Now Loading...

歳の市とは?羽子板市、ボロ市とは違う?「納めの●●」との関係は?

歳の市とは?羽子板市、ボロ市とは違う?「納めの●●」との関係は?

12月中旬ともなると、クリスマス用品とともにお正月のしめ飾りや鏡餅などが店先に並び、急に「年の瀬」感が増しますね。ご近所の商店街でも「歳末大売出し」などと銘打ってセールを行っている所があるのでは?

昔から年末には多くの寺社に、正月用品を売る「年の市」や「歳の市」と呼ばれる市が立ちました。現代では数がすっかり減ってしまったとはいえ、有名な市は今も健在です。
また、年末の市にご本尊やご祭神の名を冠して「納めの不動」「納め地蔵」などと呼ぶこともあります。この記事ではそれらについてもご紹介しましょう。

そもそも歳の市とは?

神社仏閣それぞれのご祭神やご本尊に縁のある毎月特定の日を「縁日(えんにち)」と呼びます。例えば観音菩薩は毎月18日、不動明王は毎月28日などです。縁日には昔も今も祭典や法要が行われることが多く、大きなご利益を得ようと他の日よりも多くの参詣人で賑わいます。

人がたくさん集まるところでは物が売れるため、境内には日用品などを売る露店がずらりと並ぶ「市」が立つようになりました。現代でも縁日にはグルメ屋台や露店が並びますからイメージしやすいのではないでしょうか。

中でもその年の一番最後の市が「暮市」「年の市」「歳の市」などと呼ばれ、盛大に行われるようになりました。大晦日ともなると捨て値で売っていたので「捨市(すていち)」とも呼ばれたそうですが、すべて意味は同じで、年末に開かれる市のことを指しています。

年末の市は一年の最後のご縁日ということにもなるので、ご本尊の名前に「納め」という言葉を付けて「納めの○○」とも呼ばれるのはそのためです。現在は市が立たずに祭典や法要のみ行っている場合もあります。

歳の市では何を売る?羽子板市やボロ市とは違う?

歳の市での売り物は、戸口に飾るしめ縄や門松、神棚やお神酒の口といった年神さまを迎えるための用具のほか、餅や橙、昆布、鰹節などの正月用品が中心です。そして、普段よりちょっと高級な海老や鯛などの祝い魚、新年を機に新調したい台所用品や衣類など、実に様々なものが売られてきました。

江戸時代に賑わっていた東京の歳の市は、毎年12月14~15日に現在の富岡八幡宮で始まり、17~18日は浅草寺、20~21日は神田神社、22~23日は芝大神宮、24日は愛宕神社、25~26日は平河天満宮と続き、最後に28日の薬研堀不動院で終わるというように、日にちと場所が決まっていたようです。

このうち今でも歳の市を行っているのは浅草寺と薬研堀不動院ですが、市ごとに売る物が次第に特化されていった結果、浅草寺の歳の市は別名「羽子板市」とも呼ばれるようになりました。羽子板には邪気除けの意味合いがあり、美人画を描いたものを女児の誕生祝いにお守りとして贈ったりする風習があったものが、浅草寺でこぞって売られて現在に至ったためなのだそう。

毎年12月と1月に東京都世田谷区で開かれている「ボロ市」も、元々は歳の市のひとつです。市の起源は安土桃山時代までさかのぼりますが、明治20年代になって売り物の主流が正月用品・農機具から古着・ボロ布に変わっていき、第二次世界大戦後には「ボロ市」が正式名称になりました。

東京の近郊でも歳の市は開かれています。例えば、東京では毎年11月の酉(とり)の日に開く「酉の市」を、12月に行っている埼玉県。江戸時代の東京の歳の市と同様に12月3日は川越、8日は熊谷、10日は大宮と続いていきますが、12日の浦和「調(つき)神社」の市は「十二日市(じゅうににちまち)」といい、別名が「大歳の市」です。売り物も酉の市の名物、商売繁盛を願う熊手もありますが、新年の飾りや正月用品も同時に売られています。

その他の地域では、京都・東寺で毎年12月21に立つ市「終い弘法(しまいこうぼう)」、同じく京都の北野天満宮で毎年12月25日に立つ市「終い天神(しまいてんじん)」といった例がありますが、ごく少数。仙台や伊勢神宮前の「おかげ横丁」で行われているように市場や商店街などでの開催が多く、寺社の境内で行われていることが多いのは関東近郊、特に東京都内です。

関東近郊の歳の市6選!

ここからは都内と近郊の代表的な歳の市をご紹介します。現地がどんな様子なのか、詳しくレポートした記事もありますので、ぜひあわせてご覧ください。

◎浅草寺「歳の市(羽子板市)」

毎年12月17日~19日に行われる浅草寺の歳の市。年の瀬の風物詩としてよくニュースにも登場し、別名の「羽子板市」として覚えている人のほうが多いかもしれませんね。その年の世相を反映した羽子板が有名で、羽子板の絵柄になるかどうかが人気のバロメーターにもなっています。

浅草寺のご本尊である観音様の縁日が18日であることから開催日が決まっており、浅草寺の歳の市は「納めの観音」とも呼ばれています。

■浅草寺歳の市(羽子板市)公式サイトはこちら
■浅草寺の公式サイトはこちら

◎薬研堀不動院「納めの歳の市」

毎年12月26日~28日に開催。江戸時代から都内の歳の市のうち最後に開かれているため「納めの歳の市」と呼ばれています。目黒不動、目白不動と共に江戸三大不動として信仰を集めているお寺で、不動明王の縁日が毎月28日のため、この開催日となっており「納めの不動尊」の別名も。

地元商店会主催の大出庫市も併催されるため、衣料品や靴、日用雑貨も格安で大放出!正月飾りはもちろん、羽子板や薬研堀名物の七味唐辛子も買えます。

■中央区観光ガイドによる案内ページはこちら

◎世田谷「ボロ市」

安土桃山時代の天正6年(1578年)に始まり、当初は毎月一の日と六の日に6回開かれていました。いつしか年の暮れに一回開かれる歳の市となり、明治20年代以降は売り物の主流が正月用品などから古着やボロ布に。現在は毎年12月15日・16日と、1月15日・16日の4日間行われています。

今では骨董品や古本、中古ゲームのほか日用雑貨やアクセサリー、植木市など約700店もの露店が並び1日20万人もの人で賑わいます。代官屋敷のあるボロ市通りを中心に開催され、名物の「代官餅」や5年に1回行われる代官行列が人気です。東京都の無形民俗文化財にも指定されています。

■世田谷区公式サイトの案内ページはこちら

◎西新井大師「納めの大師」

弘法大師ゆかりのお寺として、川崎大師、千葉県香取市の「観福寺」と並び「関東厄除け三大師」のひとつと称される西新井大師総持寺。弘法大師のご縁日が毎月21日のため、毎年12月21日に歳の市「納めの大師」が開かれます。

当日は境内に多くのグルメ屋台、暦やだるまの露店が並びますが、一番目立つのは熊手。熊手市というと11月の「酉の市」が有名ですが、ここでは12月に熊手が登場し、東京で一年最後の熊手市となります。

■西新井大師の年中行事案内ページはこちら

◎巣鴨「納め地蔵」

巣鴨といえば「とげぬき地蔵尊」の名で親しまれている高岩寺。お地蔵様のご縁日が毎月24日のため、毎年クリスマスイブの12月24日に歳の市「納めの地蔵」が境内と周辺の商店街で開かれています。

おせち用の佃煮やかずのこ、みかんに干し柿、名物の塩大福に幸福だんごなど、食べ物の露店がぎっしりと並ぶなか、見逃せないのが「日本一の赤パンツ」ことマルジ「赤パンツ館」です。「赤」は太陽や血液など生命力の象徴、邪気を払う色とされます。新年の無病息災を祈るためにもぜひ手に入れたいですね。

■巣鴨地蔵通り商店街による高岩寺の紹介ページはこちら

◎成田山新勝寺「納め不動」

成田山納め不動

縁日が毎月28日の不動明王をご本尊とする千葉県の成田山新勝寺では、毎年12月28日に「納め不動」を行っています。こちらの主な行事は「納め札お焚き上げ柴灯大護摩供(さいとうおおごまく)」といって、1年間のお不動さまのご加護に感謝して、約5万体もの護摩札を燃え盛る炎の中に返す法要です。

総門を抜けた参道には、お正月用のしめ飾りやだるま、しゃもじといった縁起物を売る露店も並んでいます。成田山の名物といえばご存じ、うなぎを一年の締めくくりに味わって帰るのもお忘れなく。

■成田山新勝寺の主な年間行事の案内ページはこちら

まとめ

今回は、「歳の市」とは何か?羽子板市やボロ市、「納めの○○」と呼ばれる行事についてもご紹介しました。

ご紹介した以外にも、神奈川県・鎌倉の長谷寺では毎年12月18日に「観音御足参り・歳の市」が行われ、東京の高幡不動尊では毎年12月28日に「納めの不動尊・年の市」が開催されます。
特に長谷寺では、1年のうちこの1日だけ観音堂内陣に立ち入ることが許され、ご本尊の足に直接触れてご縁を深めることができる機会です(造立1,300年記念として毎日実施可能だったお参り祈願は、2022年12月18日で終了となります)。

いつもより大きなご利益を祈願し、新年を迎えるワクワク感や風情も味わえる市に立ち寄る、今年はそんな年末を過ごしてみてはいかがでしょうか。

いいねを押してこの記事を応援しよう!

祭り開催情報

名称 浅草寺歳の市(羽子板市)
開催場所 東京都台東区浅草2-3-1
浅草寺境内
開催日 2022年12月17日(土)、2022年12月18日(日)、2022年12月19日(月)
毎年12月17.18.19日
アクセス 地下鉄銀座線・地下鉄都営浅草線・東武伊勢崎線・つくばエクスプレス
浅草駅
関連サイト https://www.asakusa-toshinoichi.com/
https://www.senso-ji.jp/annual_event/...
この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
オマツリジャパン編集部からは全国のおすすめのお祭りの情報を発信していきます

あわせて読みたい記事