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茨城県の特産品を活かした駅弁が数多く並ぶ水戸駅
電車に乗って窓越しの景色を眺めながら駅弁を味わうのも、旅の大きな楽しみの一つでしょう。茨城県の中央に位置する水戸駅から県内各地に向かう路線が伸び、売店には県の特産品を活かした駅弁が数多く並んでいます。その中から7種類をご紹介します。
奥久慈しゃもべん
茨城県水戸市と福島県郡山市を繋ぐJR水郡線沿線の奥久慈では、昼夜の寒暖差が大きい気候を利用して、しゃもが盛んに飼育されています。奥久慈しゃもは、全国地鶏味の品評会で第1位に輝いたこともあります。水郡線は2019年の台風19号の影響で一部不通となっていましたが、2021年3月の全線開通を記念して「奥久慈しゃもべん」が産まれました。闘争心の強いニワトリの仲間は胸筋が発達し、首が直立した勇ましい姿をしています。脂身が少なく締まりのよい肉質が特徴です。
常陸牛・牛べん、常陸牛と山の恵み弁当
しゃもは江戸時代にタイから輸入されたと伝わりますが、幕末期に第9代の水戸藩主を務めた徳川斉昭は、領内で黒牛の飼育を開始したという記録が残っています。今では県の北部を中心に全域で飼育され、常陸牛としてブランド化されています。ほどよく脂身が入った赤身が特徴です。「常陸牛・牛べん」には茨城県産のご飯を、甘く煮着けられた玉ねぎとともに、常陸牛のしぐれ煮が覆っています。「常陸牛と山の恵み弁当」では、特製のたれで焼き上げた常陸牛に山の幸が添えられています。
常陸牛釜めし、あんこう釜めし、大洗あんこう三昧弁当
「常陸牛釜めし」であればご飯と一緒に常陸牛が炊き込まれているので食べやすいでしょう。釜めしのメインの具材をあんこうに代えれば「あんこう釜めし」です。茨城県の東に面する鹿島灘沿岸は、格好のあんこうの漁場となっています。くせのないあっさりとした味わいと独特の歯応えを手軽に味わいたいものです。「大洗あんこう三昧弁当」には、味噌味の炊き込みご飯に、あんこうの唐揚げ、味噌煮、あんきも煮が入っているので、専門料理店に行く必要がなくなりそうです。
黄門弁当
水戸駅の売店に並ぶ駅弁には、江戸時代からのご当地の食文化を漲らせています。「黄門弁当」は、水戸藩第2代藩主の水戸光圀が好んだ料理を現代的にアレンジした駅弁です。2段重ねで重厚感をもっています。1段目には松茸ご飯と鮭、いくらの親子ちらしの2種類のご飯の詰め合わせ、2段目にはあんこうの唐揚げ、納豆の春巻きなどが入る郷土色豊かなお弁当です。
一年を通して季節感豊かなイベントが開催される偕楽園
水戸駅で販売される駅弁には、江戸時代からの食文化が詰め込まれています。1842年には徳川斉昭が、市の中心の千波湖に接して偕楽園を造園しました。日本三名園の一つに数えられる偕楽園では、一年を通して季節のイベントが開催されます。「水戸の梅まつり」、「水戸の桜まつり」、「水戸のつつじまつり」、「水戸の萩まつり」の期間中に偕楽園で好みの駅弁を開けば、味わいは増すことでしょう。
茨城県の県庁所在地の水戸市のJRの駅では、県の特産品を活かしたバラエティー豊富な駅弁を買うことができます。奥久慈しゃも、常陸牛、あんこうなど、駅弁でご当地グルメを存分に楽しむことができるのです。