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京都【大原八朔祭】菅笠に絣!声だけの道念音頭

2020/8/27
2020/8/27
京都【大原八朔祭】菅笠に絣!声だけの道念音頭

◆京都大原

京都大原三千院」で名高い大原。
京都駅からバスに乗り約1時間走ると、静かな里山風景が広がります。
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2020年8月27日 編集部更新)

大原には「おつう伝説」や、節分の夜に人を襲う大蛇から逃げた村民たちが「大原雑魚寝」をしたという吉井勇の歌集井原西鶴好色一代男」、俳句の季語の場所となった江文(えぶみ)神社と文学で有名な場所もあります。

今回はこの江文神社で毎年9月1日に近い土曜日に行われる、大原八朔祭「大原八朔踊」をレポートいたします!

◆大原郷八ヶ村の総氏神(そううじがみ)「江文(えぶみ)神社」

駒札抜粋

古くは江文山とも称した金毘羅山の頂上で朝日の一番早く当たるところに祀られていた神々を平安時代末期に山麓に社を建造し、鎮座願った。
この神々は大原八郷の産土社(うぶすな)で、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)を主祭神とし、両脇殿に級長津彦神(しなつひこのみこと)軻遇突智神(かぐつちのかみ)ほかを祀る。
金毘羅山は古来神体山として祟められており、当社はその麓社として創祀されたと考えられる。

この五穀豊穣の神・倉稲魂命に豊作祈願をするのが「大原八朔踊」です。

江文神社の鳥居の奥には苔むした階段があり、
東山嵐山花灯路で使われている、おなじみの灯籠が足下を照らします。

夕方からは地元の子供達による盆踊りが行われ、境内の一角では地元の人たちによる屋台もあります。

京都駅からたった1時間ほどの場所なのに神社の周りは畑か住宅地でとても静か。
提灯の灯りに彩られた境内では子供たちが追いかけっこをしている笑い声と太鼓の音だけが響き渡りまする。
お祭りはほとんど氏子地域の町内の人だけが来ている印象です。


写真:拝殿の壁には桝と斗棒や絵馬が奉納されている

◆菅笠に絣!豊作祈願の踊り「大原八朔踊」

大原の伝統芸能であり、京都市登録無形文化財にも登録されている「大原八朔踊」。

19:30過ぎにいよいよ「八朔祭」がはじまります!

階段の下に集まった町内の人々は先頭から、音頭取り→来迎院勝林院→草生・井出→上野・野村→大長瀬・戸寺(※全て京都市左京区の地名)の順で並び、列を整えます。

足下の灯籠が消されると、さっきまで走り回っていた子供たちも静かになり、
「高張提灯(たかはりちょうちん・竿の先に高く吊るした提灯)」の灯だけに。

暗闇の中、音頭取りが「ヤートコセ」を謡いながら、提灯を持った人々が階段をゆっくりとのぼりはじめます。

※暗闇のため、ノイズ、ピンぼけ有ですが、唄声と提灯の雰囲気が幻想的です!

境内では「しょんないが」を謡い、提灯の周ります。

境内を回ったあとは拝殿に向かい、「高張提灯」をそれぞれの町内の場所に設置。

提灯を置いたあとは正殿にお参りがはじまります。

そして音頭取りの一番手がやぐらに入り、「道念音頭(どうねんおどり)」が開始!
「小提灯」を持った町内の担当者が、やぐらの周りを囲みます。

◆楽器を使わず声だけで踊る!「道念音頭(どうねんおんど)」

独特のリズムと声だけの「道念音頭(どうねんおんど)」。
楽器はなく声だけというのが、さすが大原声明の地と感じます。

演目は大原ゆかりの「大原踊」「黒木踊」「小野霞の踊」、
京都の川の名前を謡う「川川づくし」、
他に「都名所」「紅葉名所」などの唄が伝承されています

踊るのは菅笠(すげがさ)に藍染めの絣(かすり)の着物を着た男たちと、大原女姿の女性たち。

この素朴な祭の光景を見ていると、頭に薪を載せて歩く大原女まつり時代行列や、
切り紙の灯籠が美しい八瀬赦免地踊(やせ しゃめんち おどり)を思い出す。

大原には時が止まったような原風景の祭がそっと残っていました。

◆大原八朔祭 大原八朔踊 スケジュール

毎年9月1日に近い土曜日 大原八朔祭 大原八朔踊

12:30 お湯立て
13:30 神事(儀式)
夕方から地元の子供達による盆踊り
19:30 八朔祭
21:00頃 終了

江文神社(えぶみじんじゃ)Ebumi jinja Shrine

〒601-1247 京都市左京区大原野村町643
075-744-3176

京都バス 京都駅 発「大原」行き 「戸寺」下車 徒歩20分
※帰りは1時間に一本、21:00頃が最終のため注意。
乗り遅れた場合は徒歩で叡山電鉄「八瀬比叡山口駅」まで歩きます。
※境内は携帯が通じづらいため、地図や時刻表はなるべく事前に用意することをオススメします。

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