ハス田が設けられる町田市の薬師池公園
夏に開花する植物は太陽の光をたっぷり浴びることによって花を咲かせます。ハスも夏の光を受けて花を開きます。東京都町田市の薬師池公園にはハス田が設けられ、例年7月下旬から8月上旬には季節の彩りで包まれます。2019年には7月28日(日)に「薬師池公園の観蓮会」が開催されました。2020年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止となりましたが、数多くの人々が季節の花を観賞に訪れました。
薬師池公園で育つ古代ハスの一種「大賀ハス」
薬師池公園のハス田は、園内の北部に設けられています。約3,000平方メートルのハス田で育てられているのは、古代ハスの一種「大賀ハス」です。「大賀ハス」は植物学者の故大賀一郎博士が、千葉市花見川区で縄文時代の集落と推定される落合遺跡から出土した種子を育て現代に蘇りました。大賀博士と縁故があった町田市内の円林寺などから根分けをして薬師池公園でも育てるようになったのです。
「大賀ハス」は、ピンク色の大輪の花を咲かせます。例年であれば7月下旬から8月上旬のピーク時期には、約120輪の花が季節を知らせてくれます。ところが2020年は梅雨時期の長雨と日照不足のため、連日10輪前後のハスしか開花せずに8月下旬となってしまいました。
ハス田には木橋が設けられていますが歩きながら見える花は少なく、葉の間や下に隠れた花を探しださなければなりませんでした。
2020年はハスの開花は少なかったものの、緑一色のハス田には夏のエネルギーが漲っているようです。
園内を彩る四季折々の花
薬師池公園にはハス田の他に、ウメ、サクラ、フジ、アジサイ、花ショウブ、ツバキなど多種類の草木が植栽され、四季折々の表情を見せてくれます。
「新東京百景」、「東京都指定名勝」、「日本の歴史公園100選」に選定される薬師池公園
薬師池公園の中央には、薬師池が穏やかな水面を湛えています。16世紀末、戦国時代にこの地を治めた北条氏照の命によって開拓された水田用の水池と伝わります。池の中央にはタイコ橋が架けられ、池の袂には水車小屋が建てられ、日本的な情緒が漲っています。薬師池公園は、「新東京百景」、「東京都指定名勝」、「日本の歴史公園100選」などに選定されています。薬師池公園へ公共交通機関を利用して訪れる場合は、小田急町田駅の北口21番乗場から「本町田経由鶴川」行き、または「本町田経由野津田車庫」行きのバスに乗車し、約30分の「薬師池」または「薬師ヶ丘」停で下車することになります。
東京都町田市の薬師池公園にはハス田が設けられ、古代ハスの一種「大賀ハス」が育てられています。例年7月下旬から8月上旬には約120輪のハスが花を咲かせ、ハス田は季節の彩りで包まれます。ところが、2020年は梅雨時期の長雨と日照不足がハスの開花を妨げてしまいました。連日10輪前後のハスしか花を開かず8月下旬となりました。