2021年2月13~14日、秋田県大館市にて、400年の伝統を誇る「大館アメッコ市」が開かれました。
コロナ禍でも伝統を絶やさない冬の行事に、市民の笑顔が溢れていました。
忠犬ハチ公生誕の地!比内地鶏が名産の街
大館市は秋田犬の産地として知られる秋田県北部の街。
渋谷駅前で、急逝した飼い主を10年待ち続けた「ハチ公」の出身地です。
大館駅の改札口へは、秋田犬の足跡があります(^-^)
駅前では秋田犬の銅像がお出迎え
大館市は、日本三大地鶏の一角である”比内地鶏”の産地であり、それを活かした名物駅弁”鶏めし”が有名です。
駅のニューデイズでも販売していますが、駅向かいの花善さんに行くと確実に買えます!
食事処では、弁当以外のメニューも味わう事が出来ます。
市内には唐揚げ専門店がいくつかあります。
お店を巡って食べ比べをするのも楽しいですよ!間違いなく美味しい!
400年の伝統、大館アメッコ市
大館アメッコ市は、400 年以上前の天正年間(1573~1591)、大館城下に開かれた「市」で始まったと言い伝えられ、近くの山に祀られる「白髭大神」が飴を買いに来たという伝説があります。
農家が旧正月の行事として豊作を祈願する為、ミズキの枝にアメを付け、稲穂の代わりに神前に供えるようになったものが起源のようです。
アメを作って食べていたのは農家のみでしたが、農家以外の人も、健康と幸福を願いこの日にアメを食べるようになり、その為のアメを農家の主婦が町で売るようになったのが、アメッコ市の始まりと伝えられています。
現在では毎年2月第2週の土日に大町通りで開催されており、歩行者天国にした通りには、色とりどりのアメが飾られたミズキの木が並びます。
このお祭りの日に飴を食べると風邪をひかないと言われており、縁起の良い飴を買い求めるお客様が、例年であれば県内外からたくさん訪れ、大町通りを埋め尽くします。今年は縮小開催の為、混雑はそれほどではありませんでした。出店数は例年の半分以下に減らし、飲食物は全て持ち帰りとし、場内での飲食は禁止。会場への入口にはゲートを設けて検温を実施。手の消毒を済ませてから入場と、感染症対策を万全に施しての開催でした。
縁起物である達磨や鯉の絵馬も飾られます。
お願いごとの短冊も微笑ましい。
お祭りの終盤になると、ミズキの枝の切り売りが始まります。
枝の大きさに応じて、五百~数千円で販売されます。
ミズキの木自体の原価が数万円なので、出血大サービスです(^_^;)
最後は全て切り落とされ、祭りは終わりを迎えます。
雪に映える、冬花火の打ち上げ!
今年は、秋田県が観光支援策として県内4カ所で行った”とことん冬の秋田を旅しよう”キャンペーンの一角として、お祭り期間中の土曜夜に、市街の河川敷で花火が打ち上げられました。
打ち上げ担当は、大曲の花火で数々の受賞歴がある、大仙市の㈱和火屋さんです。
和火屋さん独特の中間色パステルが、雪面に映えて美しかったです!
今回の花火は、「大館市」とは別に「秋田県」が行った事業であり、今年限りの特別なイベントでした。
花火を見ていた近所の人に感想を伺ったところ、
「今年は夏の花火もみんな中止で寂しかったので、久しぶりにいいものが見れて嬉しかった!」
と、喜んでいるようでした。
コロナ禍でも伝統を絶やさない
コロナ禍の逆風に負けず、縮小という形に変えて開催に漕ぎつけた経緯を、
大館市観光協会 専務理事である、畠山 喜満氏にお伺いしました。
「例年であれば、県南や仙台からも業者を呼んでいるが、今年は大館周辺の業者のみで行った。大々的なPRは一切行わず、イベントも中止。なので、例年よりも人は全然少ない。国のガイドラインに従って、こうゆう手立てをすれば祭りをやれるんだという事を”大館モデル”として示し、その為に何をどうすればお祭りを出来るんだと、策を講じて開催できた事が良かった。来年は、例年通り盛大にやります。」
冬のお祭りが軒並み中止になる中、工夫を凝らして、伝統を絶やさない姿勢に感銘を受けました。
ミズキの木々に飾られた鮮やかな飴の実は、
雪に閉ざさた北東北に、ひと足早い春景色を出現させたようでした。