飯塚市の旧伊藤伝右衛門邸
福岡県飯塚市。江戸時代には長崎街道の宿場町として、それ以降は炭鉱の町として栄えてきた筑豊地方最大の都市です。その炭鉱時代に一躍名を馳せた人物が、炭鉱王と呼ばれた伊藤伝右衛門。彼の旧邸宅「旧伊藤伝右衛門邸」が、今回ご紹介する行事「端午の節句・飯塚2021」の舞台です!
大名屋敷のような、豪華な門でお出迎えしてくれる旧伊藤伝右衛門邸。こちらで4月15日から5月17日まで「端午の節句・飯塚2021」が行われています。端午の節句(こどもの日)に合わせ、たくさんの五月人形や展示が今年は過去最多の点数で並ぶこの行事。昨年はコロナ禍の影響で中止となっていたため、2年ぶりの開催です!
この邸宅の主であった伊藤伝右衛門さんですが、そもそもこの邸宅は花嫁を迎え入れる際に豪華に日本建築の技をふんだんに使い改築したものと伝わっています。その花嫁こそ、柳原白蓮(やなぎわら びゃくれん)さん。2014年のNHK朝ドラの中で重要な役どころを演じた葉山蓮子のモデルとなった方です。仲間由紀恵さんの名演技を覚えている方も多いのではないでしょうか?
1000個以上の展示が並ぶ
表玄関へと入ると、早速現れた虎と兜。迫力があります!
その横には、かわいらしい五月人形もありました!
威厳のある邸宅を進むと、16の部屋に展示が施されています。展示の数は、なんと1000点以上もあるとのことです!
こんなかわいらしい五月人形が並ぶ部屋も!
こちらは陶器でできているのでしょうか?見事な佇まいです!
海老を獲っている人形もありました。
こいのぼりが描かれた掛け軸と、それを守るように配置された神武天皇と鍾馗です!鍾馗には魔除けや邪気除けの力があるとされ、何体か展示されている鍾馗にはコロナ除けの想いも込められているそうです。
そんな先には、このようなひょうきんな五月人形もありました。宝船とセットでめでたいですね!
185体が合戦を!
中腹にある大きな部屋「本座敷」に着くと、なんと185体にものぼる人形が合戦を!
こちらでは1581(天正9)に、飯塚市から福岡市方面へ向かうところにある八木山で行われた「八木山の戦い(石坂の戦い)」の様子が再現されています。この戦いは、豊後(現在の大分県)を治め九州北部に覇権を拡げようとしていた大友氏と、島津氏と手を組み抵抗していた秋月氏の間で起こったものです。
両陣の騎馬に乗った侍が対峙して闘っています!
かと思えば、鯉の旗印を掲げた船に乗って、鯉を釣っている方も。
合戦が再現されている前には、端午の節句に合わせたお供えものもありました。粽(ちまき)に、菖蒲の花が良いですね!(端午の節句は、この時期に菖蒲が咲き始めることから、別名菖蒲の節句とも言います。)
この間を抜けていくと見どころの1つ、伊藤伝右衛門さんが初孫のために作ったと言う檜の兜があります!ぜひチェックしてみてください!
つつじが彩る名勝の庭
端午の節句・飯塚2021の見どころは、邸内だけではありません!国の名勝に指定されている庭園も、この時期見応えのあるお庭となっています!
それを演出するのは、庭園を彩るつつじです!
庭園内には、いたるところにピンク色のつつじが咲いています!
歴史ある邸宅とつつじの競演、美しいですね!
2021年の端午の節句・飯塚2021は5月17日まで。ぜひお近くの方は、五月人形やつつじを見に来てみてください!