お祭りといえば、大きなお祭りには欠かせない神輿(みこし)や山車(だし)、だんじりをイメージする人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、神輿・山車・だんじり…この3つは似ているようで、違うものだということをご存知でしょうか。
今回は、山車と神輿、だんじりの違いに始まり、山車の鑑賞ポイントや山車が登場するお祭りのご紹介、山車の魅力を網羅的にお伝えします。
山車って?神輿やだんじりとどう違うの?
山車(だし)は、皆さん一度は聞いたことがある言葉だと思います。
しかし、同じような意味の「神輿(みこし)」や「だんじり」とどのように違うかご存知の方は少ないでしょう。ここでは、「山車・神輿・だんじり」の3つの違いをご紹介します。
由来:神様に降りて来てもらうための目印
まずは、神輿と山車の役割の違いをご紹介します。神輿は、神様が神社から御旅所(おたびしょ=神社の祭礼において神が巡行の途中で休憩や宿泊する場所を指す)まで旅をする際に一時的に使用する「神様の乗り物」です。
一方、山車は神様に天から地上に降りてきていただき、「もてなす」のが目的です。
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山車は、「古来の民間信仰の神は、山岳や山頂の木や岩を依り代として天から降臨する」という考えに基づいて作られました。そのため、神輿と山車では神様が居る場所も異なっています。
神輿は御宮の中に神様が居るとされています。そのため、神輿に人が乗ることは禁じられています。一方、山車は山型の山頂に神様が降臨するとされています。したがって、山車の内部に人が乗ってお囃子など神様をもてなすことができます。山車の上に乗っている刀や鉾(ほこ)などは神様が見つけやすい目印としして掲げられています。
移動方法:引っ張る山車と担ぐ神輿
次に、神輿と山車の移動方法の違いをご紹介します。移動方法の特徴は、山車は引いて移動、神輿は担いで移動します。
山車の中には、石川県七尾市の青柏祭で使用される20トンの山車など、かなり重量のあるものもありますが、山車には車輪がついているので重い山車でも引いて移動させることができます。
神輿は担ぎ手が上下しながら担ぐので、ある程度担げる重量にも限界があります。東京都の富岡八幡宮にある4.5トンの神輿が最大のものとして知られていますが、4.5トンの神輿は重すぎで担ぐことができないため、展示のみのお披露目となっています。
呼称:お祭りによって呼び名もいろいろ
神様をもてなすために担がれる山車は、日本各地の祭りに登場します。同じ日本語でも各地方で方言があるように、山車もその地方・祭りによって山車の呼び名がことなります。ここでは有名な山車とそのお祭りについてご紹介します。
ねぶた
「青森ねぶた」「弘前ねぷた」で有名なねぶた祭りは、威勢のよい「ラッセーラー」の掛け声と、「跳人」と呼ばれる踊り子たちとともに山車燈籠が運行します。ねぶたの起源は諸説ありますが、一説には七夕の灯篭流しが起源と言われています。
夜祭をきらびやかに彩る大型ねぶたは迫力満点です。国内外から300万人近くの観光客が訪れる世界的にも有名なお祭りです。
山車(だし)
山車(だし)という呼称は、全国各地で広く用いられています。山車が登場する祭りで有名なものは、京都祇園祭の山鉾、博多祇園の山笠などがあります。
屋台(やたい)
屋台と聞くと、祭りの楽しみのひとつでもある、金魚すくいやりんご飴などの「出店」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
実は屋台は山車と同じ意味をもっています。屋台が出る祭りは「屋台行事」と呼ばれ、栃木県鹿沼市の「鹿沼今宮神社祭の屋台行事」が有名です。
曳山(ひきやま)
滋賀県長浜市「長浜曳山祭」、佐賀県唐津市の「唐津くんち」などで用いられる山車が「曳山」と呼ばれます。各地方の伝統工芸、絵画や飾金具を用いて装飾が施されて、大型の物が多い点が曳山の特徴です。
祭車(さいしゃ)
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三重県桑名市の「石取祭」の祭車は、他の山車とは一線を画しています。祭車は、三輪形式と、夜間でも映えることを意識して吊るされた提灯が特徴的な山車です。
他の山車と大きく異なる点は、他の山車は山車の上で演奏するのに対し、鉦(かね)や太鼓の台としての機能を持っている点です。そのため、演者は祭車と共に歩きながら太鼓を叩きます。
だんじり
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だんじりは、近畿地方を中心とした山車の呼び名です。だんじりの特徴はなんといっても、曳行の速度です。有名な「岸和田だんじり祭り」ではその迫力からお祭りが非常に盛り上がるため、関西各地の祭りで「岸和田型だんじり」用いられるようになっています。
構造:地域によって異なる素材や作り方
山車は各地域の伝統工芸・風俗が色濃く反映されます。そのため、同じ山車でも祭りによって台車の形状、車輪の位置などが異なり、各地で独自の発展を遂げています。
例えば大型山車のひとつ、ねぶたは、一説には奈良時代から続く灯籠流しが発展し、紙・竹・ろうそくが大衆で一般に使用されるようになるにつれ、人形や扇を型取ったねぶたが生まれ、明治時代に入って大型化していったとされています。
現代のねぶた作りが針金、電球と材料が近代的になる一方で、本来の竹で組んだねぶたつくりを継承する活動も行われています。また、ねぶた用に開発されたLED電球が一般向けにも販売され、伝統的な祭りが日々の生活を新しいものにするきっかけにもなっています。
また、京都市で催される日本三大祭りのひとつの「祇園祭」の山鉾は、約200〜500年前にに作られた希少な中国・インド製の絨毯(巡業ではレプリカが用いられます)、京都の伝統的な染色工芸「友禅染」の染め物などで絢爛豪華に装飾されます。
種類:個性あふれる装飾の数々
埼玉県の「川越まつり」の山車は、「迫りあげ式」と呼ばれる構造で作られています。迫りあげ式とは、エレベーターのような構造のことで、なんと山車から御神像が迫り上がってくる仕組みになっています。この構造は、江戸と川越の職人によって作られ、城門をくぐるために伸縮する仕組みが備わったとされています。
日本だけじゃない!インドの山車って?
実は、山車があるのは日本だけではないんです。なんとインドにも山車が登場するお祭りがあります。それは、インドの伝統的な祭り「ラタジャトラ」に登場します。
「ラタジャトラ」とは、馬車の旅という意味で、インド南東部のオリッサ州で6~7月にかけて開催されるインド最大級の祭りです。オリッサ地方の土着神であるヒンズー教の神「ジャガンナート」ら3兄妹を乗せた絢爛豪華な山車を引き、「マントラ」という教典を基にした歌を歌い練り歩きます。
このお祭りは、神奈川県川崎市で毎年7月に見ることができます。
山車の各パーツの見どころはここ!
山車は見る角度によって見どころが異なります。どの角度から見ても、隅から隅まで楽しむことができるのも山車の魅力です。ここでは各パーツの見どころや特徴をご紹介します。
正面:お囃子
山車の中で一番目立つ部分は、なんと言ってもお囃子が良く見える正面です。太鼓や笛、摺鉦(すりがね)が奏でる軽快なリズムがお祭りを盛り上げ、山車によっては踊りや掛け声も一緒に見ることができます。お祭りごとにお囃子や、楽器が異なりますので、各地の山車の演奏を聞き比べるのも楽しいですね。
正面上部:提灯
提灯の色どりや装飾も山車の魅力のひとつです。山車は、町や団体ごとに提灯での装飾を競い合っているのですが、町名などは通常一番大きい提灯に記載されているので、どの町の山車か一目で見分けることができます。提灯が綺麗にのはやはり夜です。美しくライトアップされた山車が夜空を彩り、祭りの雰囲気をより一層盛り立ててくれます。
側面:彫り物や飾り物
山車は神様をおもてなしする役割がありますので、非常に細やかで豪華な装飾彫刻が施されています。装飾彫刻は、動物や植物などが山車の大きさを生かして大胆に彫刻され、中には漆塗りで赤色のアクセントをつけるなど、技の素晴らしさと彫刻の躍動感に圧倒されます。
山車はお祭りによって山車自体の形が異なるため、装飾彫刻が施される場所、彫刻のテーマも様々です。山車ごとの彫り物や飾り物を味わうのも山車鑑賞のポイントです。彫り物や飾り物を鑑賞するのであれば、太陽出ている日中をおすすめします。
背面:刺繍
川越まつりの一番の楽しみ、山車。近くで見ると彫金も刺繍もすごい細かくて、神は細部に宿ると思った。 pic.twitter.com/nBNp1BX7z6
— 水島 猫月 (@nyngt) October 18, 2014
山車の中には、豪華な刺繍が施された幕をまとっているものもあります。幕には山車全体を覆う大幕と、上部のみを飾る水引幕があります。刺繍の題材には、龍や鳳凰といった霊獣から、鶴、鷹、虎、鯉、鮎、イセエビなどがあります。金や赤など、色とりどりの糸で刺繍された幕は、刺繍とは思えないほど立体的で、生き物の躍動感を感じることができます。
頂点:人形飾り
山車の上部に人形か飾られているタイプがあります。人形の種類は、鳳凰などの霊獣、スサノオなどの神話由来のもの、歴史上の英雄を模したもの、歌舞伎や能役者を模したものと様々な種類がありますが、お祭りの由緒になったものや、祀られている神様を人形にするケースがほとんどです。
山車に人形飾りが施されるようになったのは、一説には平安時代と言われており、室町時代辺りから華美な装飾が施され、江戸時代に入ってからくり仕掛けが組み込まれるようになったと言われています。特に有名な人形飾りとして、八坂神社の祇園祭、名古屋の東照宮祭、江戸の山王祭と神田祭が挙げられます。
内部はどうなってるの?
川越まつり行ってきました\( ¨̮ )/
年々狐面つけてる人が増えていってるから不思議な空間。
山車後ろからだけど華やかで好き。 pic.twitter.com/fTrSEa512C— かぼちゃ@ (@fpp31aaafu) October 14, 2017
山車の内部は通常見ることができない部分ですが、どうなっているのか気になりますよね。山車の後輪上部には、箱型の部屋が備えられている場合が多く、普段は内部が見えないように入口は幕などで覆われています。この箱型の部屋はお囃子の演奏者の控室に使われているようです。
お囃子の演奏は長時間に及ぶため、1人が最初から最後まで演奏するのではなく、交代で演奏をしています。その際、控えの人はこの箱型の部屋で休息を取ったり、着替えたりするようです。
山車が有名な全国のお祭り
ここまで山車の概要をご説明してきましたが、実際に山車を見に行きたいと思った方もいるのではないでしょうか。全国各地には実に様々な山車があります。そこで、ここでは山車が有名なお祭りをご紹介します。
東京:ユニークな曳き物が魅力の「神田祭」
概要
神田祭とは、東京都千代田区の神田明神で開催されるお祭りです。神田祭には奇数の年に行われる「本祭」と、偶数の年に行われる「蔭祭」があり、一般的に神田祭とは盛大に行われる本祭のことを指しています。
神田祭は「神田明神祭」とも呼ばれ、隔年で5月中旬に行われる祭礼です。日枝神社の山王祭、浅草神社の三社祭(三社祭ではなく深川八幡祭とする場合もあります)と並んで「江戸三大祭り」のひとつとされ、江戸時代を通じて愛されてきたお祭りです。
その起源については、記録がほとんど残っておらず詳細は不明です。徳川家康が戦に出る際、神社では家康の命により祈祷を捧げ続け、見事家康は天下統一を果たします。その感謝を込めて家康から社殿や祭器などの寄進を受け、現在のような盛大なお祭りになったと言われています。このことから、別名「天下祭」とも呼ばれています。
見どころ
神田祭の見どころは、「神幸祭」の行列と「附け祭」の曳き物です。
神幸祭では、平安時代の装束を身にまとった500人ほどの行列が、神田明神周辺地域を守る神々を乗せた3つの神輿に付き添い、町を祓い清めながら行進します。神幸祭のあとに附け祭が執り行われます。附け祭は、毎年テーマを変えて、バラエティーに富んだユニークな行列や曳き物が練り歩きます。江戸時代は神田祭りで最も人気がありました。当時は流行した能や浄瑠璃を題材に取り入れ、曳き物や仮装行列で表現したそうです。
特にユニークな曳き物は、酒呑童子を題材とした「大江山の鬼の首」や、地震を起こすと信じられていた「大なまずと要石」など、当時の人々の豊かな発想力が伺えるものです。
神田祭を楽しむなら、日本橋三越本店の前がおすすめです。平安時代の装束を纏った行列と、附け祭りの一団が16:30頃に合流する地点です。祭りの盛り上がりも最高潮に達しますので、神田祭をたっぷり楽しむことができます。ただし、非常に混雑しますので、早めに場所を確保しておきましょう。
岐阜:昼も夜も楽しめる「高山祭」
概要
高山祭は、岐阜県高山市で毎年開催されるお祭りです。2016年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されています。高山祭りとは、春の訪れを告げる「山王祭」と、高山が秋の彩りに染まる「八幡祭」の総称です。祭りの美しさから、京都市の祇園祭、埼玉県秩父市の秩父夜祭と並んで日本三大美祭に数えられます。
発祥は16世紀後半から17世紀とされ、幾多の変遷を経ながらも、現代に江戸時代の面影を残す伝統行事として親しまれています。
見どころ
高山祭では山車のことを屋台と呼びます。高山祭の屋台の特徴は、上段の屋根部分が伸縮して高さが変えられるようになっている構造と、「戻し車」と呼ばれる屋台の方向転換がしやすいような車輪の技術です。美しく華やかな屋台の中には、からくり人形がついているものもあり、踊りや演技を披露してくれます。
昼間でも充分楽しむことができる高山祭ですが、夕方から始まる宵祭は必見です。100個もの提灯を灯した屋台が町をゆっくりと巡る姿は幻想的です。
大阪:やりまわしが大迫力の「岸和田だんじり祭」
概要
岸和田だんじり祭は、大阪府岸和田市で毎年9月に行われる祭りです。祭りの起源は1745年、町の茶屋新右衛門が大坂の祭を見物し、今の岸城神社の祭に献灯提灯を掲げたいと藩主に願い出て許可されたことが始まりとされています。
勇ましく荒っぽいお祭りですが、五穀豊穣を願うのが祭りの本来の目的です。現在のようにだんじりが活躍するようになったのは1780年頃と言われています。
見どころ
岸和田だんじり祭の見どころは、速度に乗っただんじりを方向転換させる「やりまわし」です。通常、山車やだんじりを動かすお祭りは、方向転換する際はある程度速度を落とすのが一般的なのですが、岸和田のだんじりは高速のまま曲がります。
危険と隣り合わせの中、だんじりを引く男衆の息の合った掛け合いと、だんじりが躍動する姿は岸和田だんじり祭ならではの光景です。
やりまわしを見物する際は、危険なので角地へ行くのは避け、現地の方の指示に従い、ルールを守って鑑賞しましょう。
京都:長刀鉾が目玉の「祇園祭」
概要
日本の三大祭の1つである祇園祭は、京都市東山区の八坂神社の祭礼です。
祇園祭の起源は、平安時代に今日とで流行した疫病を鎮めるために行った御霊会がはじまりと言われています。その後、時代を経て真夏の京都に欠かすことのできないお祭りになりました。
祇園祭は全国でも珍しく、1ヶ月にも渡る長期のお祭りです。
見どころ
祇園祭りの見どころは「山鉾巡行」で、巡行は7月17日の前祭と、24日の後祭に行われます。祇園祭では、山車は山鉾と呼ばれています。
山鉾を飾る前懸や胴懸、見送などは、インドや中国、ペルシャなどで作られたものも多くあり、驚くほど鮮やかな状態で保存されています。こうした美術工芸品で装飾された山鉾は、国の重要有形民俗文化財にも指定されており、「動く美術館」とも評されます。
山鉾巡行のハイライトは、山鉾が曲がり角でダイナミックに方向転換する「辻回し」です。重さ10~15トン、屋根までの高さ約8メートル、鉾先までは約25メートルの山鉾が方向転換する大迫力の光景に、沿道からは歓声が沸き上がります。
また、祇園祭において最も注目が集まる鉾が「長刀鉾」です。山鉾の中でも最も古くに創建され、山鉾巡行の先頭を務める鉾です。この長刀鉾には、生神様としてお稚児さんと左右に2人の禿さんが乗っています。稚児と禿は6月頃に京都市内の家庭から選ばれ、通りに貼られたしめ縄を刀で切り、巡行の始まりを告げる大切な役割を努めます。
福岡:走る山笠が圧巻の「博多祇園山笠」
概要
博多祇園山笠は、福岡県福岡市博多区で毎年7月1日から15日にかけて開催される櫛田神社のスサノオノミコトへの奉納神事です。700年以上の続く博多を代表するお祭りです。
その起源は諸説ありますが、1241年に博多に疫病が流行した際、承天寺の開祖・聖一国師が祈祷水を撒いて町を清め、疫病退散を祈願したことが始まりとされています。
博多祇園山笠では、山車のことを山笠と言います。山笠は、時代によってその洋装や高さが変化しており、最も高い時は16メートルもあったそうです。
山笠には、鑑賞して楽しめる「飾り山笠」と、動きを楽しむ「舁き山笠」があります。
見どころ
博多祇園山笠のメインイベントは7月15日に行われる「追い山笠」です。早朝、大太鼓の合図とともに一番山笠が櫛田神社の境内に入ると、二番山から七番山までが一定の間隔で後に続き、櫛田神社の境内から街中へと駆け出していきます。7つの舁き山笠と、唯一の走る飾り山笠が市内を勢いよく駆け巡り、祭りは最高潮の盛り上がりを見せます。
そして、最後は「櫛田入り」でフィナーレを迎えます。櫛田入りでは、櫛田神社の境内にある清道旗を回ってから境内出るまでの約112メートルの距離を駆ける時間を計測し、競い合います。
櫛田入りの見物は非常に人気なので、桟敷席は発売後わずか15分で完売してしまいます。
山笠を見物する際は、山笠が市内を巡るコースを事前にチェックし、場所取りをしましょう。道路沿いにいると舁き手と接触してしまったり、勢い水(山笠が走るときに沿道から浴びせかけられる水)を浴びせられたりしますので、注意して見物しましょう。
長崎:異国情緒溢れる「長崎くんち」
概要
長崎くんちは長崎県長崎市の諏訪神社の祭礼で、10月7日から9日までの3日間開催されます。国の重要無形民俗文化財にも指定されているお祭りです。「くんち」とは、九州北部地域の言葉で秋祭りを意味します。
その起源は1634年、2人の遊女が諏訪神社神前に謡曲「小舞」を奉納したことが始まりと言われています。長崎は鎖国中、対外貿易の拠点であったため、オランダや中国、ポルトガルなど異国の影響を受けながら次第に華やかなものとなっていきました。
長崎くんち
長崎県長崎市の諏訪神社の祭礼である。10月7日から9日までの3日間催される。国の重要無形民俗文化財に指定されている(昭和54年指定、指定名称は「長崎くんちの奉納踊」)。
因みに「長崎おくんち」は今年、世界遺産に登録された潜伏キリシタンと深い関わりがあるそうです。 pic.twitter.com/6g6yYULIi4— 久延毘古⛩陶 皇紀2679年令和元年文月七夕海の日 (@amtr1117) October 6, 2018
見どころ
長崎くんちでは、曳物とよばれる山車が「演し物」で引き回されます。ほとんどは船をモチーフにしたものです。これらの曳物は、諏訪神社、お旅所、八坂神社、公会堂前広場の4カ所で曳き回され、退場すると会場からはアンコールの意味で使われる「モッテコーイ」という掛け声がかけられます。
諏訪神社は、長崎くんちで一番人気の観覧スポットです。お旅所は、バスや電車など交通の便がよく、多くの露店が立ち並びます。八坂神社は、観覧席と踊り場の距離が近く、大迫力の演し物が見られます。長崎市公会堂前広場は、広々とした空間なので、ゆったりと演し物を観覧することができます。
夏の祭りは山車を理解すると楽しさ倍増!
この記事では、山車の役割、山車と神輿・だんじりの違い、名称や素材の違いなどをご紹介し、山車の見どころやおすすめのお祭りをご紹介しました。
山車の基本を理解した上で山車の活躍するお祭りを見物すれば、より一層楽しむことができます。夏の暑さや日々のストレスは、山車の駆け抜ける風で吹き飛ばしてしまいましょう!