祖先のガイコツを身近に飾る11月の「死者の日」
2021年の夏には世界のスポーツの祭典のため、各国からトップアスリートが東京に集結します。歴史や文化、生活習慣の異なる国々から大勢の人々が来日する機会に、海外に目を向けると視野を広げることにつながることでしょう。北アメリカ大陸の南部に位置するメキシコは、サッカーの強豪国として国際的な大会では必ず上位にまで勝ち上がります。国内のリーガMXの試合が行われるとサッカースタジアムは熱狂で包まれるのですが、毎年11月1日、2日は国内が「死者の日」のおまつりムードで賑わいます。メキシコでは3000年近く前から祖先のガイコツを身近に飾る習慣があったのです。
マヤ遺跡に残る球技場
メキシコでは紀元前1300年頃からオルメカの文明が栄えました。アメリカ大陸で最も早く生まれた文明で、その後のマヤやアステカ文明へと発展したのです。ユカタン半島には、パレンケ、チチェン・イツァー、ウシュマルなどのマヤ遺跡が残され、ユネスコの世界遺産に登録されています。
マヤ文明の遺跡にはピラミッド状の神殿に加えて、必ず球技場が設置されているのが大きな特徴です。競技ルールには数種類あったようですが、1チーム数人でボールをパスしながら輪に通して勝ち負けが決められました。ユカタン州の州都メリダのソカロでは毎週金曜日の20:00から、マヤ文明期の儀式的な球技のショーが行われます。
カリブ海に面するリゾート観光地
メキシコでは古代からの文化を大切に保存する一方で、近代的な観光開発も盛んに行われています。特にカリブ海に面するカンクンやプラヤ・デル・カルメンやカンクンは世界でも屈指のリゾート観光地となっています。
メキシコ・グルメ8選
世界から数多くの人々が訪れるメキシコではグルメのメニューも多種多様です。その中から代表的な料理を8種類ご紹介します。「ソパ・デ・トルティージャ」は、トウモロコシ粉の生地の薄焼きをトマトスープで煮込んだスープです。
「ケサディージャ」は、チーズをトウモロコシ粉の生地で包み焼きした料理で、手軽な朝食メニューとして定着しています。
「ナチョス」は、トウモロコシ粉の生地にチーズをかけて溶けるまで焼いたものです。様々なソースをつけて食べることが多いのですが、牛ハラミの薄焼きを載せると「ナチョス・アラチェラ」となります。
「タコス」は、トウモロコシ粉の生地の薄焼きで様々な具材を包みます。メキシコで最もポピュラーな料理と言えるでしょう。「タコ」は軽食を意味します。鶏肉をシートで包めば「タコス・デ・ポージョ」となります。
「コチニータ・ピビル」の基本的なレシピは、豚肉をバナナの葉に包んで地中に埋めて蒸し上げることです。使用するスパイスやハーブは10種類を超え、アチョーテ、トウガラシ、グアヒージョなどで、風味と味わいを整えます。
「ファヒータ」はグリルした肉料理です。鶏肉と香味野菜を組み合わすと、「ファヒータ・デ・ポージョ」となります。
「パン・デ・カソン」は、カンペチェ州のご当地グルメで、カソンという子鮫の白身と、豆のペースト、トウモロコシ粉の生地の薄焼きを重ね焼きしたラザニアのような料理です。
食事にはドリンクが欠かせませんが、メキシコはアルコール度数の極めて高い「テキーラ」の原産国です。「ブルーアガヴェ」と呼ばれるリュウゼツランの一種を主原料とし、蒸留することによってアルコール度数を高めます。原産地のハリコス州の町の名前が、商品名として広まりました。テキーラから南東約50キロのメキシコ第2の都市グアダラハラのリカーショップなどには、数え切れない種類の「テキーラ」が並びます。
アメリカ大陸の南部に位置するメキシコは、サッカーの強豪国となっていますが、マヤ文明期から球技が盛んに行われていました。国内で大切に保存されるマヤ遺跡には球技場が残される一方で、カリブ海沿岸を中心に近代的な観光開発が進みます。グルメの面では、特産のトウモロコシを様々にアレンジしたメニューが多彩です。