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城端曳山祭が4年ぶり通常開催!越中の小京都を飾る提灯山。大回転する引き返しは必見

2023/9/7
2024/5/21
城端曳山祭が4年ぶり通常開催!越中の小京都を飾る提灯山。大回転する引き返しは必見

富山・城端の祭り

富山県の西部に位置し、越中の小京都として知られる城端(じょうはな)。散居村の景観で有名な砺波平野の南東のヘリにある地域で、古くから武士団の拠点や荘園として発展し、1559年(永禄2年)に城端別院とも称される善徳寺が建てられるとその門前町として歩みを進めてきました。

小京都という名が付くように伝統的な街並みの残る城端が、一年の中でも特に盛り上がるのがお祭りの日。「城端神明宮祭の曳山行事」として、ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」33件中の1件にも登録されている「城端曳山祭」です!

城端曳山祭城端曳山祭の開催を知らせるポスター

城端曳山祭城端の景観を代表する旧野村家の土蔵群

城端曳山祭が開催されるのは、毎年5月5日の子どもの日(4日は宵祭)。ゴールデンウイーク期間ということもあり、多くの人が訪れ賑わいます。また、今年は4年ぶりの通常開催、曳山の巡行開始300年という記念の年で盛大に開催されました。ここからは当日の様子をご紹介します!

城端曳山祭お祭り当日、善徳寺の門前には露店が広がり地元の方々で賑わっている

6台の山車が練り歩く

5月5日、こどもの日の城端へとやってきました。本祭のこの日は朝9時過ぎから小京都の街並みに曳山が登場し、お祭りを賑わせます。

城端曳山祭

城端曳山祭で巡行する曳山の数は6台。西上町・西下町・東上町・東下町・出丸町・大工町の6町が曳山を出し、その上にはそれぞれに6体の御神像が乗せられているのが特徴です。

早速、堯王(ぎょうおう)を乗せた西下町の諫鼓山(かんこやま)と寿老(じゅろう)を乗せた東上町の鶴舞山が登場しました!他の曳山にも大黒天や布袋、恵比寿といった七福神や関羽と周倉といった中国の古典由来の御神像が乗せられています。

城端曳山祭

御神像の大きさは、人と比べると一目瞭然。大きいですよね。

城端曳山祭

男衆が前の棒や綱を曳いて進める曳山。威勢良く曳っ張っていくその姿はかっこいいです!

城端曳山祭

城端曳山祭

城端の目抜通り、国道304号線を北へと連なって進んでいきます。

城端曳山祭

曳山の背後に広がる城端の南側は、合掌造り集落が世界遺産に登録されている五箇山地域と白川郷、そして白山方面。高い山々がそびえます。

城端曳山祭

まもなく夏を迎えるという時期ですが、雪の残る山の姿も。

城端曳山祭

曳山が曳かれると車輪からギューギューと音が鳴り響くのも注目ポイント。このことから曳山のことを、「ぎゅう山」と呼んだりもするそうですよ。

城端曳山祭

古い街並みが残る、細い路地もギューギュー音を立てながら進んでいきます。

城端曳山祭

城端の街々を練り進んだ曳山は名所の出丸坂方面へ。

城端曳山祭

カーブを曲がり、出丸坂へと差し掛かりました。

城端曳山祭

急坂なので、重心を後ろにかけながら曳山をコントロールして進みます。高さが6m前後もある曳山は、バランスを取るのも大変そうですよね。

城端曳山祭

出丸坂を下り切ったところで、曳山を大回転です!「出丸坂引き返し」と呼ばれる大技の見せ所で、車輪をギューギューいわせながら一気に180度回転させます。

城端曳山祭

男衆が棒を持ち宙に浮いて、曳山の重心を調整しているのも必見!

城端曳山祭

引き返しが終わり巡行が落ち着いたら、曳山の装飾にも目を移してみてください。曳山は江戸時代中期の1719年(享保4年)に創始され、その後改修を重ねて現在の豪華絢爛な姿ができあがりました。一つ一つ異なる装飾は、まさに見事という様相です。ぜひ間近で見物してみてください!

城端曳山祭

庵屋台と山宿

城端曳山祭の見どころの一つに、庵屋台(いおり やたい)があります。庵屋台とは、江戸時代の料亭や平安時代の貴族の邸宅を模したもので、この中に各町の若衆が入り庵唄(いおり うた)を奏していく城端独特のものです。若衆には三味線、篠笛、太鼓を奏でる囃子方と唄を歌い上げる唄方がいるのが特徴。庵屋台も曳山と同じ6つの町が巡行しており、曳山と一緒に街々を練り回っていきます。

城端曳山祭「かきつばた」と「おしどり」の花が咲く大工町の庵屋台。在原業平の別荘を模したもので、風流ですね。下には若衆の足も見えています。

こちらは西下町の庵屋台。祇園の料亭を模したものと伝わり、軒に下がった暖簾にそそられます。

城端曳山祭

対して東上町の庵屋台は江戸の料亭を模しています。新吉原に実際に存在した「大文字屋」「鶴屋」「扇屋」「玉屋」の暖簾が玄関口にかけられているのが必見ですよ。

城端曳山祭

もう一つ城端曳山祭の見どころをご紹介。それは山宿(やまやど)です。山宿は宵祭に合わせ曳山を持つ6つの町に設置され、本祭では曳山に乗せられる御神像が飾り山として置かれます。

町内の民家が毎年持ち回りで実施する町が多く(一部は公民館を利用することもある)、山宿に選ばれることはとても名誉なことなんだそうですよ!

城端曳山祭本祭当日の山宿の様子。前日の宵祭では一番奥に御神像が置かれていた。

この御神像が民家の中に置かれるのですから、それは見応えがありますよね。宵祭から城端へ来られる方は山宿を要チェックです。

城端曳山祭

提灯山が動き出す

日も暮れはじめた18時過ぎ、曳山へ提灯が付けられはじめました。まもなく夜の巡行がスタートします。

城端曳山祭

19時を目前に、辺りがすっかり暗くなってきた城端。曳山の提灯に明かりが灯され、雰囲気が出てきます。この姿から、夜の曳山は提灯山とも称されるんです。

城端曳山祭

提灯に照らされた大黒様もこの表情!

城端曳山祭

男衆の動きも慌ただしくなり、いよいよ出発となります。

城端曳山祭

夜も車輪をギューギュー響かせながら、城端の町々を巡っていきますよ!路地へ入っていくために曳山を回転させる瞬間も、提灯が付きさらにダイナミックになっていて見逃せません。

路地裏では各町の方が待っていて、「来た来た!」「おー!」と歓声が上がっていました。

城端曳山祭

次々に曳山が動き出します。

城端曳山祭

この回転です!一気に曳山を回す様子は夜もかっこいい。

城端曳山祭

城端曳山祭

こんな細い道も通っていきますよ。提灯がサイドにも付いているので、道幅目一杯です。

城端曳山祭

城端曳山祭

町のあちこちに「庵唄所望(いおりうた しょもう)」と書かれた紙を貼っている民家が。この家の前では庵屋台と曳山が足を止め、庵唄を披露します。

城端曳山祭

生演奏に生唄が響き渡り、この風情はたまりませんね。

こちらはまた違う庵屋台。庵唄所望の民家の前でどんどん歌っていきます。

城端曳山祭

こんな料亭の中で、ゆっくりと庵唄を聴いてみたいものですね。歌われる庵唄も毎年変わるそうで、今年は「夏は蛍」や「重ね扇」、「宇治茶」といった曲目が披露されていました。

城端曳山祭

目抜き通り沿いでお祭りの中心地となっている城端曳山会館前には、一般の方も座って鑑賞できる特設会場が用意されていました。こちらではゆっくりと曳山と庵屋台を見ることができます。

観客の前へ進み、江戸料亭を模した庵屋台の東上町が歌い上げる曲目は「書き送る」。

城端曳山祭

曳山も正面に来てくれて、目前で見ることができますよ。

城端曳山祭

こんな技を披露してくれる場面も。巡行の際には細い路地を通ることもあるので、こちらのように屋根を跳ね上げたり、軒をせりあげられるように曳山に工夫が施されているのもユニークなところです。

城端曳山祭

町々を練り歩く曳山と庵屋台。その場その場での魅力がありますので、ぜひいろんな箇所で見てみてください。

城端曳山祭

クライマックスは大回転

闇夜に包まれた夜22時頃、城端曳山祭はクライマックスへと向かいはじめます。最後の見せ場は巡行路の南端である、城端市民センター前で実施される引き返しです。当地へ向かうため、列になった曳山と庵屋台が進んでいきます。

城端曳山祭

城端曳山祭

連なって進む曳山群。絵になりますね。

城端曳山祭

さあ、先頭を行く東下町の東耀山(とうようやま)から引き返しの開始です!

城端曳山祭

二番目は出丸町の唐子山。豪快に回っていきます!

城端曳山祭

この熱気、勢いは圧巻。城端曳山祭を代表する名場面の瞬間です。

城端曳山祭

本当に最後まで幻想的な光景が続きます。

城端曳山祭

このタイミングで令和5年奥能登地震が発生し、お祭りが中断するという場面もありましたが、4年ぶりの通常開催となった城端曳山祭は、無事終了となりました!

城端曳山祭

城端曳山会館へのアクセス

・高岡駅よりJR城端線で城端駅まで51分。城端駅から城端曳山会館まで徒歩15分

城端曳山祭城端駅に掲げられた駅名看板

富山は越中の小京都、城端で毎年5月5日に開催される「城端曳山祭」。勇壮なところから風流な場面まで、見どころたっぷりのお祭りです。ぜひ来年のゴールデンウイークのお出かけ先に、城端を選んでみてください!

城端曳山祭

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