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NHK大河ドラマ『八重の桜』で繰り返しテレビに映し出された会津若松城、鶴ヶ城
日本が近代の扉を開ける幕末、会津若松城では壮絶な戦闘が繰り広げられました。2013年のNHK大河ドラマ『八重の桜』では、城を包囲する新政府軍から激しい砲撃を受ける様子がリアルに再現されていました。「鶴ヶ城」の愛称で呼ばれる会津若松城は、例年4月上旬から5月上旬まで、広大な敷地全体が薄紅色の桜で覆われます。見頃にあわせて毎年、「鶴ヶ城さくらまつり」が開催され、2019年には4月5日~5月6日に行われました。2020年の「鶴ヶ城さくらまつり」の期間は未定ですが、夜間のライトアップは、4月6日~5月10日に行われます。
「日本さくら名所100選」の一つに数えられ鶴ヶ城公園
鶴ヶ城は1868年の戊辰戦争によって壊滅的な損傷を受けましたが、1965年に再建された天守閣を中心とする縄張は、往時の雰囲気を漂わせながら保存されています。1908年前後から桜の植樹が行われ、現在では約1000本の桜が育っています。「日本さくら名所100選」の一つに数えられています。
鶴ヶ城へのアクセスは、JR会津若松駅からまちなか周遊バスを利用するのが便利です。最寄りのバス停となる「鶴ヶ城入口」、「鶴ヶ城三の丸口」は、鶴ヶ城の東側にあります。
バス停から三の丸、二の丸のエリアを抜けると、鮮やかな朱塗りの橋が見えます。中世まではここに屋根のついた廊下造りの橋が架けられていたことから廊下橋と呼ばれています。
廊下橋を渡り時計回りに鶴ヶ城址を散策
廊下橋を渡ると本丸のエリアです。藩主が住居として使った奥御殿、会議に利用されたと言われる御三階、大書院、小書院などが建ち並んでいました。エリアの南東に残る茶室の麟閣が、昔の姿を留めています。
重要な施設が集中する本丸の警護は、茶壺櫓、月見櫓、干飯櫓、走り長屋などの施設を利用して行われました。
本丸エリアの南西端に建つ干飯櫓の北西には、上杉謙信廟所跡が残されています。上杉景勝が会津に入封した際、上杉謙信の遺骨も鶴ヶ城内に持ち込まれたのです。鶴ヶ城の長い歴史を感じながら、さらに西に向かうと本丸に侵入しようとする敵を迎え撃つ武者溜の西出丸です。
西出丸が鶴ヶ城の南西端となります。桜が並木を作る濠に沿って、北、東に向かうと馬出が置かれていた北出丸です。
北出丸から南の本丸の方向に戻ります。北出丸から本丸、天守閣に通じる玄関のような役割を果たしているのは椿坂です。なだらかな坂を上りきると、東に稲荷神社、西に観光案内所が設置されています。
薄紅色の桜の花に囲まれる鶴ヶ城天守閣
観光案内所から、かつて武者溜であった帯郭を越えると天守閣の真下となります。
表門を潜れば、天守閣の入口です。
種類豊富な会津地方の土産物
「鶴ヶ城さくらまつり」の期間中には、桜が咲き乱れる城址公園に数多くの露店が軒を連ね、夜間にはライトアップが行われます。2020年のライトアップ予定は、4月6日~5月10日です。広大な城址公園を照らし出すライトアップは、東日本最大級と賞賛されています。また、まつり期間中の休日には、サムライまつり、郷土芸能披露、植木市、おもてなし市、大茶会など、多彩なイベントが企画されます。また、天守閣内のショップや北出丸の東の鶴ヶ城会館では、種類豊富な会津地方の土産物が勢揃いしています。
会津若松市のシンボル鶴ヶ城は、幕末には壮絶な歴史の舞台となりましたが、現在では天守閣を取り囲むように約1000本の桜が植樹されています。例年例年4月上旬から5月上旬には、360度の角度から天守閣を薄紅色に彩ります。