天界に咲く花という意味をもつ曼珠沙華
初秋に細い花びらを放射状に開く曼殊沙華は、サンスクリット語で天界に咲く花という意味をもっています。幸運の兆しが天から赤い花に降りてくると言われることもあります。埼玉県幸手市の権現堂公園の桜堤は例年9月中旬から10月上旬にかけて、曼殊沙華の赤い花で覆われ、「幸手曼珠沙華まつり」が開催されています。2019年には9月14日~10月8日に実施されましたが、2020年は新型コロナウイルス感染防止のためイベントは中止となりましたが、10月10日前後まで秋の訪れを感じながら散策をすることができます。
初秋に権現堂公園を彩る曼珠沙華
埼玉県幸手市の北部を流れる中川沿いに、権現堂公園が整備されています。堤防は一年を通じて季節の花で彩られます。権現堂公園で夏の暑さが和らぎ涼しい風とともに姿を現すのが、彼岸花とも呼ばれる曼殊沙華です。駐車場で車を降りると同時に、真赤に染まる土手の姿が目に飛び込んできます。
360度のパノラマで真赤な花が取り囲む堤防の中央
権現堂公園には川沿いに約1キロの堤防が作られています。その中央部は幅が広く小さな公園のようです。この公園からは360度のパノラマで真赤な花が取り囲みます。土手下の水路の両側も曼殊沙華が平行に整列しています。
権現堂公園には2000年から市民ボランティアが、曼殊沙華を育てるようになりました。土手道の左右は、端から端まで曼殊沙華の花のラインが繋がります。足元に咲く曼殊沙華の花には愛らしさが満ち溢れます。
真赤な絨毯を敷き詰めたような堤防の斜面
土手道に一列に並ぶ花には規律正しさも感じられるものですが、左右の斜面も隙間なく曼殊沙華の花が埋め尽くします。園内には約500万本もの曼殊沙華が一斉に花を咲かせるのです。見渡す限りを真赤に染まる景観は、まるで絨毯を敷き詰めたようです。
堤防の斜面には川側にも市街地側にも数か所、階段が設けられているので、真赤な絨毯を様々な角度から眺めることができます。
公園中央に常設される峠の茶屋では、自家製の焼きたてパンやソフトクリーム、地元の物産を販売しています。またトイレも峠の茶屋や駐車場付近に数か所設置されているので、長時間散策をしても安心です。
季節の移り変わりを知らせる権現堂公園
権現堂公園は初秋には曼殊沙華の真赤な花で埋め尽くされますが、初春には桜と菜の花、初夏にはアジサイが季節の移り変わりを知らせてくれます。中川沿いは一年を通して、季節の彩りで溢れるのです。
埼玉県幸手市の北部を流れる中川沿いの権現堂公園は、例年9月中旬から10月上旬にかけて真赤な花で覆われます。約1キロの堤防が約500万本の曼殊沙華で隙間なく彩られるのです。