東京メトロ東西線の葛西駅から一之江方面のバスに乗り、
雷上組(いかづちうえくみ)という超絶カッコいい名前のバス停で降りたところにある
雷不動真蔵院(いかづちふどうしんぞういん)では、毎年2月末に『雷の大般若(いかづちのだいはんにゃ)』という中々シビレるネーミングのオマツリが行われています。
『雷の大般若』とは無病息災を祈る神事です。
江戸末期にコレラが流行した際、このお寺の住職が大般若経を背負って各家をまわり息災を願ったこと、また罹患した妹の快復を祈った兄が妹の襦袢を着て厄を払ったことから、毎年この時期に女物の襦袢を着た男衆が集団で経典を担ぎ、町内約400戸を7時間かけて回るという神事になっています。
要するに、女装したおっさんが色々持って町内を駆けまわるオマツリです。
スタート地点の雷不動では
婦人会の皆さまの炊き出しが振る舞われたり(豚汁がほんと絶品)
警察や消防の皆さまが最終打ち合わせしてたり、
「いつもこの時期は都庁の方に撮りいくんだけど、今年はこっちに。」というガチの方もいたりしました。
ここで気づくことはないだろうか、
・2月末開催
・都内を大人数で長時間ひた走る
・警察や消防の協力
・コスプレして走る人がいる
あげた要素がことごとくTOKYOマラソンのそれと一致している。
伝統の奇祭にして「【裏】TOKYOマラソン」、それが「雷の大般若」の正体だったんだよ!!!!!
ΩΩΩ<な、なんだってー!?
なんつって。
そうこうしているうちに「イヨッシャー!!!」の掛け声とともに、
ランナーの(女装したおじさま)皆さまが入場。
中々のインパクト。
めちゃくちゃたくさんいる。
出走時間になり、40名超のランナー(女装したおじさま)が参道に整列。
メインの経典の入った箱以外にも不動明王の宝剣、錫杖や賽銭箱、さまざまなさしものを担いだ異形の集団がこの後数時間にも及ぶ疾走を前に熱気をたぎらせています。
合図の太鼓の音が鳴り響き、拍手と無数のシャッター音の中、出走。
私も後を追います。
正門を出た次の瞬間…
!?
!?
……めちゃくちゃ速くない???……
※速攻で見失いました。
「TOKYOマラソン」と「雷の大般若」唯一の相違点。
それは、後者が持久走の枠を超えたマジダッシュだったということである。
来年はついていけるようにしよう。
固く誓った2月の空でした。
■場所 江戸川区東葛西4-38-9 雷不動真蔵院 ~雷町内
■アクセス 東京メトロ葛西駅から一之江方面バス「雷上組」下車1分
■日時 2月最終週の日曜日
■備考 昭和57年に区指定無形民俗文化財に認定されました。