皆様、おそらく「流しソーメン」はご存知だと思います。一度は体験している方も多いかと。時にはソーメン以外も流れてきたりして…夏の風物詩のひとつだと思います。
が!しかし!今回ご紹介するお祭りは、ソーメン(乾麺)をブンなげるお祭。本当にブン投げるんです!しかも、秋の夜空の下、激しいソーメン争奪戦が巻き起こります!
今回は、珍祭というより、まさに「奇祭」な祭りをご紹介します。
鹿児島県喜界島に伝承される「ソーメンガブー」
そのお祭りは鹿児島県喜界島に伝承されております。
喜界島。鹿児島市から430キロほど南方向にある島です。鹿児島って、実は非常に広い範囲で「鹿児島県」なんですね。
さておき。ソーメンをブン投げるお祭り。
名称は「ソーメンガブー」。
100年以上続く10月頃の行事でして、実は喜界島・中里集落の豊年祭(集落の安全や豊年などを祈願するお祭り)の中の1つの行事。公民館ややぐらの上から投げられた700束(!)ほどの乾ソーメンを奪い合います。その光景は「激しい」の一言に尽きます。
祭りの由来ははっきりしていないのですが、どうやら明治時代に祭のあと集落で料理を振舞っていたのを、青年たちが娯楽としてソーメン(乾麺)を奪い合う形になったのではないか?と言われております。なんでソーメン奪いあったんだろうなあ…謎です。
しかし、きちんとしたお祭り。ルールもあります。
「年寄りにはタックルしないこと」
唯一のルールとして「年寄りにはタックルしないこと」が定められております。これは大事ですね。
あとはもう皆でワチャワチャしながらソーメンを奪い合うだけ!しかも、人が一旦手に入れたソーメンを奪い取ることも許されています。したがって、ソーメンガブーはまさしく激戦!ソーメンを手に入れてホッとしていたら、あっという間に横からブン盗られるという、本当に油断できない緊迫感あふれるお祭りなんです。
その景色について、奄美大島のコミニュティエフエム局「あまみエフエム」さんのサイトに掲載された体験記を引用させてもらいますと、
ヤグラの上から、公民館の屋上からそうめんが投げられる!
↓
そうめんをキャッチ!
↓
キャッチしたい人は、踊る!叫ぶ!!
↓
そうめんが投げられる!
↓
そうめんキャッチ!しようとすると横から奪われる!
↓
そうめん盗まれる!
↓
さらに闘争心が燃える!
出典 :あまみエフエム・ディ!ウェイヴ!「ガブ------!喜界町中里の島遊び」
そこまでして、なぜソーメンをゲットするんだ(汗)という気がしないでもない、それが「ソーメンガブー」。
ちなみに、ソーメンをゲットすると1年間縁起が良いとまで言われております。ソーメンにそこまでの効力があるとは…ソーメンガブー恐るべし。
ソーメンガブー楽しかったー!
取りすぎたわ😙
横山泥棒しすぎ笑 pic.twitter.com/3r9HEsKw7J
— じん (@pmODlM32hhefecG) November 28, 2018
そこまでして奪い合うソーメンですが、実は、喜界島の特産ではないんですよね。本当に純粋に島のお兄さんたちの娯楽として始まったソーメン奪い合い、というのが、素敵です★
個人的にオススメのお祭りです。ぜひソーメンを奪い合ってみてくださいませ♪
※2022年のソーメンガブー(中里集落のシマ遊び)については、喜界町公式サイトの告知ページをご参照ください。