2019年からスタートした、観光経済新聞のオマツリジャパンコラム記事連載!2020年も「お祭り」をフックに、旅に出たくなる記事の連載をして参ります!奇祭好き、ケンカ祭り好き、お神輿好き…等、様々なライターさんに記事を執筆いただく予定ですので、ぜひご覧ください♪(オマツリジャパン編集部)
参加してこそ分かる熱気
徹夜踊りにすっかり魅了されている。三十三夜連続で行われる郡上踊りの期間中、お盆の4日間のみ行われる徹夜踊りは、街全体が会場となって夜通し踊り明かす祭りである。
徹夜踊りが行われる郡上八幡は、城下町の風情ある街並みと、日本名水百選にも選ばれた清流の美しい場所。
ライトアップされた郡上八幡城、街中に飾られた提灯の優しい光、色とりどりの浴衣を身にまとった大勢の人々。歩く路地のすぐ脇には水が流れ、聞こえてくる生演奏の音色に人々の下駄の音が重なりなんとも言えない熱気を帯びている。このしっとりとした雰囲気が大好きなのだ。
某テレビ番組では、ある日の参加人数は6万人を超えていたとあった。
この日は踊り開始に向けて浴衣を着付けてもらっている最中に、激しい通り雨に見舞われてしまった。さすがにこの雨に打たれてしまってはヘアスタイルも台無し、体力も朝まで持つだろうか、と心配していたところ、開始時刻にはほとんど雨が上がってしまった。6万人の念である。
雨上がり独特の湿度や、雨宿りから飛び出してきた人たちの興奮の中、満を持して鳴り響いた徹夜踊りの開始を告げる曲「かわさき」にはすごみすらあったように思えた。私ももはや神聖な行事に参加しているかのような真剣さで踊る。みんなこの日を待っていた!
1周するのに1時間は要するだろうかという踊りの輪の途中では、栄養ドリンクのサンプルが配布されており、マラソンの給水所のように人々が次々と配布所に吸い込まれ、ビンを手に取り一気飲みをしてはまた踊りの輪へと戻っていく。
徹夜踊りに参加したことがない人に、その魅力をどう説明すれば伝わるのかは本当に難しい。説明すればするほどストイックな取り組みに聞こえてしまうが、これが楽しくて楽しくて仕方がないのである。ぜひ現地でこの熱気を感じてみてほしい。