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京都「五山送り火」どこから見るのがベスト?見られる場所を徹底解説!

2023/8/31
2024/3/8
京都「五山送り火」どこから見るのがベスト?見られる場所を徹底解説!

京都四大行事​「五山送り火​」

昭和58年(1983)に京都市無形民俗文化財に登録された「五山送り火」。京都三大祭(葵祭、祇園祭、時代祭)にひとつ加えて、京都四大行事とも言われています。お盆を締めくくる伝統行事で、家に帰ってきたお精霊さんが再び浄土、死後の世界へ帰っていくのを送るという意味があります。迷わず冥界へと戻れるようにと夜空に灯す祈りの炎です。

今回は五山の送り火のうち、4つも見える西陣織会館からの景色を中心に、京都在住のカメラマン・佐々木がレポートいたします。

西陣織会館からの妙法

「大」の文字の意味は

「大」の文字の意味は、魔除けの五芒を表すという説や、弘法大師が人体をかたどって大の字形に護摩壇を組んでいたことに由来するなど、様々な説があります。

西陣織会館からの船形

「妙法」は南無妙法蓮華経のお経から、「船形」は精霊流しの船、「鳥居形」は近くの愛宕神社の参道を意味するなど、文字の由来には諸説あります。

西陣織会館から「妙法」と「大」を撮影。

五山の送り火が何文字も見える場所はここ!

5つ全部を見るには京都駅や京都タワー。京都駅は無料、京都タワーは有料の事前予約で見ることができます。

鳥居形以外の4つの送り火を無料で見ることのできるのは船岡山公園と吉田山公園。こちらは大変、大変混雑します。もう1箇所は西陣織会館。有料の事前予約で見ることができます。

3つの送り火を見られるのは将軍塚市営展望台(東山山頂公園展望台)。「大」は側面からでほとんど見えませんが、船形と左大文字はよく見えます。青蓮院で事前予約をすると大日堂から妙法も見えます。

このようにたくさんの送り火が見える場所は、一部が見えづらかったり、とても小さかったりします。そのため毎年ひとつずつ、ゆっくりと見るのがおすすめです。

金閣寺入口付近からの左大文字

一文字ずつをしっかり見るならここ!

五山送り火は「大」の文字から一文字ずつ、5分くらいの間隔で点火していきます。

撮影していると数カット撮るのが精一杯。あっという間に次々に点灯していきます。交通規制が入る場所もあり、車での移動が難しいときもあります。全部見るんだ!と自転車で回る猛者もいますが、心静かに先祖に思いを馳せる時間にするのがよいでしょう。

【大文字】20:00〜20:30頃 鴨川デルタ、丸太町橋、御薗橋、今出川通
【妙】 20:05〜20:35頃 北山通(ノートルダム女学院中学高等学校付近)
【法】 20:05〜20:35頃 高野川堤防(高野橋)、北山通(松ヶ崎駅より東)
【船形】20:10〜20:40頃 北山通(北山大橋から北西)、西賀茂橋、北大路橋〜御薗橋
【左大文字】20:15〜20:45頃 西大路通(円町~金閣寺)
【鳥居形】20:20〜20:50頃 渡月橋付近、広沢池、松尾橋

西陣織会館からの左大文字

まず初めて見るなら、やはり「大」。大文字は京都御所の建礼門南側や銀閣寺付近や鴨川から見ることが出来ます。暗くなると場所が分かりづらいため、日が落ちる前に場所を確保しておくのがオススメです。

場所取り失敗例。2021年は規模縮小で「大」の端だけ点火。下側の点が見えなかった。

天候が心配な方はバスで全部を回るツアーもあります。
涼しい場所からゆったり見たい方は島原太夫と大文字が見えるホテルの有料イベントもあります。

金閣寺入口で行われる護摩木志納

五山送り火に参加!護摩木志納で厄除けをしよう

せっかくなのでお精霊さんをちゃんとお見送りしたい。という場合は、昼間のうちに護摩木を奉納してみましょう。

大文字の送り火は護摩木に自分の名前や願いを書くと、病気平癒や厄除けのご利益があるといわれています。

病気平癒や厄除けも含まれるでしょう!と世界平和を祈願

筆者は今回、金閣寺で護摩木を書いてみました。

割ったばかりのものもあれば、綺麗にカンナで削ってある護摩木もありました。この金閣寺入口では昼14時頃まで護摩木の受付をしています。

金閣寺出口付近にある石不動

もし時間に間に合わなかった場合は出口付近にある石不動さんでも受付をしているため、そちらに行ってみてください。石不動さんでは節分と五山の送り火の年2日だけ、「金閣寺秘仏石不動明王御開帳」もしていますよ。

護摩木志納の受付場所

時間は2023年の例です。場所によって時間が異なります。

【大文字】八神社境内保存会集会所前 ※大文字山登山口
8月14日12:30~17:00頃
15日 8:00~17:00頃
16日 8:00~12:30頃

【妙法】武與門ビル入口 ※地下鉄「松ヶ崎」駅1番出入口(東出入口)西隣
8月15日10:00~17:00頃
16日10:00~13:00頃

【船形】西方寺駐車場
8月3日~15日 8:00~16:00頃
16日 8:00~10:00頃

【左大文字】金閣寺門前
8月15日9:00~14:00頃
16日7:00~14:00頃 ※16日は法音寺でも受付が行われます

【鳥居形】右京区嵯峨鳥居本小坂町 府道50号線 八体地蔵付近
8月13日~15日10:00~16:00頃
16日9:00~15:00頃

渡月橋付近にて。「京都旅屋」吉村晋弥さん撮影

嵐山灯籠流し

渡月橋と広沢池では灯籠流しも出来ます。

渡月橋付近にて。「京都旅屋」吉村晋弥さん撮影

ユラユラと水面に漂う灯籠の幻想的な姿は一見の価値があります。

懐かしい故人の顔を思い出しながら、「(苗字)家 施主(フルネーム)」と自分で名前を書くことができます。

自信がない方は代筆していただくことも可能です。

大堰川 川沿いに五山送り火の形に灯籠を置くスペースが作られている

2023年は台風の直後のため、大堰川が濁流のようになっていました。このような増水の際は安全のため灯籠は流さずに焼却供養されます。

立て看板には「本日の水塔婆は祭壇で読経後、来年三月十五日釈迦堂お松明式で焼却供養させていただきます」と書いてありました。

渡月橋と大堰川

五山の送り火の時期は通り雨や台風の時期と重なることもあります。それでも基本的には雨天決行です。
経験談としては数年前、大雨が直撃しましたが、その中でも灯りは灯っていました。例年に比べると火力は弱いものの「雨が降っても絶対に火は灯す!」という決意が伝わる五山の送り火でした。

以上、五山の送り火のレポートでした。

事前予約で入る場所での三脚は使用できないところもあります。
道路から見る場合も交通ルールに従い、安全にご覧ください。

広沢池での鳥居形と灯籠流し 直前に大雨が降り、全身ずぶ濡れで撮影

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