目次
日本三名園の一つで開催される「水戸の梅まつり」
茨城県水戸市の偕楽園は、金沢の兼六園、岡山の後楽園とともに「日本三名園」の一つに数えられています。園内には約100種、約3000本の梅が、植栽され国内屈指の梅の名所となっています。例年2月中旬から3月下旬にかけて、「水戸の梅まつり」が開催されています。2020年は当初は2月15日~3月29日の予定で行われましたが、諸般の事情によって2月26日以降の企画イベントが全て中止となりました。
水戸藩第9代藩主徳川斉昭が開園した偕楽園
偕楽園は水戸藩第9代藩主徳川斉昭によって、1842年7月1日に開園されました。徳川斉昭は1833年に藩内を一巡した後、水戸の千波湖に臨む七面山を切り開き回遊式庭園を造る構想を持ったのです。園内中央の見晴広場の一画には、徳川斉昭が園創設の趣旨と経過を記した偕楽園記碑が残されています。
偕楽園には、東門、南門、西門の3つの入口から入ることができます。この内、東門はJRの駅や園内の梅林にも近いので、東から園内に入る人が多いようです。
360度のパノラマで梅花の眺望が広がる東西梅林
東門は偕楽園で最も広い面積を占める東西梅林の南東端にあたります。東門を入って北あるいは西に進むと、身のまわり360度が梅の花で包まれます。
個性的な姿を見せる「水戸の六名木」
見わたす限りの梅花に訪れた人々は圧倒されていますが、園内には数々の名木が育っています。特に「水戸の六名木」は、個性的な枝ぶりや、花の色や形を見せてくれます。ただ、咲く時期に若干の違いがあるので、全ての梅が見頃となる時期は限られた期間になるようです。
見晴広場の仙奕台から眼下に広がる絶景
東西梅林の南には見晴広場が広がります。まつりの期間中の休日には、見晴広場を中心に魅力的なイベントが企画されていましたが、2020年は2月26日以降のプログラムが全て中止となりました。ただ広場の南の仙奕台(せんえきだい)からは見事な眺望が広がります。
江戸時代からイベント会場として利用される好文亭
見晴広場の西には好文亭が建っています。徳川斉昭が自ら建築場所を決め、建築意匠まで行ったと伝わります。ここで詩歌の会などが催され、数多くの文人墨客、家臣、領地の人々が集まりました。
豊かな表情が満ち溢れる偕楽園の内外
好文亭の西には大杉森や孟宗竹林などのエリアがあり、梅林とは異なる風景を楽しむことができます。太郎杉の袂では、吐玉泉が清らかな水を湧き出しています。
偕楽園の園内には、東西梅林の広大な梅の園がありますが、園外にもいたるところで、梅の花が初春の彩りをつけています。
東門には観光案内所が設けられ、園内を案内してくれるボランティアの姿も見られます。売店では水戸の特産物が勢揃いしており、門の外には数多くの露店が軒を連ねています。
「水戸の梅まつり」は日本三名園に数えられる偕楽園で、例年2月中旬から3月下旬にかけて開催されています。2020年には124回を迎え、梅の名所として全国各地に知れわたっています。広大な面積をもつ東西梅林に入ると、360度のパノラマで梅花に包みこまれます。