Now Loading...
マツログ

茨城県・大宝の奇祭、タバンカ祭の舞台裏。松明200本はこうして作られる!

茨城県・大宝の奇祭、タバンカ祭の舞台裏。松明200本はこうして作られる!

下妻市の黄金の稲穂を前に「わだば、ハイパー藁クリエイターになる!」と意気込むオマツリジャパン代表・加藤優子。これから藁を束ねて、松明作りを手伝う気満々です。

そう。今回我々オマツリジャパン取材班は、毎年9月中旬に下妻市の大宝八幡宮で行われる「タバンカ祭」の舞台裏を取材し、そして松明づくりに貢献するため、茨城県の下妻市にやってきました。

タバンカ祭とは?

タバンカ祭(松明祭)は、全国でも下妻市の大宝神社のみで見ることができる珍しい火祭りです。詳細は下記の動画をどうぞ。

その起源は1370年、大宝寺別当坊の賢了院でボヤが出た際、剥がした畳と鍋ぶたを使って火を消したという故事を戯曲化したのが始まりとされ、白装束の青年氏子が振り回す松明(たいまつ)の火の粉を浴びると火の災いを免れると言われています。

タバンカ祭が行われる大宝八幡宮とは?

新宿から車で1時間20分。「下妻物語」で有名な茨城県・下妻市に到着。タバンカ祭りが行われる大宝八幡宮に着きました。ちなみに朝4時起き(ね、眠い)。


大宝八幡宮は白鳳時代の大宝元年(701年)に創建された、関東最古の八幡宮です。祭神は写真の絵馬にもあるように、武の神かつ弓矢の神であり、平将門、八幡太郎・源義家、源頼朝といった名だたる武将たちから尊崇されました。今では「大宝」の名前にあやかり、宝くじ祈願で御神威(みいつ)を発揚する神社として全国から参拝を受けています。


実際、大宝八幡宮に高額当選を祈願した企業がロト7で1等八億円を当てた実績もあるとか。大宝八幡宮の敷地内には、寄贈された多くの狛犬がズラリと並んでいるのですが、ひょっとしたらこの中のいくつかは高額当選者による寄贈かもしれない……。

「帰りにロト6を買って帰ろう!」。密かにそう誓いつつ、我々はタバンカ祭に使う藁を作成する現場へとやってきました。

祭りの裏側をレポート!松明作りの現場はどんな感じ?

「世話人を務めるのは20年ぶりですね」


そう話してくれたのは、世話人の廣瀬成男(しげお)さん。世話人は毎年、年番制で地区ごとに役回りが回ってくるのだそう。

現代の農業では通常、藁は廃棄されてしまうので「農家さんに頼んでお祭り用に藁を確保しておいてもらいます」。さらに「松明として使うには集めた藁を乾燥させて保管しておかなければなりません」と舞台裏ならではの苦労を語ってくれました。松明を作るのにも、結構、手間暇がかかります。


祭りに使う松明は小松明、中松明、大松明の3種類。それぞれ200本、12本、4本の数が必要です。松明の作り方は、ある程度の分量のわらを集め、ロープで三か所縛るというシンプルなもの。及ばすながら、我々も松明作りを手伝わせていただきました。


ちなみに、火祭りで今まで大きなケガが出たこともないそう。祭りの準備や警護など、祭り全般の裏方の要を担う世話人のみなさんのおかげで祭りが滞りなく行われています。

若者の姿も!この祭りを存続させていくには…?

「小さい頃から見ていたので、楽しみです!」


そんなフレッシュな声を聞かせてくれたのが、高校3年生の入江康太くんと須永雄磨くん。彼らはタバンカ祭当日、白装束に身を包み、松明を振り回す「奉仕者」の役回りを務めます。


今回、奉仕者役を務めることになったふたりの舞台裏。白装束の着方を伝授しています。

本来は全員高校生で担うことが理想の奉仕者7名ですが、今年は高校生は2人のみで、後の5人は大学生など土地の出身者を呼び戻して参加してもらうことになったそうです。

「少子化の影響と、最近はみんな部活動で忙しくて高校生や大学生を集めるのも一苦労ですよ」


そんな苦労を吐露してくれたのが、大宝若連会・13代目会長の野村康祐(こうすけ)さん。

実は2019年現在、タバンカ祭はひとつの節目を迎えていました。今までタバンカ祭は毎年9月12日と14日の2日間行われてきましたが、来年から第一土曜日の一夜のみの開催となることが決定したのです。

農家が多かった昔ならいざ知らず、勤め人が多い中で2日間開催する負担を慮っての決定でした。確かに多忙な平日に祭りのために2日も早めに会社を出ないといけないとなると、仕事の都合で手伝えないという人も当然出てくることでしょう。

野村さんは「簡素化されることで祭りの意識が希薄になってしまうのではという懸念も正直、あります」。それでも「祭りを存続させていくためにも、時代に合わせて変えるべきところは変え、残すべきところは残す必要がある」と、複雑な胸中を明かしてくれました。


ずらっと勢ぞろいした大宝若連会の皆さん。法被と提灯がきまっています。

「一夜開催になっても、タバンカ祭は永遠です」

伝統と祭り存続の間で…宮司さんの想いとは?

最後に、大宝神社の山内雄佑宮司に話を伺いました。


実は第一土曜の一夜開催への変更を発案したのがこちらの山内宮司なのです。

そもそもタバンカ祭が毎年日にち固定の二夜開催だったのは、2回ある例祭日の前日、タバンカ祭の松明の灯りを頼りに神社の御神体を新しくしていたからだという。ところが、現在では懐中電灯の灯りがあるので松明の灯りは必要ない。つまり、タバンカ祭を2夜行う必然性はなくなっていたのだという。

もちろん、これまで続いてきた伝統を変えることに賛否両論はありましたが「それでも、地域の人々の負担を少しでも軽くして、祭りを存続させていくための発案でした」と語っていただきました。

見物に行く側としても土曜開催はありがたいところ。わざわざ平日休みを取る必要がないですからね。タバンカ祭を見に、多くの参拝客が訪れることは、祭りを続けていく側にとっても励みになると言います。

神は人の敬いによって威を増す

いかなる神も人の崇敬を受けてこそ、その御威光を高めることができるという意味です。山内宮司はそんな言葉も教えてくれました。確かに神社と人の結びつきが強まれば強まるほど、地域活性化にもつながると言えるでしょう。

祭りを残していきたい人々の想いを受け、全国的に珍しい奇祭「タバンカ祭」は、2020年より第一土曜の一夜開催となります。「珍しい奇祭を体験してみたい」「美しい火祭りを写真に撮りたい」という方はぜひ、大宝八幡宮のタバンカ祭を訪れてみては。

■タバンカ祭
日程:2020年より9月の第一土曜開催
場所:大宝八幡宮(茨城県下妻市)
交通:関東鉄道常総線「大宝駅」から徒歩3分
https://www.daiho.or.jp/index.html

 

オマケ・今回のオンセンジャパン


大宝八幡宮の近隣には天然温泉と地ビールが楽しめる「しもつま温泉 ビアスパークしもつま」もあります。祭り見物の前に立ち寄ってみては?
https://beerspark.com/


ホワイトヴァイツェン、ゴールデンピルスナー、レッドエールの3種類の地ビールが味わえます。


オマケのオマケ。その後、スピードくじを5枚(1000円)買って、200円当たりました。……。信心が足りなかったようです。

written by
Mac

Mac

奇祭ハンターです。「毎月奇祭」を目標に、奇祭旅を行い、レポートやお祭り情報を挙げてます。さあ、今月はどの奇祭に行こうかな♪
お祭りの最新情報をチェック!

あわせて読みたい