ)との争いが相撲の起源になったとされています。
道の終点は「石上神宮」
とにかく長い山の辺の道。
のんびり歩いていると、いつの間にか夕暮れになってしまいます。
夕暮れの奈良盆地の風景はオレンジ色の逆光が非常に幻想的です。
夕日写真がお好きな方にとってはたまらないのではないでしょうか。
しかし、油断するとすぐ暗くなってしまうので、時間配分には注意しましょう。
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山の辺の道の終着点に鎮座するのは、「布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)」を祀る日本最古の神社のひとつ、石上神宮(いそのかみじんぐう)。
この神社の特殊な点は、境内でニワトリが放し飼いにされていること。ニワトリは古来より神の遣いとされており、この神社のマスコット的な存在として参拝者からも大人気です。
山の辺の道を歩き、心を癒す
今回紹介したのは、4駅にも跨る長大な山の辺の道の一部。この周辺にはまだまだたくさんの寺社仏閣、その他さまざまな見どころがあります。
いろいろな神社の御朱印を集めたい、忙しい毎日を忘れてのんびり歩いていきたいという方には、ぜひともおすすめしたい場所です。