獅子舞応援団の中川です。
たかが獅子舞!されど獅子舞!
獅子舞と言われて頭に浮かぶのは某芸人か↑こちらの写真のような獅子ではないでしょうか。
あなどるなかれ!八百万の神のいる日本には驚くほどたくさんの種類があるのです。
世界的に見ても日本の獅子舞(的なもの含む)はその種類が豊富なところが特徴的です。
目次
獅子舞ってどんな意味があるの?どうして頭を噛むの?
何故獅子を舞うのか。
数多いる獅子舞演者でそれを答えられる人は多くないと思います。
何故山に登るのか→そこに山があるから
何故神輿を担ぐのか→そこに神輿があるから
何故獅子を舞うのか→祭りだから
それが民間信仰、民俗芸能、伝統芸能。
地域の恒例行事のため、当事者は深く意味を考えることもなく「そういうものだから」参加しているものです。(特に子ども)
とはいえ、意味もなく舞ってるわけではありません。
日本全国種類も多いため、各地域それぞれの意味があるとは思いますが、ざっくりとした通説は「霊獣の力にあやかる」「五穀豊穣を祝う」でしょうか。
舞や歌にその意味が込められているところももちろんあります。
そこから派生して「獅子が頭を噛む」のは霊獣の力により「魔(病気)を払う」「神がつく(噛みつくの駄洒落)」という事で縁起がいいとされ広まったのだと思われますが、「頭が良くなる」は獅子を怖がり嫌がる子どもに大人がわかりやすく「頭が良くなるから噛んでもらいなさい」なんて言ったのではないかなと思います。
「獅子が頭を噛む」起源について面白い話を聞きました。こちらの対談もどうぞ。
▶︎日本の獅子舞 対談
霊獣に噛まれて払われる魔や、頭につく神を想像すると、なんだか微笑ましくて可愛いですね。
獅子はライオンではない??こんなに種類があるの??
獅子舞といえばライオンダンスと英訳されますが、日本の獅子舞の獅子は動物のライオンとは別物です。
「中東にライオンってすげー強い動物がいるらしいよ」
「見たことないけどあやかろうぜ」
そんな感じで中国の架空の霊獣「獅子」と重なったものではないかなと。
また「シシ」とは鹿や猪、熊など食肉となる獣という意味もあります。ジブリの名作にも「シシ神」という鹿のような形をした聖獣が出てきてましたね。
【麒麟】ビールでもお馴染み!
キリンといえば動物園にいる首の長い動物ですが、この麒麟は中国の想像上の動物で、身近なところではキリンビールのラベルに描かれていますね。
鳥取県国府町の麒麟獅子
【鹿】真っ黒ずっしりで迫力◎
鹿といえば茶色のイメージですが、真っ黒な顔でずっしりとした毛も生えています。
岩手県口内町の鹿踊
【猫】迫力の目と牙+不思議な愛嬌♪
可愛い猫というよりは、血走った目に鋭い牙で強そうな化け猫?髭と垂れた耳に憎めない愛嬌があります。
香川県三木町の毛獅子(猫獅子)
【虎】一目でわかるリアルな姿!
他の動物はデフォルメされているのに対し、虎はリアルに虎なのが面白いところです。
香川県無形民俗文化財の虎獅子
他にも神社の狛犬と対になっている獅子、牛や熊、猪、カモシカもいるそうです。
獅子舞が何の動物を模倣しているのか観察するのは、まるで劇団四季のライオンキングやキャッツを観るような味わいがありますよ。
獅子を舞う人数が、200人!?大小様々な獅子舞、それぞれの魅力とは?
獅子舞は地域や獅子舞の種類により、演舞する人数が違います。
1人で獅子を舞うものには、鹿踊りのように舞うだけではなく楽器を扱うものもあります。
2人で獅子を舞うものは頭と前足、尻尾と後足をそれぞれ扱います。前後で息を合わせたアクロバティックな動きをするところもあります。
それ以上に大勢で獅子を扱うものがあります。大きな頭や長い胴のため、多いところは200人で扱うそうです。
香川県三木町の獅子は超巨大!
ひとつの獅子舞にひとつの獅子というわけではないので、何頭ものたくさんの獅子か、巨大な獅子か、多くなればなるほど一体感にドキドキし、少ないほどじっくりと、それぞれ見所が全く違うので規模に関わらず楽しめます。
獅子舞演者は一般人!地域の伝統を受け継ぐ人々はとにかくカッコいい!
民俗芸能・伝統芸能は普段は普通に働いてたり学校に通ってたりする一般の人々が口伝(耳コピ・目コピ)で受け継いでいるところが最もすごいところだと思います。
獅子舞をやってるとなぜかとてもカッコよく見えるものです。
間違いなくイケメン度3割り増し。
第9回獅子舞王国さぬき
香川県で開催された音楽フェスティバルにも出演!
役者でもダンサーでもないのに素晴らしい表現をし、普段楽器なんて触ったことなくても見事な演奏をします。
耳コピ・目コピで暗譜ってなかなかのスペックじゃないですか。
だからこそ地域性があり、味があり、情緒があるので、みんな違ってみんなイイ獅子舞を楽しんでみてはいかがでしょうか。