静岡・清水のお祭り
静岡県の県庁所在地、静岡市。市内東部に位置する清水は港町としてよく知られています。また清水の中心である清水港の近くには、東海道で日本橋から18番目の宿場町「江尻宿」が整備され、旅人たちの拠点にもなっていました。この清水で毎年12月15、16日の二日間に渡り開催されるお祭りがあります。「清水秋葉山大祭」です!
清水秋葉山大祭が行われる舞台は、秋葉山。そしてその中心にあるのが秋葉山本坊峰本院。真言宗醍醐派のお寺です。戦国時代の1571年(元亀2年)に、当地の武将である天野小四郎景直によって開山されました。”秋葉”と言うと有名なものに都内の地名の秋葉原がありますが、元々は火防の神である秋葉三尺坊大権現やこちらを祀る秋葉神社などが由来です。全国に秋葉神社が存在しますが、特に静岡県はその起源となった秋葉山本宮秋葉神社が浜松市にあり、秋葉信仰の盛んな地域でもあります。
峰本院の建物の側面には”火防”や”火之要慎”と書かれており、火防の信仰の場であることが伝わってきますね。
こちらで年の瀬の12月15、16日に開催される清水秋葉山大祭ですが、最終日の16日に現地へとやってきましたので、お祭りの様子をご紹介していきます!
秋葉山が舞台
16日の見どころは、夜に行われる火渡り。例年20時頃に山伏が登場し松明の火が掲げられはじめ、21時頃になると一般の方の火渡りがはじまり、それと同じ頃合いで四方の青竹が倒され笹の葉の取り合いが行われます。なお前日の15日は火消しが纏行列として練り歩くのが見どころです。とその前に、秋葉山のお堂にお参りを済ませましょう!
こちらは秋葉山の中腹にある成田堂。成田山新勝寺から不動明王が勧請されたお堂です。たくさんの方が参拝に並んでいました。
提灯の明かりに照らされた、成田堂の横側も雰囲気がありますね。
続いて成田堂の裏手には、さらに山の上へと登るための階段が。この先の頂上に、秋葉三尺坊大権現が祀られています。
頂上にたどり着きました。風格のある建物ですね。列に続きお参りを行いましょう!
帰りは正面の階段ではなく、横道から帰る一筆書きルートになっていました。そして降りた先に展示されていたのが纏。こちらが一日目には活躍して纏行列を作っていたのですね!
ここで峰本院へも立ち寄り。この先の本堂では薬師如来が祀られています。
火渡りを前に、お線香へも火が灯されていました。
峰本院の前には栄松院があります。20時になると、峰本院と共にこちらからも山伏が登場します。中を見ると準備が進められているご様子。これは楽しみです!
火渡りで厄を落とす
20時を目前に、僧侶の皆さまが外へと出てきました!
山伏が吹く法螺貝の音が響く中、山頂のお堂を目指し行列が進んでいきます。
清水秋葉山大祭、クライマックスへ向け山伏が登場しました!法螺貝の音が清水の街へ響き渡ります!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/Rqh3gOZLE9
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) December 16, 2022
僧侶の皆さまの後ろからは、火消しも続きます!纏を回す姿がかっこいいです。
さあ、階段を上へと進んでいきますよ。
山頂へと進んだ行列は、お堂で儀式を執り行っていきます。その間に成田堂の側を見渡すと、火渡りの舞台が設置されていました!
待つこと数分が経過。松明を手に2名の山伏が山を降りてきます!
点火場へと勢いよく進んでくる山伏。
点火場へと対峙し、火が点けられるのはいよいよです。
さあ火が点けられました!勢いよく燃えていきますよ。
火渡りの場に、山伏によって火が点けられました!#清水秋葉山大祭 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/uurjc5P7vk
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) December 16, 2022
山伏が見守る中、どんどん燃えていきます!
ものすごい火力。近くにいると顔が焼けそうです!
周りでは、多くの方が火を見守っています。近すぎると火の粉を浴びちゃいますのでご注意を!
火が燃え広がったところで、山伏が火をならしていきます。
火の粉が舞い散る中、棒を使い上手にならします。
この間、僧侶の皆さまによって唱え続けられるのは般若心経。独特な雰囲気が辺り一体に広がりますね。
般若心経が唱えられる中、勢いよく火が燃えていきます!#清水秋葉山大祭 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/AcZczDoWAy
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) December 16, 2022
火がならされたところで、火渡りがスタートです!先陣を切るのは僧侶の皆さま。まだ火が燻る中、どんどん進んでいきます!
火渡りがはじまりました!燃え上がる火の中をどんどん渡っていきます!#清水秋葉山大祭 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/2Yk3DPv9WR
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) December 16, 2022
続いて登場したのは、火消しの皆さま。纏を回しながら颯爽と火を渡っていました!
火の中で止まって纏を回すシーンも。これは迫力満点です!
見事な纏回しを、動画でもご覧ください!
なんと、纏を回しながら火渡り披露!#清水秋葉山大祭 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/LjaKcrWRRB
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) December 16, 2022
なんと続いては、芸妓の皆さままで火を渡ります!清水では「しみず芸妓」として今に花街の文化が伝えられています。
関係者の火渡りが終わると、ここからは一般の部のスタート。この日は20時半頃から一般の方も渡れるようになっていました。なお笹の葉の取り合いは今年は行われず、別場所で同時間に福笹の授与がされていました。
一年の厄を落とせると言う火渡り。厄を落として新年を迎えたいですね!ちなみに火渡りで火傷をすると、この一年の行いが悪かったためと言われています。また火傷したことは、身内にも言ってはいけないと言う伝統があるそうですよ。
親子で火渡りをしている方も。これは年の瀬の良い思い出になりそうです!列に並べば火渡りを体験することができますので、ぜひお試しください!
グルメ露店が立ち並ぶ
お祭りにやってきたら、露店のグルメも楽しみたいですよね。参道には、たくさんの露店が立ち並ぶことも清水秋葉山大祭の魅力として知られているんです!
お寺への入口前や、境内へもたくさんの露店が並びます!
お祭りグルメの定番、たこ焼きがありました!もちろん焼きそばやお好み焼きも提供されていましたよ。
珍しいのは、こちらの海鮮焼!港町ならではなものですね。
射的などの遊べる露店も。これは子どもたちが熱中します!
麓の道では歩行者天国となり、かなりの数の露店が並びますので、ぜひお目当てのお店を見つけてみてください!
アクセス
■清水駅まで
・静岡駅よりJR東海道本線で約10分
・三島駅よりJR東海道本線で約50分
・浜松駅よりJR東海道本線で約85分
■清水駅から秋葉山まで
・徒歩で約20分
毎年12月15、16日に開催される清水秋葉山大祭。ぜひ一年の厄を落とし新年を迎える機会に来てみてください!