カラフルな御朱印を揃える露天神社
全国各地の神社や寺院では参詣の記念に御朱印を頂くことができます。朱印帳に訪れた神社や寺院の御朱印が並ぶと、貴重な思い出となり写真とは趣の異なる味わいが滲み出てくるものでしょう。お初天神の愛称で親しまれる大阪市の露天神社にはカラフルな御朱印が揃っています。神社は『曾根崎心中』の現場となったため、御朱印にはお初と徳兵衛の姿が描かれています。他にも「神人和楽」、「商賣繁盛」の文字が記された御朱印も準備されています。御朱印とともに頒布される栞では、お初と徳兵衛が恋の手本としているようです。
バラエティー豊富な授与品
露天神社では本殿に向かい合う授与所で御朱印を頂くことができます。窓口にはバラエティー豊富な授与品が並んでいます。えんむすびの御守だけでも幾つもの種類があります。ハート形の絵馬には恋愛成就のパワーが漲っているようです。17種類のスポーツ御守を揃えているのも珍しいでしょう。
江戸時代の『曽根崎心中』の舞台
露天神社には連日、恋愛成就を願う人々が多く訪れています。境内は恋人の聖地となっています。1703年4月7日に神社の境内で心中事件が起こりました。堂島新地の天満屋の遊女お初と、内本町の平野屋の手代、徳兵衛が来世で結ばれることを信じて命を絶ったのです。近松門左衛門は、これを題材として人形浄瑠璃の『曽根崎心中』を書きました。1972年には境内に恋に殉じた2人を慰霊するため、「曽根崎心中 お初徳兵衛 ゆかりの地」の石碑が建立されました。2004年には、お初と徳兵衛が寄り添うブロンズ像も設置され、恋人の聖地のフォトパネルやハートのオブジェとともに恋愛成就を願う人々を勇気づけているようです。
『曽根崎心中』によって恋人の聖地として定着した露天神社ですが、創建は6世紀頃まで遡るのではないかと推定されています。境内の中央に建立される拝殿では、少彦名大神などを御祭神として祀っています。
例大祭の会場となるお初天神通り
曽根崎の総鎮守の役割を担う露天神社では、様々な年中行事が行われています。毎月第1金曜日には「蚤の市」が行われる他、7月の第3金曜日と土曜日には例大祭では曽根崎から梅田の市街地が会場となります。神社で神事が行われた後、役太鼓、舞獅子、地車囃子、傘踊りの行列が、お初天神通りを梅田駅の方向に向かって練り歩くのです。
大阪市でお初天神の愛称で親しまれる露天神社にはカラフルな御朱印が揃っています。江戸時代には『曽根崎心中』の舞台となった神社には、恋人の聖地として恋愛成就のパワーが漲っています。