野沢温泉道祖神祭りは、日本三大火祭りの一つともいわれ、国の重要無形民俗文化財にも指定されている勇壮な火祭りです。
道祖神は、石像などを刻んで村境や辻に祀り、村落に災厄の進入を防ぐとされる神様で、特に長野県には数多く見られます。全国各地には1月15日の小正月に正月飾りやしめ飾り等を焼く「どんど焼き」や「左義長(さぎちょう)」などと呼ばれる行事がありますが、野沢温泉で行われるのが「道祖神祭り」で、江戸時代後期にはすでに盛大に開かれていたようです。
ここからは、2019年に開かれた時に現地から速報でレポートした記事をお届けします。地元では「道祖神祭りの日には、必ず雪が降る」と言い伝えられているとか。その言い伝えどおり、降りしきる雪の中で盛大に開催された祭りの迫力を、ぜひ感じてみてください。
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2020年12月23日 編集部更新)
丹精込めて作っても、燃やすのは一瞬の「社殿」
野沢温泉道祖神祭りでは2日がかりで「社殿」の建設が行われます。
社殿はすべて木材と麻縄で作られ、釘などの金属は一切使われていないと言うから驚き!社殿は高さ約10メートル、幅は8メートルの大きさで、前日の1月14日から建設を始め、1月15日の昼頃に完成されます。
祭りの主役は「厄年」の男性たち
社殿建設を始め、祭りの主役となるのは厄年の男性たち。野沢温泉村出身者や、移住してきた方を含め、現在村に住んでいる方達の手によって行われます。25歳と40歳、41歳、42歳の男性たちは、それぞれ揃いのつなぎに身を包み、雪の中を作業にあたっていました。
主役を見守るのは「保存会」の皆さん
厄年の男性たちを見守り、指導するのは保存会の皆さん。厄年を経たOBの皆さんで構成されています。
社殿建設の「元棟梁」である森紀一さんは、保存会の立ち上げをされた方であり、野沢温泉道祖神祭りには長年携わっていらっしゃる方。今年は社殿建設を見守る立場に終始されていましたが、完成した社殿を前に「(皆が)立派に作ってくれたと思う」と話して下さいました。
祭り本番の様子をフォトレポートでお伝え!
勇壮なお祭り当日の様子を写真でご紹介します♪
取材協力)野沢温泉観光協会