初夏に咲く花の代表である「しょうぶ」と「あやめ」。漢字で書くとどちらも「菖蒲」なのですが、この2つの花は好む場所が違うことをご存じですか。「しょうぶ」は水辺が生育地、「あやめ」は陸地にという違いがあるのです。
また、端午の節句(子どもの日)の象徴にもなっているので、その時期に咲くと思われがちですが、実は花が咲くのは5月上旬ではなく中旬からで、6月に咲く場合も。そんなわけで、5月いっぱいは菖蒲の花をモチーフにした御朱印がいただける寺社がたくさんあります。今回はその中から5か所を厳選してご紹介します。
全龍寺(埼玉県)
埼玉県行田市に鎮座する曹洞宗雲祥山全龍寺。こちらのお寺の御朱印は、その月に見頃を迎える季節の花が描かれるのですが、絵と一緒にお書入れいただく文字を通常の「龍吟来」、月ごとに変わる「道元禅師の和歌」「お釈迦様の教え」「禅語」の4種類の中から、2種類まで選択することができるんですよ。
ちなみに、通年お書きいただける「龍吟来」の文字の意味は、龍は全身全霊で鳴くといわれていることから、「仏道修行を全身全霊で行っている」という様子を表す言葉だそうです。5月のお花は「菖蒲(あやめ)」と「つつじ」となります。
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玉田神社(京都府)
京都市久御山町に鎮座する玉田神社は、方除け、火難除けの神社として信仰されている神社です。「御利益戦隊マガタマダー」や神社で飼われている「巫女猫のミーコ」が人気の神社なのですが、火難除けのご利益をSNSの炎上除けにとの思いから奉製された御霊験名馬「火鎮(ひしずめ)」デザインのステッカー御守も話題となっています。
この度、火難除の御利益をSNSの炎上除にも、との思いで、当社現存の版木「御霊験名馬火鎮」を元にステッカー御守を奉製いたしました。今やSNSは社会に欠かせない情報発信のツールなので、炎上などの不安を取り除けるよう御祈願いたしました。#玉田神社 #火難除 pic.twitter.com/hjRROy8DDC
— 玉田神社 (@JinjyaTamada) August 27, 2020
こちらの5月の御朱印は、水辺に咲く菖蒲の花と水の中で小さなオタマジャクシ達が元気に泳ぐ様子がとても愛らしいデザインです。
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鷲神社(東京都)
東京都台東区に鎮座する鷲神社(おおとりじんじゃ)は開運、商売繁昌、家運隆昌、子育て、出世などのご利益があるといわれ、「浅草名所七福神」の中の一社でもあります。
5月の季節の御朱印は「菖蒲の特別御朱印」です。菖蒲が咲き誇る中に「鷲神社」と力強い字で書かれた、大人の雰囲気が漂う落ち着いたデザインです。
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鷲神社は「おとりさま」とも呼ばれ、毎年11月の酉の日に開かれる「酉の市」発祥の神社とされています。その盛大さから新宿の花園神社、府中の大國魂(おおくにたま)神社と並んで「関東三大酉の市」の一つにも数えられています。
酉の市では境内が大小様々な商売繁盛の熊手を売るお店で埋め尽くされ、酉の市限定デザインの御朱印も頒布されます。過去の酉の市の様子は下記の記事よりご覧ください。
阿邪訶根神社(福島県)
福島県郡山市に鎮座する阿邪訶根神社(あさかねじんじゃ)。「郡山のうぶすな様」の愛称でも親しまれており、「うぶすな」とは「産む(うむ)・結ぶ(むすぶ)・土(すな)」の意味で生まれた土地の神様のことです。
また、御祭神である猿田毘古命(さるたひこのみこと)は日本神話に描かれている天孫降臨の際に先導をしたという逸話があり、それが転じて「導きの神」となり交通安全・安産・合格祈願などのご利益があるとされています。
5月の花御朱印は、「菖蒲(あやめ)とすずらん」。5月中旬から下旬にかけて見頃を迎える菖蒲と、5月下旬から6月上旬に見頃を迎えるすずらん、1枚で2つの旬が楽しめる御朱印はちょっぴりお得感がありますね。
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大牟田神社(福岡県)
福岡県大牟田市に鎮座する大牟田神社は、火の神であり大牟田の氏神様として「毘沙門さん」の愛称でも親しまれています。
5月の月替わり御朱印「五月詣」は、見事な筆さばきで書かれた社名と菖蒲のイラストがシンプルながらも和の凛とした雰囲気を感じさせてくれます。
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「大蛇山」まつりの名でも知られる「大蛇山祇園祭」は、大牟田神社最大の祭儀で、例年35万人以上の人出で賑わう夏の一大イベントです。
毎年7月最終の土・日曜日に斎行され、笛や太鼓のお囃子が天高く響くなか、高さ6m、長さ10mの山車(だし)が練り歩きます。約200人もの曳き手によって曳かれた「大蛇」が七色の火を吹きながら進む様は迫力満点です。大牟田神社には常設の展示倉庫があり、第二区祇園の大蛇の頭部がガラス越しに見られます。