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弘法大師の縁日とされる21日
日本では奈良時代から平安時代にかけて仏教文化が全国に浸透していきました。平安時代の初期には、伝教大師最澄とともに弘法大師空海などの高僧が、仏教の教えを広めたのです。弘法大師空海は関東地方にも巡錫を行い、東京都足立区の西新井を訪れた826年頃に、ご本尊の十一面観音を彫り西新井大師を建立したと伝わります。毎月21日は弘法大師の縁日とされ、1月21日の初大師には、境内や参道には露店が軒を連ね大勢の人々で賑わいます。
江戸時代後期の建立と推定されている山門
西新井大師の正面玄関にあたるのが山門です。総欅造りの楼門は、建具金物裏面の陰刻から江戸時代後期1833年の建立と推定されています。赤銅色の銅葺屋根が青空にくっきりと浮かび上がります。門の左右には金剛力士像が祀られています。
山門を潜ると正面に大本堂の姿を拝むことができます。山門と大本堂を繋ぐ石畳の道の左右には露店が並びます。
毎日数回、護摩祈祷が行われる大本堂
大本堂にはご本尊の十一面観音と空海自刻と伝わる弘法大師像の他、四天王像、阿弥陀三尊像が祀られています。堂内では毎日数回、護摩祈祷が行われます。
境内を埋め尽くし側道に溢れ出す露店
大本堂の南東のエリアには、だるま、破魔矢、熊手などの正月の縁起物の露店が並びます。
大本堂の東に接して建つ書院の前には、飲食店をメインに様々な商品を扱う露店が軒を連ねます。
大本堂や書院の側面も、露店エリアとなっています。
境内に入りきれない露店は、寺院の東門から東武大師線の大師前駅に向かって繋がります。
独特の門前町の情緒を漂わせる参道
東門から東武大師線大師前駅までの側道には露店が並びますが、山門の南に向かう参道の左右には昔ながらの商店が建ち並び独特の門前町の情緒を漂わせています。
特徴的な景観をもつ堂宇や早咲きの寒桜
西新井大師の初大師では縁日の雰囲気をたっぷりと味わうことができますが、境内には数々の堂宇が建立されています。山門と大本堂の間に建つ三匝堂や塩地蔵の特徴的な姿を見落とすことはできないでしょう。三匝堂は都内に残る唯一の栄螺堂、塩地蔵はいぼ取りに霊験があると伝わります。
また、三匝堂と大本堂の間では1月の下旬に寒桜が咲き始めています。カンヒザクラ系の雑種で桜の中では最も早く開花し、満開となるのは2月上旬から3月上旬です。
東京都足立区の西新井大師では、毎月21日に弘法大師の縁日を開催しています。中でも新年1月の縁日は、初大師と呼ばれています。毎年1月21日には、境内は露店で溢れるばかりでなく側道にはみ出し、大勢の人々で賑わいます。