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小江戸川越で例年10月に開催される「川越まつり」
全国各地には江戸の風情を漂わせる街並みが残ることから、小江戸と呼ばれる都市が幾つもあります。埼玉県川越市は、江戸時代から「世に小京都は数あれど、小江戸は川越ばかりなり」と謳われてきました。市の中心部に繋がる蔵造りの街並みには歴史感が溢れています。例年10月第3日曜日とその前日の土曜日に開催される「川越まつり」は江戸時代からの伝統を受け継ぎ、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。30前後の歴史上の人物の人形を掲げた山車が市街地を巡行すると、市全体に歴史絵巻が流れます。
新富町一丁目で保存される徳川家光の山車
「川越まつり」を盛り上げる山車は、市内の各町で保存されています。江戸幕府第3代将軍の徳川家光の山車は、新富町一丁目で整備され市街地へと繰り出していくのです。
新富町一丁目に設けられた川越市産業観光館「小江戸蔵里」
徳川家光の山車の保存庫の周囲は、「小江戸蔵里(くらり)」として川越市産業観光館が整備されています。
「小江戸蔵里」は、鏡山酒造の酒蔵を改装した施設で、おみやげ処の明治蔵、まかない処の大正蔵、ききざけ処の昭和蔵、つどい処の展示蔵を備えています。
「小江戸蔵里」の八州亭で毎月2回開催される「伝統和芸鑑賞会」
まかない処の大正蔵の中では、八州亭というレストランが営業しており、ご当地グルメを味わうことができます。ゆったりとした店内にはステージが設けられ、様々なイベントが行われています。毎月第2、第4土曜日には「伝統和芸鑑賞会」が開催されています。
2021年10月23日の「秋の民謡ショー」
2021年10月23日には、「秋の民謡ショー」が行われました。
「秋の民謡ショー」では、真室川音頭、秋田おばこ節、津軽タント節、本庄追分、能代舟歌、おてもやん、花笠音頭、東京音頭、炭坑音頭などが順に披露されました。最後の炭坑音頭では来場者がステージ前で輪になって踊り、演者に加わりました。
川越土産が勢揃いする明治蔵や昭和蔵
「伝統和芸鑑賞会」の会場となる「まかない処大正蔵」の西には、おみやげ処の明治蔵が隣接しており、店内には川越の土産物が並んでいます。反対の東側にはききざけ処の昭和蔵があり、埼玉県内で作られる地酒が勢揃いしているだけではなく、のみくらべのコーナーが設けられているので、様々な種類の地酒を味わうこともできます。
埼玉県川越市は市街地に蔵造りの街並みを残し小江戸と呼ばれています。川越まつりの伝統行事が受け継がれるばかりでなく、民謡などの伝統芸能も大切に保存されているのです。産業観光館の「小江戸蔵里」に設けられる「まかない処大正蔵」では、毎月第2、第4土曜日に「伝統和芸鑑賞会」が開催されています。