※2020年は新型コロナウイルス蔓延の影響で内容を変更し、関係者の健康管理・感染防止対策には万全を期しながら開催することとなりました。2021年には無事に開催されることを願いつつ、コロナウイルスの終息のために感染予防を心がけましょう。(2020年10月30日 編集部)
関東における秋のお祭りといえば、11月に各地で開かれる酉の市が有名です。
熊手を売る露店が神社の境内に立ち並ぶ光景は、秋の風物詩となっています。
酉の市を開く神社は約80社ほどありますが、この記事では東京都府中市にある大國魂神社で開かれる酉の市についてご紹介します。
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2020年10月30日 編集部更新)
府中・大國魂(おおくにたま)神社の酉の市の概要
約1900年の歴史を持つ古社である大國魂神社の酉の市は、現代でも毎年約8万人を動員する大規模な祭礼として開催されています。
毎年11月にある酉の日には150店におよぶ屋台が出店される祭礼が開かれ、境内にある大鷲神社付近では縁起物である熊手が売り出されています。
そもそも酉の市とは
酉の市とは酉の寺、鷲神社、大鳥神社など鷲や鳥に因んだ寺社の年中行事として関東を中心として開かれている祭礼です。
毎年11月にある酉の日に例年開催される行事となっています。
酉の市の起源としては、由来については、神道と仏教で異なる説が存在します。
神道においては、武運長久や商売繁盛、開運の神である日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東夷を征伐した際の戦勝祈願を現在の埼玉県久喜市にある鷲宮神社で行ったとされ、社前の松に熊手をかけて礼参りをした日が11月の酉の日であったので、この日を祭りの日にしたと言われています。
仏教での起源は、鷲妙見大菩薩(わしみょうけんだいぼさつ)の開帳日に立てた市が酉の市とされています。1265年11月の酉の日、日蓮が現在の千葉県茂原市にある小早川家に滞在していた時、国の平穏を祈ると金星が輝き、鷲妙見大菩薩が鷲の背に乗って現れたと言われています。以来、浅草の長國寺は11月では酉の日に鷲妙見大菩薩が開帳されるようになったそうです。
酉の市では装飾された熊手を売ることが通例とされているのですが、これは酉の市が始まった当初は農具としてクワや熊手が売られていたことが由来になっています。
なお「酉の日」は干支に由来する呼び方なので、酉に該当する日付は毎年異なっています。つまり、酉の市が開かれる日も毎年変わるということは、注意すべきポイントです。
酉の市は例年2~3回開かれることが一般的ですが、3回目となる「三の酉」がある年は火事が起こりやすいという俗説があります。
日付と時間
大國魂神社における酉の市は以下の日程で開催されます。
一の酉 11月 2日(月)
二の酉 11月14日(土)
三の酉 11月26日(木)
★本年は新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、露店の出店は熊手商以外は自粛頂くこととなりました。
また閉門時刻も例年より早い午後9時までとなりますのでご注意ください。
(公式HPより引用)
開門時間
6:00~21:00
熊手市
9:00~21:00(各店により異なります)
アクセス
【電車】
京王線 府中駅南口から徒歩5分
JR南武線・武蔵野線 府中本町駅から徒歩5分
【車】
新宿方面より 中央自動車道・稲城ICから府中市外方面に約10分
八王子方面より 中央自動車道・府中スマートICから府中市街方面へ約10分
混雑情報
大國魂神社における酉の市は、2018年には夕方から夜にかけて非常に混雑していたという情報があります。
2019年の酉の市でも、夕方からは熊手市、屋台ともに人が集中することが見込まれます。
アクセス経路となる電車、高速道路なども混雑が予想されます。
大國魂神社には参拝者用の無料駐車場がありますが、満車である場合は付近の有料駐車場を利用する必要があります。
特に自動車でお越しになる方は、夕方からのピーク前に来場することをおすすめします。
府中・大國魂神社の酉の市の特徴
明日は府中市の大國魂神社の酉の市の最終日ですね!暇だったら行くかなぁ〜✨✨ pic.twitter.com/XQqOSwuw5L
— 福新 (@fukudaeazy) November 24, 2018
大國魂神社で開かれる酉の市は「関東三大酉の市」の一角とされています。具体的にはどういった特徴があるかをご紹介します。
広大な境内!落ち着いた雰囲気の酉の市
大國魂神社の酉の市は「関東三大酉の市」に含まれ、浅草の鷲神社、新宿の花園神社と比較しても敷地面積が大きく、東京都内にある大鳥神社、鷲神社の中でも最大級とされます。
酉の市は非常に賑やかな印象がある祭礼ですが、大國魂神社で開かれる酉の市は比較的落ち着いて過ごしやすくなっています。熊手市がある参道付近や屋台周辺はもちろん賑やかですが、少し距離を置くと落ち着ける場所が確保されています。
150もの屋台や出店がずらり!食欲の秋を楽しもう
大國魂神社で開かれる酉の市では、150店におよぶ屋台と出店が一番の特徴です。酉の市当日は、境内に入る大鳥居付近から突き当たりにある拝殿近くにまで、一直線に屋台や出店が並びます。
お祭りでイメージされる食べ物はほとんど揃いますので、11月に食欲の秋が満たされます楽しめます。
府中・大國魂神社の酉の市の見どころ
11月13日は酉の市の2番目「二の酉」が大國魂神社で開催されるよ。夜は境内に飾られた提灯に明かりがついて、きれいで良い雰囲気なんだ~🏮熊手を買ってくれた方への、開運を祈願する手拍子と威勢の良い掛け声も見どころだよ👏詳しくは府中観光協会のHPを見てね👉https://t.co/k6rDbAV1IR#ちはやふる pic.twitter.com/sxqd8Z7LcN
— 府中観光協会 (@fuchukankoukyo1) November 12, 2018
屋台と熊手市以外にも、大國魂神社の酉の市には見るべき場所、知っておきたい知識があります。
武蔵国の総社!参拝して大きな御利益をいただこう
大國魂神社は、現在の東京都、神奈川県、埼玉県に位置していた「武蔵国」の総社となっています。つまり、大國魂神社を参拝することによって、武蔵国にある神社の多くを参拝したという扱いになります。
総社という考え方は、古代の日本における国司という行政官が領地内の神社を一から巡礼する慣習を非効率として、すぐに巡礼を済ませられるように設けられたという背景があります。
したがって、東京、神奈川、埼玉に縁がある神社を持つ方は、大國魂神社に参拝することで一都二県の神社の多くを参拝したほどの多大な御利益をいただけるということです。酉の市に訪れた時には、忘れずに参拝をすることをおすすめします。
全長500m!馬場大門のケヤキ並木を歩こう
大國魂神社の参道では、全長500mにわたる「馬場大門のケヤキ並木」を見ることができます。国指定の天然記念物とされており、ケヤキ並木としては国内で唯一となっています。現存しているものでは、樹齢約600年に及ぶ樹木もあるようです。
ケヤキの並木道は京王線府中駅近くから大國魂神社に向かって続いています。普段は一般道となっていますが、ケヤキに囲まれた道路は大國魂神社の参道となっています。日・祝日は車道を歩けるように交通規制がされており、並木道を真下から見ることができます。
広大な大國魂神社で酉の市を満喫しよう
大國魂神社は関東圏にある鷲神社、大鳥神社の中で最大級の敷地面積を持つ神社であり、酉の市が開かれる当日は大規模な熊手市と150店におよぶ屋台が出店されます。
2019年における大國魂神社の酉の市は、11月2日、同月14日、26日に開催されます。今年は新型コロナウイルス蔓延の影響で内容を変更し、関係者の健康管理・感染防止対策に万全を期しながらの開催になりますが、お仕事や学校の帰りでも大國魂神社に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。