花火系散歩屋のおーわです。
国内屈指の「花火のまち」こと秋田県大仙市では年間を通じてたくさんの花火が打ち上がります。
中でも8月の最終土曜日に開催される全国花火競技大会は日本三大花火大会の一つにも称され、花火競技において優秀な成績を収めた業者に対して内閣総理大臣賞が授与される格式高いものとなっています。
本来であれば2020年8月29日に第94回大会が開催される予定でしたが、新型コロナウィルス感染症の影響により来年へ延期に…。
8月最終土曜日の大曲の地で花火が見られない…そう思われていた当日の夜、競技大会を彷彿されるようなサプライズ花火が打ち上げられました。
秋田県大仙市と花火の深い関係
秋田県大仙市は秋田県南東部に位置する人口約7.5万人の市で、花火を観光資源とした街づくりが行われています。
その花火に対する力の入れ方はかなりのもので、中心市街地にあたる大曲地区では街の至るところで花火の存在を感じることができます。
花火といえば一般的に「夏の風物詩」というイメージがありますが、大仙市ではほぼ毎月のように花火が打ち上げられています。
さらに市内には5つの花火業者(一つの自治体としては日本最多)があり、花火の開発・生産も盛んに行われています。
以上のように、大仙市という街はまさに花火づくしな街なのです。
8月最終土曜日は全国花火競技大会だが…
毎月のように花火が打ち上がる大仙市ですが、その中でも最も大きいイベントが毎年8月最終土曜日に雄物川河川敷で開催される全国花火競技大会です。
1910年(明治43年)に諏訪神社の祭典の余興として開催された「奥羽六県煙火共進会」に始まり、今日に至るまで100年以上続く歴史ある花火となっています。
メインとなる花火競技では、昼花火(5号玉5発)と夜花火(10号玉2発、創造花火)を通じて全国から選ばれた28の花火業者によってその技が競い合われます。最も優秀な成績を収めた者には内閣総理大臣賞が授与されるなど、大変に格式高いものとなっています。
当初の予定では2020年8月29日に第94回大会が開催されるはずでしたが、新型コロナウィルス感染症の影響により2021年8月28日に開催が延期されることが発表されました。
2019年のレポート記事「大曲の花火、令和最初の内閣総理大臣賞は茨城県の野村花火工業!表彰式まで潜入レポート!」はこちら
まさにミニ花火競技会!大曲で超絶サプライズ花火が打ち上がる
日本屈指の「花火のまち」に伝統の花火が打ち上がらないことが決まった2020年8月29日。
一人の花火ファンとして現地の様子がどうしても気になり、感染症対策を施しつつ、ぶらりと大曲の街を訪れてみることに。
乗客がまばらな列車、静寂に包まれた駅前と商店街…僕が知っている大曲とはおおよそかけ離れた現実を突きつけられながらメイン会場へと向かいます。
現地に到着すると、花火大会でよく見るテントやトラックがちらほら…。
なんと、現地では花火の打ち上げに向けた準備が進められていたのです。
実はこの雄物川河川敷ではコロナ禍の終息や全ての人への希望の光となることを願うべく、5月から6月にかけて「明日への光」と題した花火の打ち上げが行われてきましたが、今回のサプライズ花火もまたその一環で行われるものでした。
>> 大曲の花火(大曲の花火実行委員会) | Facebook
諸々の準備を整えたところで、メイン会場を俯瞰してみます。
例年たくさんの人でごった返す雄物川河川敷ですが、この日は人出もまばら…河川敷の地面がこれでもかというほどに露出する光景に驚きと寂しさを感じつつ花火の打ち上げを待ちます。
そして20:00頃より打ち上げ開始!
「花火のまち」の本気を感じさせるスターマインで華々しく幕開けします。
全国花火競技大会の見どころはその名の通り花火競技となりますが、今回のサプライズ花火では競技に出場予定だった28社が製作した10号玉(芯入割物もしくは自由玉)が前半と後半に分けて打ち上げられました。
各社が製作した渾身の10号玉が夜空に咲く様子は実に見事なものです。
10号玉の打ち上げの合間には余興の花火も。
全国花火競技大会で打ち上げられる余興の花火の中でも特に豪華な「大会提供花火」を彷彿させるような見事な花火…これはもう素晴らしいの一言に尽きます。
そしてサプライズ花火のラストを飾るのは10号玉30連発を含むスターマイン。
スターマインの中にかわいらしい型物花火が入るなど、凝ったシーンも見受けられました。
全国花火競技大会で忘れてはならないのが終了後に行われるエール交換!
ラストのエール交換☺️
ここまでが大曲の花火です🎆来年は会場中に「満点の星」が広がることを願いたいものですね。 pic.twitter.com/w5mx5YLhMW
— おーわ (@mof_mof08) September 13, 2020
今回のサプライズ花火の場においても花火師さんとの光のやり取りが行われていました。
打ち上げ時間は約30分程度と短いものでしたが、まさに「ミニ花火競技大会」というべく大変に素晴らしいものでした。
まとめ
秋田県大仙市の大曲地区で開催されたサプライズ花火。
打ち上げ時間は短いながら、その内容は全国花火競技大会を彷彿させる素晴らしいものとなりました。
コロナ禍が続く昨今ですが、2020年10月10日に大曲の花火-秋の章-の開催が発表されるなど明るいニュースも増えつつあります。
今回のサプライズ花火が大仙市をはじめ日本各地に希望を与える「光」となることを願う次第です。
最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m