本場徳島阿波おどりが終わるとソワソワし始めるのが、阿波踊り東の中心地、東京高円寺。
駅前に大きな看板が立てられ、桟敷席の設置も始まると、頭の中でお囃子もヘビロテ。仕事も手に付かない状況になります。
高円寺の踊り手の一人である筆者が、見どころ、注意点を完全ガイド。いろいろな世代が楽しく見られるためのポイントを伝授します!
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2023年8月24日 編集部更新)
目次
1.東京高円寺阿波おどりとは
本場徳島に次いで阿波おどりが盛んな関東。なかでも東京高円寺阿波おどりは、63年の歴史を持ち、2日間で踊り手1万人、観客100万人を集める、日本有数の夏祭りです。
街には阿波踊りモチーフがそこここに見られ、年中大太鼓を引いたり、三味線を抱えた人が行きかう、阿波踊りの街なのです。
高円寺阿波踊りが行われるのは、例年8月最終土日。2023年は8月26日(土)27日(日)午後5時から8時まで。JR高円寺駅周辺一帯です。
高円寺阿波おどりで気を付けたいのが、なんといっても人混み。もう尋常じゃない。なので、早めに来ること。車では絶対に来ないこと。それだけはご注意ください。
2.ルートを制する者が、阿波おどり観覧を制する
さて、高円寺に着いたら、駅やコンビニなどでパンフレットを入手しましょう。パンフレットはウェブでも見ることができるので、事前にチェックしておくと何かと安心です。
重要なのが運行表の読み方。高円寺のルートは非常にはっきりしており、毎年、下のルートを8の字に回ります。
高円寺阿波おどりの参加連(チーム)は160を超えるので、待ち時間も多く、それぞれの連はスタート位置から全ルートの半分くらいしか回れません。つまり、例えば、純情演舞場からスタートした連は、
パル演舞場を南下し、桃園川緑道を東に逸れ、桃園演舞場に行きます。その後みなみ演舞場を南下。新高円寺駅周辺を西にわたって、ルック第一演舞場に突入。おそらくこの辺でタイムアップとなります。
なので、見たい連があるときは、全ルートのうち、スタート地点から半分以内の場所に陣取ることが非常に重要。間違って反対側に行ってしまうと、待てど暮らせど見ることができません。
「遅れてしまった!」「いくつか連を追っかけたい!」という方には、連追跡ビーコンアプリを利用すると便利です。
3.魅せる演舞の大通り?迫力の商店街?好みに合わせて観覧スポットを決めよう!
次に考えたいのが、大通りで見るか、商店街で見るか。どれも「演舞場」となっているのでわかりにくいのですが、
①南口東側に位置する「中央」「桃園」「みなみ」は大通り。
大通りは大会本部やテレビカメラも入り、派手な演出の見せ場が多いです。
②南口西側に位置する「パル」「ルック第2」「ルック第1」は細い商店街です。
こちらは逆に目の前で踊る大迫力。演者の汗が見えるほどの距離で見ることができます。パル商店街はアーケードの中に響き渡る太鼓の音で一番の迫力。高円寺駅から離れますが、ルック第1は比較的お客さんも少なく穴場です。
③北口の「ひがし」「純情」はその間くらいの広さ。
ノリのいいお客さんも多く、演者とお客さんとの一体感が感じらる、私も大好きな演舞場。
いずれも演舞場行程の真ん中(特に本部席や桟敷席付近)と、ゴール地点前あたりは見せ場の演舞をすることが多いのでそのあたりに座れればラッキー!私は、見る阿呆のときは、なるべく大きなカメラを抱えた人の近くに陣取るようにします。彼らは見せ場をよく知っています!
4.備えあれば憂いなし。トイレと熱中症対策と、飲食物確保!
そうは言えども、高円寺の場所取りは完全なる攻防戦。テープや敷物で場所を確保する方、徹夜で場所を取っているお客さんも多いです。(そこまでしてくださるのは、踊り手としてはありがたいのですが)場所取りは禁止されていますし、何より熱中症の危険が非常に高いです。くれぐれも、順番で、休みながらお待ちください。
あまりの人の多さなので、場所を動いたら二度と座ることはできません。しかも長い運行ルートを次々と違う連が通り、二度と同じ連は通りません。
そしてもうひとつ!狭い道なので、露店はほとんどありません。なので、事前にトイレを済ませ、周辺のお店で食べ物飲み物はしっかり確保しておくことをお勧めします。
どうしてもゆったり見たい人は、有料観覧席もあります。これは協賛金に対するお礼として進呈されます。中止の際も返金はされませんが、一番いい席で見られるので、価値はあると思います。
5.夜までの楽しみ方 ①舞台演舞
阿波踊りといえば通りの流しをイメージすることが多いですが、早めに来て舞台演舞を見ることをお勧めします。会場は2か所で、いずれも1日2公演。それぞれの特徴を説明します。
①セシオン杉並:料金1,500円。全席指定。広々とした舞台空間で、音響、照明も印象的な、芸術としての阿波踊りが見られます。高円寺駅からちょっと遠いが、前売りを押さえておけば、ゆったり見ることができる。
②座高円寺:料金1,000円。当日券のみ。開演1時間前から整理券配布。駅から近いが、確実にチケットを取るためには3時間くらい前から並ぶ人もいる。小劇場のような雰囲気で、必ずしも前の方の席でなくても楽しめるが、確実に見るためにはある程度早めに行って並ぶ必要があります。
涼しいホールでゆったり見られる組踊り。私たち踊り手も、高円寺の舞台は1年間の集大成として力を入れています。流しを見て目が肥えてきた上級者はぜひ行ってみていただきたいです。
6.夜までの楽しみ方 ②グルメと街歩き
前述のように、一旦お祭りが始まると身動きが取れなくなります。なので、昼間のうちに楽しんでいただきたいのは、お祭りグルメ。
徳島スダチボーイズがサーブしてくれるすだちビールやすだちスカッシュ、
8/26 東京高円寺阿波踊り2 日目。北口イベント広場が盛り上がってまいりました。ご近所さんのブースを紹介します。前日行列の #徳島スダチボーイズ さん、レア屋台の神山すだち鶏天さん、ドイツビールと牛串のブースさん、色々手広くやってるブースさん。 pic.twitter.com/R3TIm27Jhy
— 白瀧酒造【公式】 (@Jozen_Sake) August 26, 2018
「日本のインド」とも呼ばれる高円寺らしいカレー、それからコンビニに行ったら阿波踊り専用ドリンク アワライズを買うことを忘れずに!
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午後1時から本番までの間、商店街では突然踊り手たちが現れて演舞を披露することも。日によってスケジュールが違うので、踊っている連に遭遇できたらラッキーです。踊り手もゆったりしているので、近くで写真を撮ったり、高円寺らしいおおらかさを感じることができます。
ちなみに、高円寺阿波おどり当日は、地元氷川神社の例大祭にもあたり、お神輿が通ることもあります。この高円寺氷川神社、日本唯一の気象神社であり、今年は映画「天気の子」の聖地としても盛り上がっています。縁日も出ているので、足を延ばすのもお勧めです。
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7.祭りの後のお楽しみ
さて、高円寺阿波おどりが終わるのは比較的早い夜8時。カウントダウンともに一斉に終わります。これは子ども連れや遠方から来る方にも帰りやすい時間ですね。高円寺では飛び入り連はありませんが、関東最大級の熱狂の祭り、出来上がったお客さんも多いので、私は子連れでは歩き回らないようにしています。
ここからは大人の時間。美味しい居酒屋さんいっぱいの高円寺。早い終了時間を利用して、軽く一杯、最高ですね!
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最後に、高円寺阿波おどりはボランティアに支えられた、地域のお祭りです。翌朝は連員とボランティアが早朝ゴミ拾い。ごみはゴミ箱に、または持ち帰っていただけると、とっても嬉しいです。
さあ、もうすぐ夏のクライマックス。演舞場で会いましょう!
2023年の開催情報!
東京高円寺阿波おどり
日時:2023年8月26日(土)、27日(日)午後5:00-8:00
アクセス:JR中央総武線 高円寺駅(土日は中央線は止まらないので注意)