※2021年は新型コロナウイルス蔓延の影響で中止となりました。 2022年には無事に開催されることを願いつつ、コロナウイルスの終息のために感染予防を心がけましょう。 (2021年2月23日 編集部)
隅田川の桜橋から吾妻橋までの両岸は、江戸時代から桜の名所として知られてきました。徳川吉宗の命で作られた桜並木は、世紀を超え数え切れない人々の目を楽しませてきたのです。例年3月上旬から4月上旬にかけて川岸には桜のトンネルができあがり、見頃時期にあわせて「墨堤さくらまつり」が開催されています。
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。2021年2月23日 編集部更新)
春のうららの隅田川
日本の社会は明治時代に大きく変わりました。音楽の分野では滝廉太郎が西洋音楽の様式を積極的に取り入れ、作曲活動を行いました。その代表作「花」は、「春のうららの隅田川」の歌詞で始まります。隅田川沿いの隅田公園は、例年3月上旬から4月上旬にかけて桜の花で彩られ、「墨堤さくらまつり」が開催されています。2019年には3月28日~4月7日に行われました。
徳川吉宗の命で植えられた隅田川の両岸の桜
「墨堤さくらまつり」の中心会場となるのは、隅田川に架かる桜橋から吾妻橋までの約1キロの川沿いです。川を挟んで墨田区側に343本、対岸の台東区側にも約600本の桜が並木を作ります。
「墨堤さくらまつり」には毎年、大勢の人々が花見に訪れていますが、起源はとても古く江戸時代にまで遡ります。第8代将軍の徳川吉宗の命で、隅田川の両岸に桜が植えられたのです。それ以来、江戸で屈指の桜の名所となり世紀を超え、ここで桜の花を楽しんだ人は数え切れないでしょう。
約1キロの桜のトンネルは、「日本さくら名所100選」に選ばれています。2012年には墨田区押上に東京スカイツリーが完成し、河原の桜越しに発展を続ける東京の姿を見ることができます。
夜間にはライトアップされる桜並木
隅田川の河面を夕陽が照らす頃には、桜並木を繋ぐ提灯に灯が燈されライトアップされます。
川の遊歩道には、地元町会の模擬店や向嶋墨堤組合の芸妓茶屋、銘品名店会、観光協会のブースなどが軒を連ねます。
遊歩道の幅は広くはないので、シートを敷いて花見を楽しむことはできないのですが、椅子やテーブルを備えた露店もあるので、そこで飲食を楽しむことができます。
屋台船から眺める隅田川の流れに従って移ろう桜の光景
人ごみの中で花見をしたくない人には、船から桜の花を眺める選択肢があります。期間中には数多くの屋形船が隅田川を運航しています。船から川の流れに従って移ろう桜の光景を眺めるのは、隅田川ならではの楽しみ方となることでしょう。