観光経済新聞のコラム記事連載が、2019年9月14号からスタートしました!「お祭り」をフックに旅情あふれる記事を、オマツリジャパンライターの皆さんに書いていただき、毎週掲載して行きます。普段のマツログ記事とは一味違う表現で書いていただいていますので、ぜひお楽しみください。(オマツリジャパン編集部)
越後浦佐毘沙門堂の大ロウソク祭り(新潟県南魚沼市)
今回取り上げるのは、毎年3月に行われる浦佐毘沙門堂(新潟県南魚沼市)の「裸押合大祭(はだかおしあいたいさい)」。いわゆる裸祭りで、日本三大奇祭とも言われる。
この祭は、毘沙門天をいち早く拝みたい人々が集まり、押し合い始めたのがそもそもの由来だとか。現在でもその精神は受け継がれ、半裸の男たちが高い所に祭ってある毘沙門天を誰よりも早く、近くで参拝しようと押し合う。また、警備のための100本近くのロウソクが1本、30~50キロと大きく、迫力がある。そのため、「大ロウソク祭り」という別名がついたようだ。
会場となる浦佐毘沙門堂・普光寺へは浦佐駅から徒歩5分。奇祭としては行きやすい部類だ。本番は夜だが、余裕を持って昼に毘沙門堂を訪れた。すると、普光寺のお堂の上から福餅をまく行事が行われていた。福餅を手に入れると1年間の「除災招福」がつくとあってか、結構、争奪戦が激しかった。
日が暮れてくると、いよいよ本番。祭に参加する男たちが大ロウソクを抱え、寺へと向かう。多くの観客に見守られながら、まずは寺の敷地内の池で水行を行う。いかにも寒そうだ。
水行の次はいよいよ押し合い。ロウソクを担いだ半裸の男たちが御堂の中へと突入。御堂の中では、舞台上の数人の男たちが餅をまいていた。「巻くぞ、巻くぞー」の呼び掛けに、「巻けよ、巻けよー」で答える男たち。熱く激しい押し合いが続き、堂内はすさまじい熱気に包まれていった。最後は「サンヨー、サンヨー」と声を上げながら、皆で輪になってぐるぐる回って終了となった。
ちなみに、さらしや足袋などの服装を自分で用意して青年団の指示に従えば、部外者の飛び入り参加もOKである(ただし、男性に限る)。また、今年までは日付固定で開催されていたが、来年からは毎年3月第1土曜日に開催されることとなった。土曜日の開催となれば、遠方からも足を運びやすい。興味のある方は参加してみてはいかがだろう。