(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2021年2月8日 編集部更新)
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「ひな人形のふるさと鴻巣」を内外にアピールする「鴻巣びっくりひな祭り」
埼玉県北部の鴻巣市では、古くから人形作りが盛んに行われてきました。「ひな人形のふるさと鴻巣」を内外にアピールするため、2005年から「鴻巣びっくりひな祭り」が開催されています。2021年は2月19日~3月6日に行われます。
約380年の「鴻巣びな」製作の伝統をもつ旧中山道沿いの人形町
鴻巣市での人形製作の歴史は江戸時代の中頃の約380年前に遡ると伝えられています。旧中山道が縦断する人形町を中心に、数多くの職人が腕を振るいました。「鴻巣びな」として広く知られるようになり、「関東三大雛市」の一つに数えられるまでになったのです。
日本一高いピラミッドひな壇が設置されるメイン会場の「エルミこうのす」
「鴻巣びっくりひな祭り」のメイン会場となるのは、鴻巣駅に直結するショッピングモールの「エルミこうのす」です。
中央のセントラルコートには巨大なピラミッドひな壇が設置されます。
31段のひな壇の高さは約7メートルです。2012年には、「日本一ネット」において「ひな人形で飾る日本一高いピラミッドひな壇」として認定されました。
四角錐のピラミッドひな壇の各面には1800体を越えるひな人形が階段状に並びます。
1800体を越えるひな人形に同じものはなく、各々の特徴をもっています。
ひな壇正面の張り出し部は、ひな人形が満員電車に乗っているかのようです。
ひな壇の周囲には記念撮影用のパネルや、鴻巣市の特産物を販売する売店が設置されています。
セントラルコートは吹き抜けになっているので2階や3階から角度を変えて、ひな壇を眺め下すことができます。
市内各地に点在するサテライト会場
「鴻巣びっくりひな祭り」のメイン会場となるのは「エルミこうのす」ですが、市内各所にサテライト会場が設けられます。この中で「パンジーハウス」、「花久の里」、「ひなの里」の3つの会場と「エルミこうのす」は、休日には無料の循環バス「ひなめぐり号」で結ばれます。
※2021年は新型コロナウイルス蔓延の影響で運行が中止となる可能性があります。
「エルミこうのす」と「ひなめぐり号」で結ばれる「パンジーハウス」は、鴻巣の農産物直売所です。施設内には三面のピラミッドひな壇と、花で飾られた等身大のひな人形が展示されます。
「ひなめぐり号」が運行される「花久の里」は、花と音楽の館です。長屋門を入ると地方の旧家の佇まいが広がります。母屋のサロンには、花と人形で飾られた六角錐のひな壇や、つるし雛が展示されます。ひな壇ばかりではなく壁に沿って、様々な人形が並びます。また、長屋門のホールや離れでは、てまりなどの展示が行われています。
「ひなめぐり号」で「エルミこうのす」と結ばれる「ひなの里」は、人形町の一画に設けられた産業観光館です。館内に展示される「芥子雛」、「享保雛」、「古今雛」、「御所人形」などから「鴻巣びな」の歴史に接することができます。人形の製作工程の紹介もあり、人形の知識を深めることができます。中庭に沿う明治時代に築造された蔵も、人形で埋め尽くされます。また、中庭では尺八や三味線の演奏などのイベントも企画されています。
「エルミこうのす」、「パンジーハウス」、「花久の里」、「ひなの里」の他にも、「鴻巣市民活動センター」、「コスモスアリーナふきあげ」、「吹上生涯学習センター」、「クレアこうのす」もサテライト会場となり、トータル8会場でひな人形の展示が行われています。「鴻巣びっくりひな祭り」の期間中は、鴻巣市はまさに「人形の町」となるのです。
新たに誕生した鴻巣名物「川幅うどん」
「ひな人形のふるさと」の鴻巣に、2009年に新たな名物が加わりました。「川幅うどん」は、埼玉B級ご当地グルメ王決定戦で優勝した実績をもっています。鴻巣市と吉見町の間を流れる荒川の幅が日本一であることをうどんに練り込んでいるのです。「鴻巣びっくりひな祭り」のいくつかの会場で、幅の広いうどんを味わうことができます。
鴻巣市は「ひな人形のふるさと」として広く知られています。毎年2月中旬から3月上旬にかけて「鴻巣びっくりひな祭り」が開催されています。メイン会場には、高さ約7メートルの日本一高いピラミッドひな壇が設置されます。市内各所にサテライト会場が設けられ、ひな人形の歴史や文化を学ぶことができます。