どうも。酒と祭をこよなく愛する名もなき酔っ払い、まっくです。今回は近年、酒専門店などでよく見かける日本酒の季節限定酒の特徴と具体的なお酒について紹介していきます。併せて、酒のつまみにピッタリな季節ごとの奇祭についても紹介しますよ。早速、見ていきましょう。
➀春酒(花見酒、うすにごり)【3月~5月】
春季限定で販売される、春をイメージした日本酒。桜を思わせるピンクのボトルデザインで、花の香りがしたり、うすにごりだったり多彩なラインナップが並びます。フルーティな香り漂う薫酒タイプの酒が多めかも。
来福 さくら酵母(茨城・来福酒造)
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春らしいうすにごりで、春を感じさせる柔らかな甘味と酸味。蔵からは菜の花や春菊の天ぷらと合わせるのがおすすめなのだとか。
ここでいきなりのお祭りクイズ。この来福酒造が酒樽を奉納している大宝八幡宮で秋に行われる奇祭と言えば?
――そう、タバンカ祭ですよね(記事はコチラ:「茨城県・下妻のタバンカ祭 畳と鍋で炎をタバンカした後、松明が襲う?!」)。
また、この春酒が出る時期の奇祭については、下記のリンクを要チェックです。
・3月の奇祭
・4月の奇祭
・5月の奇祭
➁夏酒(冷酒)【6月~8月】
夏季限定で販売される、夏をイメージした日本酒。夏のビール熱に押されて日本酒の販売が落ち込みがちな夏の時期に考案され、2007年頃から販売され始めました。厳密な定義はなく、スパークリングだったり、ロックで飲んだり、レモンのようなさわやかな酸が強かったりと酒蔵ごとに「夏らしさ」を追求した多彩なラインナップが並びます。一般的には夏らしい涼し気なデザインで、飲み疲れないスッキリした軽めの味が多い傾向にあるそう。
ひと夏の恋 純米吟醸 ひとめぼれ(宮城・愛宕の松)
バナナやメロンを思わせる穏やかな香りと、爽やかな酸味。「究極の食中酒」というコンセプト通り軽快でフレッシュな味わいだから、暑い夏でも飲み疲れせずにグビグビいける。
〇アイスブレーカー(京都・玉川酒造)
ペンギンラベルが目を引く、涼し気なラベルのこの日本酒は、何と氷を入れてロックで飲むことを前提に作られた奇酒。氷の溶け具合によって味の変化も楽しめる。ちなみにアイスブレーカー(Ice Breaker)とは、英語で「場や雰囲気を和らげるもの」という意味です。
この夏酒が出る時期の奇祭については、下記のリンクを要チェックです。
・6月の奇祭
・7月の奇祭
・8月の奇祭
③秋酒(ひやおろし)【9月~11月】
「ひやおろし」とは、一般的に、冬に搾られた新酒を春先に一度火入れ(加熱殺菌)し、夏の間に貯蔵・熟成させ、外気の温度が貯蔵庫と同じくらいになってきた頃に出荷する秋限定のお酒のことです。通常の日本酒は貯蔵前と出荷前の計二回火入れすることで味を固定するのですが、「ひやおろし」はあえて一回しか火入れしないので夏の間に熟成(エイジング)が深まり、まろやかな味わいや穏やかな香りが出てくるのです。まさにしっとりとした月見酒にもピッタリ。
赤トンボ(岐阜・仙禽)
酸味と甘みが強く白ワインのようなモダンな味わいで人気の「仙禽」が出している秋限定モデル。3種の酒米「亀の尾」「山田錦」「雄町」をブレンドし、軽快でモダンな味わい、円熟した旨味を実現。
ちなみに仙禽の季節限定酒には春の「さくら」、夏の「かぶとむし」、秋の「赤とんぼ」、冬の「雪だるま」があり、すべてが要チェックです。
この秋酒が出る時期の奇祭については、下記のリンクを御確認ください。
・9月の奇祭
・10月の奇祭
・11月の奇祭
④冬酒(しぼりたて新酒)【12月~2月】
新酒とは、年末から3月頃まで出回る日本版ボジョレー・ヌーボーで、フレッシュ感を大切に、火入れをしない生酒のまま瓶詰めします。新酒には出来たてホヤホヤでフレッシュな「しぼり立て」と、初物というか、秋に収穫した新米を一番最初に仕込んで一番最初に絞った「初しぼり」の2種類があります。
さらに初しぼりには、もろみを酒袋に移し替え、最初に出てきて薄く濁っている「荒走り」、その次に出てきた透明な「中取り(中汲み)」、圧力をかけてお酒を最後まで絞り切ったとき出てきた「責め」の3種類があります。
秋のひやおろしは一回だけ火入れのエイジング(熟成)による円熟味が売りでしたが、それとは対照的に冬の新酒は火入れなしの生酒ならではの新鮮さが売り。フレッシュなので、舌先にピリピリくるような弾けるような若々しさがあります。ものによってはガス感が強く、ふきこぼれるので開栓注意です!
ゆきおんな(山口・大嶺酒造)
人気イラストレーターたなかみさきさんとの冬季コラボレーションで、ラベルがちとセクシー。マスカットのような甘酸っぱさの中に「ゆきおんな」をイメージしたニゴリとお米の旨味が複雑に絡む。冷でも温でもお好みで鍋に合わせたい。
この冬酒が出る時期の奇祭については、下記のリンクを要チェックです。
・12月の奇祭
・1月の奇祭
・2月の奇祭
いかがでしたか? 季節ごとの限定日本酒のラインナップの違いなどを紹介しました。定番の人気銘柄もいいですが、季節ものを取り入れて快適な酒ライフをお過ごしください。