夏の風物詩の一つでもある花火。家族で手持ち花火を楽しんだり、花火大会を見に行ったりする方は少なくないでしょう。この記事では、花火のルーツと意味についてご紹介します。
(この記事は2020年公開のものを一部再編集しています。2023年7月10日更新)
花火には鎮魂の意味がある
花火と花火大会に関する歴史は諸説あります。有名な「隅田川花火大会」を例にとると、この花火が本格的な花火大会として始まったのは1733年、徳川吉宗が将軍だった頃とされています。
当時は「両国の川開き」と言われており、5月28日から8月28日までの期間には頻繁に花火を打ち上げていたようです。そして、1978年からは隅田川花火大会と名前を改め、今なお多くの方々に親しまれています。
元来、花火は慰霊や疫病退散が目的の行事だったとされています。
一説によると、花火はお盆に行われる迎え火、送り火の一種ともいわれており、ご先祖の霊を迎え送る意図があったようです。
日本全国では供養花火が開催されている
日本各地で開催されている花火大会の中には、供養を目的としたものも複数あります。
先程紹介した隅田川花火大会の他にも、「長岡まつり 大花火大会」や「熊野大花火大会」など日本各地で供養花火は開催されています。
例えば、長岡の花火大会は戦没者の慰霊を目的としたものでもあり、「熊野大花火大会」は先祖の霊を導く迎え火・送り火として花火が用いられています。
長岡花火で打ち上げられる「白菊(しらぎく)」は、第二次世界大戦の長岡空襲で亡くなった方の慰霊のため、同時に未来永劫の平和を願っての花火です。
手持ち花火で先祖を偲ぼう
手持ち花火では線香花火が有名ですが、他にもさまざまな種類のものがあります。
ちなみに線香花火は関東と関西とで、花火の種類や長く燃焼させるコツが異なります。
関東型は長手牡丹と呼ばれ燃焼部分を真下に、関西型はスボ手牡丹と呼ばれ燃焼部分を下斜め45度に向けると火が長持ちしやすいようです。
線香花火は燃える長さで競争することもあるので、覚えておくとより楽しめるでしょう。
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また、ススキ花火も代表的な手持ち花火の一つで、着火するとススキの穂と似た形の火花が噴出されます。
手持ち花火の中では派手な部類なので、大人から子どもまで楽しめるはずです。
他にも変色花火やスパーク花火などの手持ち花火があるので色々と楽しんでみてください。
くれぐれも火事には十分に注意し、花火のゴミは片付ける、夜遅い時間にならないなどマナーにも気を配ってください。
まとめ
今回は花火の由来や意味についてご紹介しました。
諸説ありますが、花火は元々お盆との結びつきが深く、地域によっては迎え火や送り火と同じ意味合いで用いられることもあります。
コロナ禍では中止になることが多かった花火大会も、今年2023年は全国各地で開催されます。花火大会に出かけたときや家でご家族と花火をするときに、天国にいるご先祖様や亡くなった方に思いを馳せ、感謝と平和の祈りを込めながら花火を楽しんでみてはいかがでしょうか?