目次
「大悲殿」、「不動尊」、「布袋尊」の文字が記される御朱印
全国各地の神社や寺院では参詣の記念に御朱印を頂くことができます。朱印帳に訪れた神社や寺院の御朱印が並ぶと、貴重な思い出となり写真とは趣の異なる味わいが滲み出てくるものでしょう。名古屋市に堂宇を構える大須観音では、通常3種類の御朱印が頒布されています。各々の紙面の中央にはご本尊の「大悲殿」、境内で祀られる「不動尊」、「布袋尊」の文字が記されます。
大須観音では本堂の東面に設けられた寺務所で御朱印を頂くことができます。受付にはオリジナルの御朱印帳も準備されています。
お守りなどの授与品は、本堂内の授与所に並んでいます。
12世紀を起源とする日本三大観音の一つ
大須観音は、12世紀に岐阜県羽島市に建立された中島観音が起源と伝えられています。戦国時代には織田信長が手厚く保護し、1612年には名古屋を整備する徳川家康によって現在の地に移されました。北野山真福寺宝生院を寺号とし、浅草観音、津観音とともに日本三大観音の一つに数えられています。ご本尊の聖観音を奉る「大悲殿」の本堂は、創建後2度の火災に見舞われ、1970年に再建されたものです。
本堂の西には十二支、干支の守り本尊を奉る普門殿が建立されています。また本堂前には、1966年に女性のみの寄進によって女人梵鐘の銘のもとに鐘楼堂が設置されました。
一年を通して開催される多種多様の年中行事
大須観音では、一年を通して多種多様の年中行事が開催されています。大正琴の発祥地を記念する大正琴碑の前では9月に「大正琴大祭」、人形塚を中心に10月に「人形供養祭」、扇塚では11月に「扇供養祭」が行われます。
バラエティー豊富な行事の中でも最も人気があるのが、例年7月下旬~8月上旬の土日の2日間に開催される「大須夏まつり」です。大須観音の境内では盆踊りや花火大会が行われます。
「大須夏まつり」にはパレードが行われる大須商店街の「名古屋めし」や土産物
「大須夏まつり」の会場は大須観音の境内から、若宮大通、伏見通、大須通、南大津通の4つの通りに囲まれる大須商店街に広がります。特に仁王門から東に向かう仁王門通、本堂から東に向かう観音通では、サンバやコスプレ、阿波踊りなどのパレードが練り歩きます。
「大須夏まつり」の開催日には大須商店街は大勢の人々で溢れますが、普段の日でも人波が絶えません。観音通の西入口付近には、「昔の矢場とん」が2020年にオープンしました。「矢場とん」は1947年に南大津通四丁目電停前での創業以来、名古屋を中心に全国に22の店舗展開し、「名古屋めし」の「みそかつ」を全国に広めています。
仁王門通には、名古屋の代表的な土産物の「ういろう」の専門店が軒を連ねています。大須観音の参拝前後には名古屋名物のご当地グルメや土産物のショッピングをすることができるのです。
名古屋市の大須観音では、3種類の御朱印が常に頒布されています。12世紀を起源とすると伝えられる寺院は、日本三大観音の一つに数えられています。一年を通して多種多様の年中行事が開催され、最も規模の大きな「大須夏まつり」では、境内ばかりでなく周辺の大須商店街もオマツリ会場となります。