日本の夏といえばお祭り、浴衣、盆踊り、そしてなんといっても「花火」ではないでしょうか。
実はこの花火、「お盆」と深い関係があるのです。今回は、そんなお盆と花火の歴史や関係、全国の供養花火大会についてご紹介します。
お盆とは?花火大会とは?それぞれの意味や歴史を解説!
お盆とは、亡くなった家族や先祖の霊魂(たましい)が浄土から現世へ戻ってくる期間のことです。
お盆の語源はサンスクリット語で「逆さ吊り」を意味する「ウラバンナ」という言葉です。
仏教の教えの一節で、ある日お釈迦様の弟子は亡くなった母があの世で飢餓道に落ち、逆さ吊りにされたような苦しみを味わっていると知ります。お釈迦様は弟子に「多くの人に施しを行えば、それが母親を助けることになる」と説き、弟子は教えに従い僧侶や尼僧に供物をささげたところ、その功徳があの世へ届き、母は無事に極楽浄土へ行くことができました。
一方の花火大会のルーツですが、日本で初めての花火大会は、江戸時代・享保18年(1733年)に始まった「両国川開き花火」(現在の隅田川花火大会)が最初だという説が諸説ある中で有力なようです。
Hi!おはよう!
花火(fireworks)の起源については諸説ある。一般的には花火のルーツは古代中国の狼煙とされ、煙による通信手段であり、火薬の技術の発達とともに花火が誕生することとなったらしい。とにかく夏、今日も何処かで花火が打ちあがる。13日は、横浜の港に大輪が咲く。
Have a nice weekend! pic.twitter.com/CDDQBzGJ9d— 藤田桂輔 (@KeisukeFujitajp) July 12, 2019
“花火”と”お盆”の関係
日本最古の花火大会と言われる隅田川花火大会は、元々、江戸時代には川開きとして行われていました。
川開きが開かれるようになったのは、約300年前の1733年、前年に日本は大飢饉に襲われ100万人近い人が亡くなっていました。
当時の将軍・徳川吉宗は慰霊と悪病を鎮めるため、施飢餓のために祭りを行い、花火を打ち上げさせました。
また、お盆前後に開催される花火大会が多いのは、お盆に先祖供養する「精霊火」の風習と花火をつなげたことも一因とされています。
江戸時代を振り返る画像。
『現代の隅田川花火大会のルーツである両国川開き(『東都両国夕涼之図』歌川貞房 画)の拡大画像』元記事 →『エアコンなくてもこんなに涼しい! 江戸時代の夏の過ごし方がアイデア満載で参考になる』 https://t.co/SThKctc6hP#江戸時代#歴史 pic.twitter.com/EywrXFdzjV
— 江戸ガイド (@edo_guide) March 30, 2020
全国の供養花火大会3選
ここで、全国で開催される供養花火を3つご紹介します。
・隅田川花火大会
前項でもお伝えしたとおり、隅田川花火大会は江戸時代、両国川開きとして大飢饉による死者供養と災厄除去を願うため開かれたのがきっかけです。
・石巻川開き祭り
仙台の治水工事に携わった人々の偉業をたたえることを目的に始まりました。
また、津波被害に遭われた方の鎮魂の意を込め、初日は供養花火を盛大に打ち上げています。
・長岡まつり
越後三大花火の一つとして名高い花火大会です。長岡空襲で亡くなった人々の慰霊として始まりました。
まとめ
今回は花火の由来や歴史、供養花火についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
夏の夜空に咲いては消える花火は、なんとも言えない風情がありますよね。
今年の夏は、先祖の供養を願いながら花火を眺めるのもいいかもしれません。