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大立山まつり「奈良ちとせ祝ぐ寿ぐまつり」オンラインで鬼や獅子舞!奈良のお祭り大集合

2022/4/5
2022/4/5
大立山まつり「奈良ちとせ祝ぐ寿ぐまつり」オンラインで鬼や獅子舞!奈良のお祭り大集合

みなさん、こんにちは!吉野アンバサダーの佐々木です。

この記事で紹介する「大立山まつり」は奈良のお祭りが大集合して、さらに美味しい奈良の食事を食べられるという最高のイベント。今回は桜の名所「吉野山」から鬼が出演します。

2022年は昨年に引き続きコロナ禍のため、無観客でのオンライン配信に変更になりました。

写真:「天地雅楽」による演奏と「御斎会」のセレモニー

オンライン配信は奈良県コンベンションセンターより2022年1月22日(土)・23日(日)の11:00-18:00に行われましたが、密を避けるため、1日通しでの取材は禁止。
なんとオマツリジャパン以外の取材は新聞社が数社のみ!という、なかなか見ることのできない現場に入れていただきました。

この記事では吉野町の鬼踊りと、なら瑠璃絵にも出演されていた御杖村(みつえむら)の獅子舞の様子をお届けいたします。

写真:テレビカメラが3台もある!この前で演舞をするとは震える…。

大立山まつり「奈良ちとせ祝ぐ寿ぐまつり」奈良のお祭り大集合!

大立山まつりは2016年に始まった巨大な文化イベント。「時代・場所・世代を“越えた”奈良の魅力を満喫しよう」を合言葉に、奈良県内の食文化や伝統行催事が一堂に会します。

実行委員会会長の海龍王寺 石川重元住職に概要や見どころについてお話をお伺いしました。

石川住職「大立山まつりは冬の奈良に足を運んでもらおうと奈良の歴史、文化の魅力をつめこんだお祭りです。
奈良県内には、その年の風物詩を人形で表現してその地域内で披露する立山という伝統行事があります。この行事を引いて、大きな四天王の立山(大立山)をつくり、会場のシンボルに仕立てたようです。(各地域の立山も展示しています。)」

場所が平城宮で行われた2019年には「平城宮という場所の文脈にのっとったお祭りにしようと、称徳天皇を軸にして考えました。
冠などのアクセサリーや衣装の復元を前・奈良文化財研究所(現・龍谷大学教授)の杉山洋先生に監修していただきできる限り再現しています。」

写真:平城宮での御斎会 2020年撮影

古代の正月行事「御斎会(ごさいえ)」を再現

大立山まつりでは美しい称徳天皇による「御斎会」をモチーフにしたセレモニーが行われます。

この天平装束は遣唐使がもたらした唐(中国)の最新ファッション。

称徳天皇は金の礼冠に白い礼服をお召しになり、うやうやしく登場します。背中には天皇にとっても大切だったという北斗七星の刺繍。その隣で翳(さしば)を持っているのは高位の命婦(みょうぶ)です。

この御斎会では天皇からの任命の印として節刀が捧げられます。これは「国家安泰」「五穀豊穣」「疫病退散」などへ祈りを捧げた儀式です。

鬼が踊る!「吉野町 世界遺産 金峯山寺 節分会 鬼踊り」

オンライン配信で一番人気だったのは桜の名所「吉野山」よりやってきた節分の鬼。

世界遺産 金峯山寺の節分は「福は内、鬼も内」と唱え、鬼の調伏式では全国から追いやられた鬼を迎え入れ、良い鬼に改心させます。
大立山まつりではこの「鬼おどり」を披露!

まずはドンドンと太鼓の音が響き、次に「鬼が来るぞ〜!」という声が聞こえてきます。
法螺貝の音は鬼たちが飛び回るときの風を切る音、太鼓の音は鬼の足音を表します。

足を踏み鳴らした鬼が軽快にくるりと回る。
私は2年前に大立山まつりで、この鬼おどりを見て「吉野山での節分行事を見てみたい」と思い、実際に行くきっかけになりました。

写真:鬼の夜会

しかも調べてみると「吉野山in鬼フェス」と、なんとも楽しそうなイベントがあるではないですか!

その中で行われる「鬼の夜会」では大和神社、興福寺、金峯山寺、大安寺、朝護孫子寺、長谷寺など、個性豊かな鬼たちが金峯山寺に集合します。

宿にも鬼が現れる!!!とわかり、泊まりで行くことに。
おかげで節分はめっちゃ楽しかった…。それもまたご縁となり、吉野アンバサダーにまでなってしまいました。

桜だけではなく、冬の吉野山でゆっくり過ごすのも良いですよ。

※コロナにより一部変更の可能性あり

古風な御杖村の獅子舞

御杖村(みつえむら)は奈良県と三重県との県境にあります。夏は「ほたる鑑賞会」、冬は「三峰山霧氷まつり」や冬山登山が人気です。

 

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御杖村からは桃俣地区(もものまた)の春日神社「桃俣獅子舞保存会」と、菅野地区の四社神社「菅野の獅子舞」が大立山まつりに参加しています。今回のオンライン配信では桃俣獅子舞保存会の獅子舞が舞台に立ちました。

御杖村に伝わる桃俣獅子舞は、伊勢大神楽の流れをくむ獅子舞が隣の曽爾村から伝わったと言われています。300年の歴史を持つ「曽爾の獅子舞」は大和東部地域の山間部から伊賀地方に広がっていったという伊勢太神楽(いせだいかぐら)の流れを組んだ獅子舞です。

 

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今回のオンライン配信では桃俣獅子舞保存会の獅子舞が舞台に立ちました。特徴は一言でいうと古風。昔の体の使い方をする、昔ながらの獅子舞です。

「15歳になると村を出て行ってしまう」少子化の進む田舎で文化を繋ぐ難しさ

桃俣のみなさんにお話しを伺うと「地元の仕事は役所や農協くらいしかないため、15歳になるとみんな村を出て行ってしまうという。」というお話しを聞きました。

昔は祭りがコミュニケーションであり、楽しみでした。けれど今は楽しいことはたくさんある。
獅子舞の文化を途絶えさせたくないと思うものの、まず継いでくれる人がいない。
獅子舞の練習をはじめたとしても一人前になるまでは4、5年はかかる…。

村人たちが困っていたところ、太神楽曲芸の豊来家玉之助さんとの出会いでお祭りが変わっていきます。

写真:昔ながらの手作りの篠笛。竹に穴を開け、自分専用の笛を使う。

〜獅子舞が繋ぐ縁〜 関係人口が増え、現代にあった活動に

豊来家玉之助さんが中心となり、「獅子舞ができるようになった人を地域に戻せるように」と、御杖村のように過疎化で人手がないところや、獅子舞自体がない地域から人を集めて「韓園講(からそのこう)」というチームで獅子舞をしています。メンバーは桃俣獅子舞保存会をはじめ、大阪や神戸の奉舞会、西宮若えびす獅子舞保存会。この講にはSNSから問い合わせをして、誰でも気軽に公開練習へ参加することができます。

写真:桃俣獅子舞保存会 「なら瑠璃絵」にも出演

こうして村人たちだけでは難しかった文化継承が、他の地域の人を巻き込むことで、村の祭りだけではなく、今では獅子舞の出張で他県まで行くようになりました。

桃俣獅子舞保存会の方にお話しを伺うと、腰を落として厳しい姿勢で舞うという獅子舞の基本的な部分は変わらないけれど、これからも長く続けられるように、少しずつ時代に沿って変化しているそうです。例えばコロナ対策として獅子頭は毎回、消毒。獅子舞の後ろ足の役の人は換気のため胴幕の中に入らないようにしています。そしてマスクのような前垂れも何か神秘的な雰囲気を感じます。このように誰もが安心して舞えるための工夫がされていました。

獅子舞の演目解説

桃俣獅子舞保存会に伝わる曲は「宮参り」「剣」「荒神祓い(こうじんばらい)くずし」「新短(しんたん)」「長神楽(ちょうかぐら)」「中村」「参神楽」「荒回し剣」「背継(せつぎ)」「伊勢道中歌」があります。

今回は鈴や剣で場を清め、天狗も出てきて最後は祝い唄を歌う、という構成で披露されました。
まずは鈴と御幣(ごへい)で場を祓い清め、鈴で福を招く曲からはじまります。

「宮参り」
祭りが始まる事を告げる舞。

「参神楽」
宮参りよりも難しい手。

「剣」
剣で四方の邪を祓います。

「荒回し剣」
眠る獅子を天狗が目覚めさせる曲。

「伊勢道中唄」
桃俣地区では獅子舞の後に歌われる祝い唄が最後に披露されました。

桃俣伊勢道中唄 歌詞
「〽️はーよーほいなー
お伊勢参りして ハヨイヨーイ  扇を拾うた ヨーイセーコーリャセー
扇めでたや よーほい御一同さんよ 末繁盛よ
ホンマカヤーットーコーセーエー ヨーイーヤーナー
アレワイセーコレワイセー ソーリャーヨーイートセー」

 

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きっと昔はお酒を酌み交わしながら、祭りを楽しんでいたのだろうというのが目に浮かびます。

毎年10月体育の日の前日に春日神社で行われる秋まつりでの獅子舞の奉納を見てみたくなりました。

リアルタイムの視聴数が大立山まつりの中で二位という大人気の舞台。
人の繋がりが感じられる温かな現場でした。

大立山まつり「奈良ちとせ祝ぐ寿ぐまつり」

TEL:0742-27-8974 奈良県冬季誘客イベント「大立山まつり」実行委員会
https://hoguhogunara.jp/
※年度によって内容は変動の可能性がございます。

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