全国で華々しい花火大会や盆踊りが開催され、東北ではねぶた祭の熱気一色に染め上がる日本列島。そんな中、ややもすると隠れがちですが、8月の奇祭もなかなかの強者ぞろいなのです。
今回もあくまでもマイペースに異彩を放つ、個性派ぞろいの祭りを10選びました。「捕まると、3年以内に死ぬかもしれない」最恐ホラーなお祭りとは?
目次
①日向ひょっとこ夏祭り【宮崎】
子宝に恵まれない夫婦がお稲荷様に願かけしたことから始まった「ひょっとこ踊り」は、宮崎県が誇る奇祭にして夏の風物詩。赤い着物に白い帯とふんどしを着け、豆絞りの手ぬぐいをかぶったひょっとこ・おかめ・きつねが踊りながら練り歩きます。ひたすらリフレインされる音楽に対し、キレッキレに手と腰をくいっと動かすエルビス・プレスリーも真っ青の「胸騒ぎの腰つき」に注目です。
金曜日の前夜祭では表現力を競う個人戦(午後6~9時)、土曜日の本祭ではパレード(午後6~)が行われます。おそろいの赤い衣装とマスクで固めた老若男女2000人が一斉に踊り狂う様子はまさに圧巻!(赤は3倍!)なお、「ひょっとこ踊り」のキャラクターを使った公式ラインスタンプが販売されているほか、30万円以上の寄付による「ふるさと納税」での出張ひょっとこも可能(斬新!)。下記の動画で、その中毒性の高い動きをご確認ください。
■日時:2019年8月2日・3日(8月第一金曜・土曜)
■場所:日向市駅前(広場・中心市街地)
■交通:JR宮崎空港駅→JR日向市駅(急行約60分・普通約70分)
http://www.hyottoko.jp/
②大四日市祭り【三重】
地元の人々から「おにゅーどーさん」として親しまれる日本一大きいからくり人形「大入道」が登場することで有名な四日市の市民祭り。
土曜は「おどりの日」としてパレードやおどりフェスタを開催。日曜は「郷土の文化財と伝統芸能の日」として、「大入道」を始め四日市のネリや山車などが大集合!
「大入道」は身の丈4.5m、首の長さ2.7m、台座(山車)1.8mの全高9.0mで、日本最大のからくり人形。そして何と首がぐにょーー-んと伸びる!!!
大入道は、毎年10月に行なわれる秋祭り、諏訪神社の四日市祭にも登場します。なお、大入道の息子(という設定)に、四日市のマスコットキャラクター「こにゅうどうくん」がいます。
■日時:2019年8月3日・4日(8月第一土曜、日曜の2日間)
■場所:近鉄四日市駅(駅前会場・諏訪新道・三滝通り)
■交通:近鉄またはJR「四日市駅」下車徒歩10分
http://kankou43yokkaichi.com/matsuri/
③山口七夕ちょうちん祭り【山口】
約500年前から続く、日本三大火祭りの数えられるフォトジェニックな奇祭。中心商店街や駅通りを、数万個の紅提灯が幻想的な光で包み、光のトンネルをつくり出します。殿御輿や姫御輿、ちょうちん山笠の練り歩きなど、イベントも盛りだくさん。
■日時:8月6日・7日(毎年固定)
■場所:山口市中心商店街・パークロード・竪小路・湯田温泉
■交通:JR山口駅から徒歩5分、新山口駅からバスで30分
http://y-chouchin.jp/
④数方庭祭(スホウテイサイ)【山口】
第14代仲哀天皇の時代に始まったとされる、山口県が誇る天下の奇祭。男子は大幟と呼ばれる長さ20~30m(最大で100kg)の巨竹を担ぎ、女子は切籠と呼ばれる灯籠を吊した笹竹を持って境内の鬼石の周りを舞い踊り、幻想的な和のイリュージョンを展開します。祭は8月7日から13日まで7夜に渡って毎晩続きます。
■日時:2019年8月7~13日(毎年日程固定)
■場所:忌宮神社(山口県下関市長府宮の内町1-18)
■交通:JR下関からバスで23分→ 「城下町長府」バス停から徒歩で5分
http://iminomiya-jinjya.com/events/43
⑤護法祭(ゴーサマ)【岡山】
岡山県の秘境、美咲町で740年以上続く、真言密教と修験道が融合した全国でも珍しい奇祭です。「神に捕ると3年以内に死ぬ」という(即死ではなく、3年以内というあたりが妙にリアルで余計に恐ろしい)伝承で世の奇祭愛好家たちを震え上がらせるまさに最恐の奇祭!
神が乗り移った男性「ゴーサマ」が闇夜の中、境内を走り回る(「お遊び」になる)のですが、この時にうっかりゴーサマの邪魔をしたり、心身不浄の者が混じっているとゴーサマに捕まり、捕まると3年以内に死ぬのだという。
「ゴーサマ」と言っても郷ひろみ(郷さま)のことではありません。何でも温厚で真面目な人であること、信心深く責任感のある人であることがゴーサマになれる条件で、現在、ゴーサマを務めているのは普段はIT社長をしている白川さんなんだとか。
■日時:8月14日深夜(毎年)
■場所:岡山県美咲町二上山両山寺
■交通:亀甲駅から車で30分
http://www.piconet.co.jp/nippon-net/nippon.cgi/see/12277
⑥西馬音内盆踊り【秋田】
郡上踊りなどと並ぶ日本三大盆踊りと言われる西馬音内盆踊り。踊りは「音頭」と「がんけ」の2種類。「がんけ」のほうは「亡者踊り」の側面を持ち、歌詞と節回しの哀調が漂います。編み笠や彦三頭巾で顔を隠した踊り上手たちが優雅に踊る光景に、かつて当地を訪れた俳人・河東碧梧桐は「初めて絵になる盆踊りを見た」と記したとか。
■日時:8月16~18日(毎年固定)
■場所:秋田県・羽後町
■交通:JR湯沢駅から路線バスで25分
http://ugo.main.jp/bonodori/
⑦ヨッカブイ(ガラッパ踊り)【鹿児島】
「仮面祭王国」鹿児島が誇る子どもが泣きわめく系の奇祭。ヨッカブイは「夜着被り」の意味で、水難除けの水神祭となります。シュロから取れる繊維で作った頭巾をスッポリ被った「キン肉マン」の超人として出てきそうな怪人の名はヨッカブイ、別名オオガラッパ(大河童)。そう、その正体は何と河童!
ガラッパ相撲をとる子供たちのそばで、地元の青年が扮するシュロの仮面の大ガラッパ(河童)が、観客を笹の葉で祓い、悪い子をカマスに入れて諭します。 相撲甚句18番を踊ることから「高橋十八度踊り(ガラッパ踊り)」とも呼ばれます。
■日時:8月22日(毎年固定)9時公民館出発・10時~玉手神社
■場所:高橋玉手神社(鹿児島県南さつま市金峰町高橋)
■交通:鹿児島中央駅(または鹿児島空港)からバスで南さつま市へ
https://kanko-minamisatsuma.jp/
⑧吉田の火祭り【山梨】
毎年8月26日、27日に開催。26日は、高さ3メートルの筍形に結い上げられた大松明70余本、家毎に井桁に積まれた松明に一斉に点火されると、街中が火の海と化し、深夜までにぎわうという何ともクレージーな奇祭。
■日時:2019年8月26日(月)・27日(火)(毎年8月26・27日)
■場所:北口本宮冨士浅間神社上吉田地区(富士吉田市上吉田5558)
■交通:富士急行線、富士山駅下車
http://www.mfi.or.jp/himatsuri/
⑨全国こけし祭り【宮城】
東北地方をはじめ各系統のこけし工人が集まり、全国の伝統こけしが一堂に会する祭。こけしの実演展示即売会、コンクール入賞作品の展示、鳴子漆器の展示・即売やフェスティバルパレード、こけしの奉納式などがこけし尽くしのイベントが盛りだくさん。ハリボテこけしが温泉街を練り歩く(※1組2人でこけしコスプレに参加可能!)シュールな光景が奇祭好きにはたまりません。
■日時:2019年8月30日(金)・31日(土)
■場所:温泉神社境内・温泉神社・鳴子小学校・鳴子温泉待ち、お祭り広場
■交通:JR陸羽東線(奥の細道湯けむりライン) 鳴子温泉駅下車
https://kokeshimatsuri.com/
⑩悪石島ボゼ【鹿児島】
写真は水木しげるが描いた南洋妖怪のコスプレではなく、お盆行事の最後に出現し、村人の穢れを払ってくれる来訪神にして仮面神ボぜ。
開催地は、鹿児島からさらに南に位置する離島、美女とネズミと神々の島「悪石島」。紹介しといてなんですが、鹿児島港からフェリーで10時間以上かかる上にフェリーは週2便のみという、最難関のアクセスを誇る秘境探索レベルの奇祭中の奇祭です。
■日時:2020年9月3日(木)(毎年旧暦の7月16日)※今年は9月開催
■場所:悪石島(鹿児島県十島村)
■交通:鹿児島空港→鹿児島港(空港バス50分)→悪石島(フェリーとしまで約10時間半)
※フェリーは祭の時期に合わせ、臨時便あり
※奄美大島(名瀬港)からフェリーで行く場合は悪石島まで約5時間(水曜・日曜深夜2時発)
https://omatsurijapan.com/blog/kisai_aug/
その他、下記の奇祭も要チェックです。
・桑名の石取祭(三重) 「日本一やかましい祭り」の異名をもつ天下の奇祭
・脇岬祇園祭り(長崎)「リアル・クローズ」「ケンカ祭り」の異名を持つお祭りです。
・十八夜(佐賀)レスリングや仕掛け花火が行われます。
・硫黄島のメンドン(旧暦の8月1日・2日、鹿児島)
・信玄原の火踊り(愛知)
・猟師かんこ踊り(三重)
・郡上踊り(岐阜)
・小張松下流綱火(茨城)