三重県にはしだれ梅の名所がいくつかあります。近年SNSでとても話題になっている、津市の「結城神社」もその1つ。
ご神苑に植えられたしだれ梅はなんと約350本、満開時の光景は圧巻です。そしてここにはとても可愛らしいお客さんも訪れるんですよ。
この記事では、2023年3月5日訪問時のレポートをお届けします。
目次
しだれ梅が美しいと話題の「結城神社」とは?
三重県津市の結城神社は、津市の中心地からバスで20分ほどのところに佇む神社です。
御由緒を遡ると、鎌倉~南北朝時代に後醍醐天皇に仕えたという結城宗広公をお祀りする、歴史ある神社。
大きな鳥居の向こうに梅の花が見えています。ご神苑で咲き誇る梅が、生垣の外までこぼれるよう。
これはもう、期待感しかありません!
とはいえ、見せていただくのはご神域の梅。まずは拝殿できちんとご挨拶していきましょう。
拝殿に向かって左の建物に受付があります。ここで拝観料を納め、その横からご神苑に入ります。
建物の向こうに見える梅に、心がはやります。
梅園を埋め尽くすしだれ梅に息をのむ
入苑してまず驚くのは、藤棚ならぬ、梅棚があること。
頭上にこぼれるようなしだれ梅。
まるで天上から梅の花が降ってくるようです。
これはなかなか他では見られない眺めではないでしょうか。
この日、苑内ではしだれ梅がまさに満開でした。
一口で「しだれ梅」と言っても、濃いピンクから白、淡いピンクとさまざまです。
場所によっては、何本もの梅の枝が重なり合って見えます。まるで梅の花のカーテンのよう。
どこを見ても美しく、思わず「すごい…」と口からこぼれます。ほのかに漂う梅の香も心地よく感じられました。
可愛らしいお客さんに会えるかも!?
満開の梅を堪能していると、バズーカのような望遠レンズのついたカメラを持った大勢の人が、同じ方向にカメラを向けているのが見えました。
何を撮っているのかと、レンズを向けている方向を見てみると…
あ!メジロです!
メジロが梅の花をついばんでいました!
梅の花の蜜はメジロの大好物なんですよね。
ピンク色の梅に黄緑のメジロがよく映えて、パステル画のよう。
せわしなく枝や木を移動しながら、せっせと花をついばんでいる姿がとても可愛らしいです。
あら?メジロ以外にも鳥がいますね。
こちらはジョウビタキでしょうか。
メジロやジョウビタキはたくさん飛んでいます。ただ、よく動くので、スマホで撮影するのは至難の業。望遠レンズつきのデジカメをもっている方は、ぜひ持参された方がいいですよ!
そして連写設定で撮るのがおすすめです。
筆者はメモリーカードの余裕がなく連写ができなかったので、かろうじて撮れたのは、上の写真を含め数枚でした。
デジカメ、望遠レンズ、(容量のある)メモリーカードをお忘れなく!
なお、三脚の使用は禁止されています。
ご神域ならではの心静まる光景
苑内には梅だけでなく、「福松稲荷大明神」や「結城医王大明神」の鳥居やお社もあります。
梅はやはり和の建物と調和しますね。赤い鳥居との取り合わせがとても絵になります。
みなさん夢中になって梅を見たり撮ったりしているので、こちらは意外と空いています。
「結城医王大明神」は航海安全・病気平癒に霊験あらたかであるとのこと。せっかくですからゆっくり手を合わせて、御利益をお願いしましょう。
写真中央の石造りの鳥居の奥には、御祭神の結城宗広公の御墳墓があります。
とても落ち着いた、厳粛な雰囲気です。
結城宗広公は、鎌倉時代後期~南北朝時代の武将です。後醍醐天皇に仕え数々の武勲を上げましたが、南北朝の戦乱の際、遠州灘にて暴風雨に遭い、この地で没したと伝わっています。
御墳墓の周辺には梅の木がないので、ご神苑が賑わっているときでもまるで空気が違います。
鳥居の向こうとこちらで、世界が違っているような気さえします。
混雑の中にあってもこうした静謐さが感じられるのは、やはり神社ならではですね。
混雑するからこそ、余裕をもって
美しいだけでなく撮影しがいのあるスポットなので人気は高く、満開時の混雑は避けられません。
ざっくり梅を見るだけなら30~40分でも回れると思いますが、気に入った場所で写真を撮りたいと思うと、ある程度順番を待つか、タイミングをはからなければなりません。
少なくとも1時間程度、写真も撮りたいと思うなら、1時間半~2時間程度の時間をみておくことをおすすめします。
2023年は3月1日頃から見頃に入り、筆者訪問時の3月5日には満開になっていました。梅は桜に比べ長く楽しめますが、そろそろ花が落ち始めている木もあるようです。
ピンクの花びらが地面に散り広がるさまは「梅じゅうたん」と呼ばれ、それもまた美しく、人気の眺めとなっています。
今年のうちに見ておきたい!という方は、早めに訪問されることをお勧めします。
今年は無理そうだから来年に…という方は、2月頃から開花情報に注意してください。
この記事末尾にある、三重県観光連盟「観光三重」のリンク先には、花の開花情報ページへのリンクがあります。
「結城神社」基本情報&アクセス
所在地:三重県津市大字藤方2341
電話番号:059-228-4806(結城神社 社務所)
2023年の梅苑開催期間:2月11日(土)~3月中旬予定
開苑時間:9:00~17:00(最終入苑16:30)
神苑梅苑拝観料:高校生以上800円、小中学生400円、未就学児 無料
アクセス:
〔車〕伊勢自動車道津ICから約15分。約200台分の無料駐車場あり。
〔バス 〕JR・近鉄・伊勢鉄道 津駅から三重交通バス(柳山経由イオンモール津南行・柳山経由米津行・乙部朝日経由天白行)にて約20分、結城神社前下車、徒歩約5分