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神奈川県西部の開成町で例年6月上旬から中旬に開催される「開成町あじさいまつり」
日本人は米を主食としているため、全国各地で稲が栽培されています。水田にたっぷりと水が満たされる梅雨を迎えると苗が植えられていきます。田植えの時期に花を咲かせるのが、あじさいです。神奈川県西部の開成町では1983年から農道や水路沿いに、あじさいが植栽されるようになり、あっという間にあじさいの名所となりました。1988年には第1回の「開成町あじさいまつり」が企画され、例年6月上旬から中旬の時期に開催されています。2021年は新型コロナウイルス感染防止のため、イベントは中止となりましたが、町内の水田は初夏の彩りで包まれています。
約5000株のあじさいが植栽される開成町のあじさいの里
神奈川県の開成町では、1977年にあじさいを町の花に定めました。これをきっかけに、JR御殿場線の松田駅、小田急線の新松田駅から2キロ足らずの田園地帯で、あじさいの植栽が行われるようになりました。約17ヘクタール、約10.6キロの農道沿いを中心に、約5000株のあじさいが水田を取り囲んでいます。今では、あじさいの里と呼ばれるようになり、大勢の人々が訪れるようになりました。
「開成町あじさいまつり」でメイン会場となるあじさい公園
例年の「開成町あじさいまつり」でメイン会場となるのは、あじさい公園です。公園の中央の舞台棟で多彩なイベントが企画されます。園内には水車が設けられ里山の情緒を漂わせていますが、農業用水路では水力発電用のタービンが回り周辺に電気を送っています。
あじさい公園沿いの農道は、「開成町あじさいまつり」のメインストリートです。エリアごとに里親が決められ、保育園児から大人まで地域の人々が丹精込めてあじさいを育てています。両側に豊かな彩りのあじさいを眺めながら散策をすると、心も温められることでしょう。
あじさいの花越しに見る田植えの様子や富士山
あじさいの里では、いたるところであじさいがラインを作っていますが、各々のラインを繋いでいるのは水田です。あじさいの花が咲く頃には、次々に稲の苗が植えられていきます。耕運機が音を立てて土を耕す様子や、農民が稲苗を手植えする姿が、あじさいの花に折り重なると、日本の里山の原風景を見ているようです。水田の先には富士山の姿も眺められ、飾り気のない自然がもつ変化に富んだ景観を楽しむことができるでしょう。
あじさいの里に公共交通機関を利用して訪れる場合は、JR御殿場線松田駅、小田急線新松田駅から箱根登山バスの関本行きに7分前後乗車し、「吉田神社入口」停で下車するのが便利です。「開成町あじさいまつり」の開催中にはシャトルバスが運行されます。
神奈川県西部の開成町では、あじさいを町の花に定めたことをきっかけとして、町内にあじさいが盛んに植樹されるようになりました。あじさいの里では約17ヘクタールの敷地内の水田が、あじさいで囲まれます。あじさいが花を咲かせる例年6月上旬から中旬には「開成町あじさいまつり」が開催されます。