目次
あじさい坂が整備される太平山
栃木県の南部の栃木市は巴波川の舟運を活用した商人町として発展を遂げ、蔵造りの街並が保存され、小江戸、小京都、関東の倉敷と呼ばれることがあります。市の西部に聳える太平山からの景観は「陸の松島」と呼ばれ、栃木市には数多くの魅力が溢れています。太平山にはあじさい坂が整備され、例年6月中旬から7月下旬にかけて山肌を彩ります。あじさいの開花に合わせて「太平山とちぎあじさいまつり」が開催され、2019年は6月14日~6月30日に実施されました。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止となったため、イベントを楽しむことはできませんが、マスクを着用してソーシャル・ディスタンスをキープしながらあじさいの花を鑑賞することができます。
太平山麓の六角堂から太平山神社の随神門を繋ぐあじさい坂
太平山は栃木市の西部に約340メートルの標高で聳えています。約1,000ヘクタールのエリアは1955年に県立自然公園に指定されています。麓の六角堂から太平山神社の随神門までの坂道はあじさい坂と呼ばれています。太平山からキ切り出された石が約1,000段、野面積みされているのです。
あじさい坂の左右には、西洋あじさい、額あじさい、山あじさいなど数種のあじさいが、約2,500株育っています。坂道はなだらかな傾斜で始まり、徐々に急勾配となります。
両側からあじさいの花が彩る太平山神社の随神門から本殿に向かう石段
太平山神社の神門となる随神門は、入母屋造り扇垂木の建築様式によって1723年、江戸幕府第8代将軍の徳川吉宗によって建造されました。随神門を潜ると、目前には石の階段がせり上がります。あじさい坂を登りきった後に門を潜った人の大半は、思わず「まだあるの」と口走るようです。
太平山神社の随神門から本殿に向かう石段も両側からあじさいの花が彩ります。
太平山神社は827年に、慈覚大師円仁により創建されたと伝わります。本殿の正面の御神石と並んで、茅の輪が設けられています。夏越の大祓いの時期でもあるため、茅の輪くぐりをすれば、厄払いができることでしょう。
あじさいの花が立体的に重なり合う謙信平園地
あじさい坂の入口から太平山神社までの参道で、充分あじさいの花を堪能することができますが、随神門から南に100メートルあまりの謙信平にも立ち寄ってみたいものです。謙信平は戦国時代に北条氏康と関東地方の領有を争った上杉謙信が、太平山に登り眼下に広がる関東平野を見渡し、その広さに目を見張ったと伝わっています。
謙信平に一画には謙信平園地が設けられ、園内をあじさいの花が隙間なく埋め尽くしています。あじさい坂では石段に沿って一直線に並ぶあじさいの花を楽しむことができますが、謙信平園地では立体的に重なり合うあじさいの花にうっとりとしてしまいます。
「陸の松島」の光景を眺めながら楽しむ太平山の三大名物
謙信平の他、太平山神社の境内には、数多くの飲食店が営業をしており、多彩なご当地グルメを楽しむことができます。玉子焼、焼き鳥、だんごが、太平山の三大名物として定着しています。太平山神社の境内の店舗からは眼下に「陸の松島」の光景が広がります。
栃木県栃木市の西部に聳える太平山には、麓の六角堂から太平山神社の随神門までをあじさい坂が繋いでいます。太平山からキ切り出された石を野面積みした石段の左右には、あじさいが約2,500株育っています。例年6月中旬から7月下旬にかけて石段を上りながらあじさいの花を楽しむことができます。