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「唐津くんち」城下町に響く「エンヤ、エンヤ!」|観光経済新聞

2020/5/30
2020/6/8
「唐津くんち」城下町に響く「エンヤ、エンヤ!」|観光経済新聞

2019年からスタートした、観光経済新聞のオマツリジャパンコラム記事連載!2020年も「お祭り」をフックに、旅に出たくなる記事の連載をして参ります!奇祭好き、ケンカ祭り好き、お神輿好き…等、様々なライターさんに記事を執筆いただく予定ですので、ぜひご覧ください♪(オマツリジャパン編集部)

城下町に響く「エンヤ、エンヤ!」

 佐賀県唐津市。九州北西部に位置し日本海に面するこの街は、古代には交易も担う地域拠点の郡衙(ぐんが)が置かれ、戦国時代には豊臣秀吉の朝鮮出兵への拠点として名護屋城が起こるなど、大陸への玄関口として発展してきた街だ。現に市名の「唐津」は、中国人を指す「唐」の人たちが集まる港「津」が由来という説もあるそうだ。

 そんな唐津が1年で一番盛り上がる日がある。唐津神社の秋祭り、「唐津くんち」の日だ。唐津くんちは、なんといってもカラフルな曳山が目を見張るお祭りだ。夏が過ぎ、少し肌寒くなった11月2日から4日の3日間で行われ、城下町を威勢よく進む姿が美しい。

 その曳山の数は14台。各町が江戸末期から明治初期にかけて作ったもので、獅子や鯛(たい)、龍に船に浦島太郎まで、色とりどり工夫が凝らされた姿となっている。驚くのはその大きさで、高さは約7メートルにもなるそうだ。男衆が「エンヤ、エンヤ!」とお囃子(はやし)に合わせて曳山を動かす姿には、あっと言わされるだろう。

 そんな14台の曳山だが、お祭り期間中は毎日見ることができる。だが、やはり最大の見せ場は2日目の御旅所神幸(おたびしょしんこう)ではないだろうか。唐津神社から御旅所の設けられた西の浜へ、巨大な曳山が順に進んでいく際の熱気がすさまじい。

 曳山の飾り部分は動くようになっており、上下にゆらゆらと揺れながら進む鯛や、波に乗っているかのような動きの舟はユニークで必見だ。そして御旅所へ入る場面は、「曳込み」と呼ばれる注目ポイント。2~3トンもある曳山が浜辺へ一気に引っ張られていく。みしみしと音を立て、砂地に車輪を取られながら進む様子は手に汗握るものだ。

 唐津くんちの曳山の姿は海に関係したものが多いが、やはり海の幸も豊富なのが港町唐津の特徴だ。特に有名なのが「呼子のイカ」。活イカと呼ばれる美しく透き通った刺し身のイカに、佐賀名産の日本酒を合わせてきゅっとやりながら、お祭りの振り返りをするのもいいだろう。

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