菖蒲湯だけじゃない。いろいろな菖蒲の楽しみ方
強い香りで邪気を払う菖蒲。代表的な楽しみ方は菖蒲湯ですが、そのほかにもたくさんの楽しみ方が存在します。
・菖蒲酒
一つ目は菖蒲酒。刻んだ菖蒲の根を、漬け込んだお酒のことです中国では、健胃や血行促進に効果があるとされ、端午の節句の際には欠かさず楽しまれてきました。作る際はアクが出ないよう、30分程度の浸けで、保存はせず、飲みきってしまうよう気をつけましょう。
・軒菖蒲
菖蒲とよもぎを束ねて、軒下につるしておくこと。中国では火事を防ぐおまじないとされています。よもぎも菖蒲同様、中国では漢方として使われ、強い香りから邪気を払うとされていました。また地方によっては、菖蒲湯によもぎを入れる地方もあるとのこと。入れる場合、よもぎには陣痛作用があることから、妊婦さんは注意が必要です。
端午の節句の今日。軒菖蒲があざやかな京の町。 pic.twitter.com/WtLJPr2FtW
— サンチャイルド (@cafe_dandelion) May 5, 2016
・菖蒲枕
5月5日の前日、つまり4日、寝床や枕の下に菖蒲をしいたり、菖蒲で作った枕で寝たりすることを指します。邪気を払うと信じられ、敷いた菖蒲は、5日に菖蒲湯に使用されます。
また“勝男”とも書ける鰹や、真っすぐに伸びる筍を使った縁起のいいお料理に、彩りとして菖蒲を添えるのもおすすめです。
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まとめ
中国から伝わった当初とはかなり形を変え、浸透した菖蒲湯。しかしその効能は、漢方に裏付けられた確かなものでした。中国とは違うのに、中国に技術に裏付けられている。事実のねじれに、おもわず驚きと、おもしろさを感じてしまいます。当時の日本人はどうにか中国をまねようと必死だったのかもしれません。
また邪気を払う効果に加え、剣の形に似ていることから、日本だけのたくましい男の子に育ってほしいという意味も浸透しています。今年のこどもの日は、効能や祈りを意識しながら菖蒲湯に浸かってみてはいかがでしょうか??